【3月21日発】高額療養費の見直しは“必要性”“範囲”“設計”など根幹から議論すべき!製薬業界も参画を!

 石破茂内閣は8月に予定していた高額療養費制度の限度額引き上げを見送った。もともと野党、患者会から強く反対の声が上がっていた。それに抗しきれず、見送りを決めたのだ。にもかかわらず、解せないのは国民民主党など野党がまだこの件で追い打ちをかけていることだ。断っておくが私は特定政党の支持者ではない。選挙時は、足りない頭をフル回転させ、かつショートするくらい熟考し、与野党の別なく政策本位、人物本位で投票に臨んでいる。しかし、現在進行中の国会審議は、政策論議とは言えないやり取りが多い。相手の立場、印象を貶め、自らの立場、印象を高めようとする“ポジショントーク”が散見される。子供たちが見れば、悪い組織、悪い大人の見本のようなやり取りだ。まあ今に始まったことでもないが。。。。駆け引きばかりの審議を聞きながら、何を重視し、何を頼りに自分の立場を決めればいいのか?ーーー。大人の私たちだって困惑する。最も怖いのは、情感だ。情感は政治を形作る大事な要素のひとつで排除することはできない。しかし、そこに付け込んで刺激的な言説、意見でヒトの心を揺さぶり、自分の野心を満たそうとするデマゴーグがこのところ急激に増えている。SNS普及の影響だろうか?メディアも、その風潮に傾いている。

 で、高額療養費制度の見直しーー。やはり審議手続きが乱暴だったと言わざるを得ない。政府は昨年6月の骨太の方針(25年度の財政運営・改革基本方針)に盛り込もうとしていたが、かなわなかった。にもかかわらず、昨秋、政府は厚労省を通じて社会保障審議会医療保険部会に半ば唐突に、見直し提案を提示。数回の議論で審議会の了承を取り付けた。

 実は、このころ私は、某テレビ番組から「高額療養費見直しについてどう思うか?」と取材を受け、コメント出演させてもらった。今思えば、テレビの方は私に

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【3月13日発】肥満症治療薬 当面は“開拓期” “拡大期”はまだ先 2番目の「ゼップバウンド」近く登場も “重要度の理解”は未熟

 

◆琉球大大学院第二内科の益崎裕章教授(日本イーライリリー・田辺三菱主催2月27日セミナーにて)

 日本イーライリリーが製造承認を得た肥満症治療薬「ゼップバウンド」(一般名チルゼパチド)が近く国内で発売される。ノボノルディス ファーマの「ウゴービ」(同セマグルチド、24年2月に発売開始)に次ぐ国内2つ目の肥満症治療薬。この領域は民間調査会社が、こぞって「将来、大規模市場になる」と予測し、ここ数年、各社の開発競争が激化している。しかし、ゼップバウンドとウゴービの

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【3月6日発】 帯状疱疹ワクチン “自治体の対応格差”懸念する声も 4月からの定期接種化で

 

◆国立病院機構東京病院の永井英明感染症科部長(GSKメディアセミナーにて)

 長らく「任意接種」だった帯状疱疹予防ワクチンが、25年4月から予防接種法に基づく「定期接種」の対象になる。「定期接種」になると、国から市区町村に補助(費用の3割を地方交付税交付金として配分)が出る。ただ、「任意接種」の時からすでに9割を超える市区町村が「50歳以上」の接種者を対象に独自予算で公的助成を行っている。それに対して「定期接種」の対象は「65歳」からだ。4月以降、「定期接種」の対象から漏れた年齢層への助成をどうするか。そのまま継続するか、やめるかーー。判断は、市区町村次第だ。あくまで可能性の話だが、これまで

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【3月3日発】石破首相の答弁に疑問の声 高額療養費見直しにCAR-T療法を絡めていいのか?

 高額療養費の負担限度額引き上げを巡り、国会で論戦が繰り広げられる中、石破茂首相がCAR-T療法キムリアなどの名を上げて医療費の高騰を訴える発言をしたことを疑問視する声が上がっている。ざっくり言うとこうだ。「確かに一回の治療費が高い医薬品は増えてる。しかし、長期に渡り何度も投与するケースは極めて稀。それを高額療養費の

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【2月27日発】米国の医薬品関税は実現するか?したら何が起こるか?

