20年度改革論議が本格的にスタート。製薬業界の主張を国民、患者にどこまで分かりやすく伝えられるかがカギ。

 みなさん、お元気ですか?窓の外は夏のような光で溢れています。一体、梅雨はどこに行ってしまったのでしょうか?(笑)

 さて20年度の薬価制度(医療保険で支払う医薬品の価格を決めるルール)改革に向けた議論がいよいよ本格的にスタートします。日本製薬団体連合会の保険薬価研究委員会(薬価研)も理論武装を固めています。上出厚志委員長(アステラス製薬上席執行役員渉外部長)はじめ薬価研のメンバーが先週14日、記者会見を開き、薬価研の基本スタンスを説明しました。18年度改革で対象品が大幅に絞り込まれた新薬創出加算をどこまで元に戻せるかが最大の焦点です。医療保険財政が窮迫する中、産業エゴを排してどこまで説得力がある主張を展開できるかが成否の分かれ目になるでしょう。

とかく薬価制度は一般国民から見て複雑で理解しにくい。だからこそ、ひとつひとつの主張を国民患者目線に立って誰にでもわかるような言葉に落とし込むことが大事になります。例えば新薬創出加算の対象が絞り込まれると、国民、患者にとって何が損なのか?逆に対象を拡大すると、国民、患者にとって何が得なのか?それがわかりやすくスッキリ説明できて、国民、患者に伝われば業界の主張は間違いなく通るはずです。逆を言えば、それをできないあるいはしないでいるうちは中々、受け入れられないということです。そういう観点で、私も業界の皆様の動きをしっかりウォッチして、主張、説明を受け止めていく所存です。

 写真は薬価研の上出委員長。それでは皆様、日々の気候変動が激しき今日この頃。お体に気を付けて。素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

日米欧代表がAI、IoTによる医療の効率化、質の向上を提言!!薬価制度だけに偏向した政策提言はもう終わった!!

 みなさん、お元気ですか?本格的な梅雨が到来しました。窓の外に微かな雨音を聞きながら起床、これはこれで風情があります。

 さて先週6月4日、日米欧の新薬メーカーの代表が医薬品産業政策のあり方に関する座談会を開きました。それもただの座談会ではなくて「報道関係者向け座談会」。メディアの反応も上々で、会場の帝国ホテルは報道陣で一杯になりました。同日、日本で開かれていたG20会合に合わせて、業界の提言を社会にアピールしたのです。

 「まあ、業界の提言だから、どうせまたイノベーションを評価しろ、薬価をもっと上げろって言うんだろうなあ」と、タカをくくって行ったのですが、今回はそうではありませんでした。とくに薬価制度について、自分たちからはほとんど何も触れませんでした。代表らの主張を簡略化すると「AI、IOTで医療制度の効率化を進め、患者メリットを高めるべきだ」というものでした。もちろん、その背景には「もっと効率化できるだろ?効率化を進めないで薬価ばかり叩くなよ」という裏のメッセージがあるわけですが、提案のすそ野が広く、薬価制度への偏向がなかった。

産業政策に関する業界の提案というと、これまでは「薬価制度のここを直してほしい。ここを追加して欲しい」というテクニカルな主張に陥りがちでしたが、今回の座談会は、そこから脱し、医療保険全体を見渡した内容になっています。もう薬価制度だけを拠り所に押したり引いたりしても何も出てこない。薬価制度だけで主張すると単なる業界エゴと切って捨てられかねない。患者への貢献を徹底して考え、全体を見て主張しないと、説得力がない。今回の座談会から、そんな気迫が感ぜられました。どうやら新たな医薬品産業政策の時代が来たようです。

座談会のメンバー以下。日本製薬工業協会の中山讓治会長(第一三共会長兼CEO)▽国際製薬団体連合会(IFPMA)のデイビット・A・リックス会長(イーライリリー会長兼CEO)▽米国製薬工業協会(PhRMA)のオリヴィエ・プランディクール会長(サノフィCEO)▽欧州製薬団体連合会(EFPIA)の次期会長ジャン・クリストフ・テリエ氏(ユーシービーCEO)。

