「政府原案」ってなんだよ?報道は基本に立ち返れ!!

 

みなさんお元気ですか?本日は晴天なり!!太陽の光が気持ちよい朝です。

  さて、薬価制度改革。先週17日に一般各紙、そして一部業界紙が「政府原案」なるものを記事にしています。しかし、一体、「政府原案」ってなんだ????よくわからないですよね。本来、薬価制度改革は、中央社会保険医療協議会の薬価専門部会で議論するのが筋なのに、この部会は10月27日に開かれたのが最後で、11月は開かれていない。そうした中で、突然の「政府原案」です。安倍政権が官邸主導の政策決定を強め、本来の政策決定プロセスが崩壊しつつあるのは、みなさま知っての通りです。だからこそ、ニュース媒体は、もっと丁寧に報じるべきでした。ニュースの基本は5W。「when=いつ」「where=どこで」「who=誰が」「why=なんで」「what=何をした」が大事です。「政府原案」なんて、曖昧模糊とした言葉を使っていると、知らぬ間に為政者にコントロールされる可能性があります。

で、各紙が報じた「政府原案」。厚労省が17日に開かれた自民党の社会保障制度に関する特命委員会(野田毅委員長)と、製薬業界団体に提示したものです。すでに前日16日夕刻から、自民党の厚労関係議員には配られていました。で、16日夜の段階で、いくつかのニュース媒体の記者が「厳秘」とマークされた薬価制度改革案の資料を入手し、翌日の新聞で報じたというわけです。「厳秘」とマークされているのに、こんなに「オープン」になっちゃっているのですから、どこかで誰かが意図的に流しているとしか思えないですね。まあ、オープンなのはいいことですが。。。まず、メディアにリークして、社会の反応を観る。いわゆる「アドバルーン」戦略は、権力の常套手段です。

菅義偉官房長官は17日の記者会見で「報告を受けていない」とし、官邸の関与を否定していますが、ここまでガッチリした資料があって、こんなに漏れているわけですから少なくとも内閣府の担当者は知っているでしょう。

明日22日、久しぶりに中医協薬価専門部会が開かれます。委員から「政府原案」なるものについて「我々の頭越しに、公表するとは何事だ」という声が出るかもしれません。でもそれさえポーズ。中医協も会合前に、厚労省の説明を受けていないはずはないですから。というわけで、薬価制度改革の従来の決定プロセスは崩壊、すべてが水面下で決まる世の中になりました。昭和に逆戻りってことです。(笑)

写真は近くのカフェで。休みの午後のひと時。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

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