 

◆記者会見で製薬協の見解を話す中川祥子常務理事(国際・知財担当)

 米国のドナルド・トランプ大統領が半導体、鉄鋼、アルミニウムなどと並べて医薬品にも関税を課す計画があると発言し、業界の話題を呼んでいる。ただ、本当に実施するのか、真の狙いはどこにあるのかー。現時点では不明瞭なことが多い。日本製薬工業協会が26日に開いた会長記者会見でも記者から質問が出たが、いまのところ何とも対応の仕様がなく、米の動向を見守るしかないようだ。とは言え果たして医薬品に関税をかけて米国にメリットがあるのだろうかーー。また、もし実施されたら日本含む他国にどんな影響が出るだろうか。

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【2月20日発】与党の元・前議員7人が「クロウト見解」披露 INES記者会見 中間年改定、高額薬剤、創薬力強化で

 

【写真】前列左から三ツ矢氏、丸川氏、橋本氏、とかしき氏、後列左から2人目=山田氏、3人目=鷲尾氏、5人目=伊佐氏。後列左端=梅田理事長、左から4人目=朝井代表

 一般社団法人新時代戦略研究所(INES)が19日に開いた「創薬イノベーション再興の会」(以下、再興の会)の設立記者会見にメンバーである与党自民・公明の元・前国会議員7人が登壇。今後の薬価政策ついてそれぞれの課題認識を披露した。7人はいずれも医療、医薬品業界に太いパイプを持って国政に取り組んできた経験豊富な政治のプロだ。それだけに、付け焼刃ではない、きらりと光る「クロウト発言」がいくつもあった。

 昨年末まで続いた25年4月の中間年改定論議の過程で明るみに出た業界の主張は「廃止」「延期」「中止」一辺倒で、水面下で行われていた調整内容は、全く表面化することなく最終デザインが決まり、公表された。ジャーナリストの私としては、こうした状況は由々しきことだと思っている。政策決定プロセスはもっと透明化されるべきだ。だが、官邸と行政と業界という3つのファンクショだけでは、それにも限界もある。海外では第4、第5のファンクションとしてメディアや、ロビイストがいるが、日本では十分機能していない。

 「再興の会」の記者会見で、元・前議員らは「在野の強み」を強調した。過密な国会スケジュールに追われることなく、じっくり腰を据えて政策立案に臨み、政局のしがらみから離れて動く。そして政策提案できると。勿論、各人、国政復帰を目指しているが、「再興の会」という枠組みを通じて「浪人期間中」も精力的に動く意欲を見せている。期間限定ではあるが日本では、これまであまり例がない“ロビイスト集団”として一定の力を発揮するかも知れない。記者会見では、その予兆を感じた。

 前述したが、記者会見での発言も、単に選挙で票を得たいがためのパフォーマンスを超える現実的なものが多々あった。

 例えば自民党社会保障制度調査会「創薬力の強化育成に関するプロジェクトチーム(PT)」の元座長、橋本岳氏は、

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【2月14日発】田辺三菱と住友ファーマは悲観すべきではない!

 

田辺三菱製薬本社ビル

  三菱ケミカルが子会社、田辺三菱の売却を決定、住友化学も子会社、住友ファーマを「そのうち売却するのでは」と取り沙汰されている。いずれも事業不振が発端で、従業員の心情を慮れば「ネガティブ」だ。一般紙、専門紙が発信するニュースも悲観的な仕立てが多い。しかし、海外の総合化学メーカーの歴史を振り返れば、必ずしもネガティブではない。三菱や、住友の動きはむしろ10年、20年遅れている。次世代の医療用医薬品ビジネスという鳥瞰視点に立てば「前進」と言ってもいいくらいだ。

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【2月12日発】頼れる議員がいない!自民“氷河期” INESが状況打開に動く!

 

◆国会議事堂

 昨年の衆院選で自民、公明政権は過半数割れ、少数与党となった。製薬業界とつながりの深い多くの自民党議員が落選の憂き目を見た。そんな状況下、製薬業界内で、国民民主党人気が急激にアップしている。国民は「政策ごとに対応を決める」との方針を打ち出し、自公政権のカウンターパートで野党第一党の立憲民主党とも距離を置いている。そのため石破政権は、際どい政策、法案を具現化する際、逐次、国民に近づかざるを得ない。国民が「キャスティングボードを握る」と言われる所以は、そこにある。国民は15年4月の中間年薬価改定で「廃止」を主張し、最も先鋭的に動いた。それが評価され、7月の参院選でも、一定の製薬業界票を集めるだろう。しかし、業界関係者の声を聞くと

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【2月6日発】立民、国民の「中間改定廃止」法案はどうなるのか?

 

◆国会議事堂

 立憲民主党と国民民主党が国会に共同で提出した「薬価改定は原則、2年に一回」などとする健保法改正法案は

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【2月3日発】ファイザー日本の新社長 「研究開発畑」から「マネジメント畑」にバトンタッチ!日本特有の市場でいかに業績、名声を上げるか?

 2025年1月最終週に大手製薬企業のトップ交代発表が集中した。ファイザー日本法人、武田薬品、第一三共(発表順)で、いずれも日本の医療用医薬品市場の根幹を担う新薬メーカーだ。業界フェーズの変化を象徴する出来事と言っていいだろう。ただ、新トップの立ち位置、背景、課題は異なる。ファイザー日本法人は

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