 写真は座談会風景。右からテリエ氏、プランディクール氏、中山氏、リックス氏。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。時に雨音に耳を澄ませて。。。。

 

 

田辺三菱が欧州でASL進行抑制薬の申請を取り下げ

 みなさんお元気ですか?晴れてるのか曇っているのか。はっきりしない空模様ですが、これはこれで過ごしやすいですね。

 さて先週5月30日、田辺三菱が、欧州で申請していたASL(筋委縮性側索硬化症)進行抑制薬エダラボンの申請を取り下げたと発表しました。日米では6か月間の試験(プラセボ(偽薬)との比較試験)で承認されていましたが、欧州当局は12か月試験をしないと認めないと指摘され、田辺三菱は諦めて申請を取り下げてしまいました。残念です。

ASLは筋肉がどんどんやせ細り、最後は身体が全く動かせなくなる難病。世界的に有名なイギリスの理論物理学者ホーキング博士(18年3月没)、私が大好きだった俳優サム・シェパード氏(17年7月没)を苦しめていました。ところがエダラボンを含めて薬はまだ世界に2種類しかない。しかも、疾患の進行を遅らせる薬であって、疾患を治療する効果は認められていない。1日も早く疾患そのものを治す。治療薬が出てきてほしいです。いまバイオジャンという会社が開発中です。

 写真は田辺三菱の三津家正之社長です。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。九州で梅雨入り宣言があったようです。

 

大原薬品が「きらりと光る原石」のような提携を次々に締結

  みなさん、お元気ですか?昨日は息つく間もないくらいの惨状で更新できませんでした。すいません!!

で各社の決算発表がピークを迎える5月中旬、「うあ~、面白いなあ」「ユニークだなあ」「やるなあ」と心底感動したニュースがありました。

 大原薬品がアフリカ・ナイジェリアの最大手フィドソン ヘルスケアと資本提携したのです。大原がフィドソンの株式20%を取得して今後、様々な業務連携を手掛けます。

アフリカの人口は現在12億6000人で世界人口の約17%を占めていますが、2050年には倍増して約25%になると予測されているそうです。そこで「フィドソンを通じて何かできることがあれば貢献したい」(大原誠司社長)と考えたそうです。大原薬品は資本金13億6,995万円、売上高174億7,323万円(18年3月期)で、いわゆる大企業ではありませんが、このところ大企業がやらないきらりと光る原石のようなユニークな業務提携、研究開発提携に次々に乗り出しています。アフリカの医薬品市場は未知数で、リスクも多いかもしれませんが、健康で幸せに暮らしたいと思う人々の願いは我々と変わらないはすです。今回の提携で是非ともうまく事業を開発し、発展させていって欲しいなあと思いました。

 写真は大原薬品の大原誠司社長。それでは皆様、素敵な1週間をお過ごしください!!!

 

お知らせ!

みなさん、お元気ですか?私も元気元気です!

本日は都合により更新できません。遅れます。すみません!!

ではでは!

 

 

武田ウェバーCEO、利益が大幅減でも「好調」をアピール。

みなさん、お元気ですか?うららかな春も一段落、東京の空気も湿気を帯びてきました。もうすぐ梅雨ですね。

さて製薬企業各社の18年度決算発表が概ね終了しました。6兆円を超えるという借金を背負ってシャイアー買収を手掛けた武田薬品は売上高が大幅に伸びましたが、営業、経常、当期利益はマイナスでした。19年度予想も売上高は伸びますが各利益項目はマイナスです。まあ、大きな借金を背負った時点で、この数値は予測できていたことではありますが、クリストフ・ウェバー代表取締役社長兼CEOは記者会見で、この点については、ほとんど何も触れませんでした。それどころかシャイアー買収で開発パイプラインが増えたことなどを改めて強調し、「非常に喜ばしい。業績は順調」と話しました。18年度実績、19年度予測の利益マイナスを、どう考えているのか?いつプラスに転じると考えているのか?決算会見なのに何も語らない。相変わらずの「ウェバー節」でした。与党アナリストは武田を持ち上げ続けていますが、株価は低迷したまま。株式市場ははしっかり見抜いているのかも知れませんね。

写真は武田のウェバー社長です。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

 

次のインフルエンザ治療トレンドは「ゾフルーザ」と「タミフル」の併用か!?

