【4月17日発・コラム】外資系の記者会見でよくある「おかしな出来事」※18日、赤文字の部分を追記

 外国系の製薬企業や業界団体の記者会見で、一体、これはなんなんだ!ーと思うこと変なことがある。

 例えば単独企業の記者会見で、トップ(社長)が自分たちの事業を丁寧に説明しているのに、そこには全く深く切り込むことなく、大ぶりに「日本の薬価制度、改革をどう思うか?」という質問をかます記者ーー。なんで?ね、なんで今、それ聞くーー?と思ってしまう。まあ、大体、予想通り「イノベーションをしっかり評価して欲しい」という無難な回答が返ってきて終わりなんだが、限りある質疑時間にわざわざ挙手してまで「あなた、ホントにそれが聞きたいんですか!!!???」と、苦々しく思う。ホントは聞きたいことなんかなくて存在感を示したいだけなんじゃないかと私は勘繰っている。というかかなりの確率でそうだ。

 開かれた記者会見だから、本来、誰が何を聞いてもいいんだが、もう少し踏み込んで欲しい。大振りのテンプレートみたいな質問をしても、テンプレートみたいな回答しか返ってこない。というか返しようがないだろうーー?で、そのやり取りでかりに3、4行、記事の文字数を稼いで発信したところで、世の中にとってなんの意味がある?

 せっかく個別企業が事業説明してんだから、しっかりその企業のことや、事業内容について聞こうぜっ!!!っていつも思う。私は。。。

 というか各社の事業は複雑化、高度化していて、大枠を理解し、的確に質問を発するだけでも結構、努力、根気がいる。努力はしたくない、根気もめんどくさい、けど、とにかく質問して存在感だけは示したい!ってことになると、大ぶりな質問を振り込むしかなくなってしまう。

 日本の薬価制度とか、社会保障制度とか、そういう大ぶりな質問は、日薬連、製薬協、米国研究製薬工業協会、欧州製薬団体連合会に対してだけで十分だ。そいう団体の会見時に、とことんすればいい。

◆記者会見直後、その日に敢えて別室で

 取材する媒体の意図は何か?

 それと全く意味不明なのが、記者会見直後、その日に、別室でコソコソ(というかもうバレバレでみんな知っているが)個別会見する事象。まったく「???」。。。。でしかない。受ける企業や団体は、その媒体に「1面に載せまっせ!」的な確約を取り付けているのかもしれず、そうならそれはそれでメリットがあるのだろう。しかし、その後、媒体に掲載した記事はどうかーー?内容を見ても、記者会見以上の深みも新しさもない。多少あっても取るに足りない。わざわざ別室を設けてもらって取材してるんだから、最低限、記者会見だけでは知りえない画期的な情報、ピカ新を盛り込む矜持を見せてくれよ、と思う。まあ、そうなると、そもそも機会均等であるべき記者会見を開く意味、価値がなくなるが。。。

 そういう記事を探すのは簡単で、「記者会見後に本紙の取材に応じ」とか、非常に回りくどいリードになっている(苦笑)。あるいは翌日、複数の同業他紙が「記者会見を開き」と書いているのに、その媒体だけ、まるで記者会見などなかったかのように「本紙の取材に応じ」とあたかも努力して単独取材の機会をゲットしたかのように誇らしげに書いている。ご本人たちは悦に入って、いい気分なのかも知れないが、はたで見てるコチラ側は滑稽でしかない。「変なことしてんな(笑)」としか思えない。「実」がないからだ。

 では記者会見直後、その日に、別室で取材を受けてもらう媒体側の意義、メリットはなにかーー?よくよく考えると現時点では、ひとつ。歪んだ特権意識ーーー。。。それだけしかない。報道メディアが陥ってはならない最も危険な欲望だ。

 

 

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