みなさん、お元気ですか?爽やかな気候が続きます。

さて先週、塩野義製薬が決算を発表、1度の服用で効果を発揮するインフルエンザ治療薬ゾフルーザの18年度(18年4月~19年3月)売上高は263億円になりました。18年春に新薬として登場、冬にインフルエンザの本格的な流行を迎え、急激に売り上げを伸ばしました。承認当初のピーク時売り上げ予測は9年後140億円でしたが、登場してすぐその倍近くまで成長しました。

ゾフルーザは効く人には大いに効いて、すぐに症状が改善するので間違いなく薬としての存在意義が高い。ただ、試験の段階から投与しても効かない耐性ウイルスが一部にあることがわかっていました。承認後に売り上げが急上昇する中で改めてこの耐性ウイルスの存在がクローズアップされ、臨床現場が混乱しております。どのような患者で、どのような頻度で耐性ウイルスが発生し、その耐性ウイルスが発生するとどんな悪影響が生じるのか。まだわからないことが多いからです。

塩野義は次のシーズンが始まる秋くらいまでに、これまで蓄積したデータの分析結果を発表する予定です。

 インフルエンザ治療薬の開発は、どんどん耐性を付けて、その薬の効果を無化してしまうウイルスとの飽くなき闘いでもあります。例えば、ゾフルーザより前から出ている中外製薬(ロシュ)のタミフルも使い続ければ耐性ウイルスが出ます。塩野義製薬の手代木功社長は決算会見で「幸いなことに現段階では、ゾフルーザとタミフルの両方に耐性を持つウイルスは見つかっていない」と説明しました。要は、耐性ウイルスと言えどゾフルーザとタミフル双方を投与すれば、どちらかは効くということです。と考えると、来シーズンのインフルエンザの薬物治療トレンドは、ゾフルーザとタミフルの併用でしょうか?それでうまくいけば将来は両薬剤の配合剤なんていうのも出て来るかもしれませんね。

 写真は塩野義の手代木社長と、週末、偶然で食わした神田祭。祭りを観るのは久しぶり。みなさん気合入っていて神田全体が活気に溢れていました\(~o~)/ それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

 

 

GW明けの御挨拶

 

はい、みなさんお元気ですか?長期の連休、いかがでしたでしょうか?

今回の連休は改元も重なり、なんだか年末年始のような厳かさを感じました。日本って平和だなあと。。。つくづく感じた10日間でした。さて今週来週、各社決算発表が目白押しです。「令和」も地道に取材、執筆を続けます。みなさんどうぞよろしくお願いいたします。

本日はここで失礼いたします。

写真は、ふらっと入った沖縄料理店で。それではみなさま素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

画期的ながん治療薬「キムリア」の登場で「正しい報道を」と専門医が訴える。

みなさんお元気ですか?4月も後半に差し掛かりました。春の舞台で華やかに咲く桜の花も「染井吉野」から「八重桜」に主役が交代しました。

 「死を覚悟した患者さんに無駄な希望を与え、再び奈落の底に突き落とすことがないよう正しい情報をお伝え下さい!!!」。

 先週18日に開かれたメディアセミナーで、北海道大学の豊嶋崇徳教授が放った一言です。 

 メディアセミナーはノバルティスファーマ主催。今話題の新しい血液がん治療薬「キムリア」がテーマでした。キムリアは患者のT細胞を取り出して遺伝子を導入し、がんに対する攻撃性を高めたうえで、再び患者に投与するというこれまでにない画期的な治療薬です。他の治療法で効かなかったり(難治性)、受けても再発した患者さん(再発)が対象になります。新しい治療選択肢になるのは間違いないです。しかし、副作用も強く、投与したからと言ってすべての患者さんに効くわけではありません。そのため再発、難治性の患者さんなら誰でも投与が受けられるわけではなく、診療ガイドラインに沿って医師が厳密に選別した患者さんのみが投与可能になります。

 とかくこの種の画期的な治療法、治療薬が登場するとメディアは画期性と明るい側面のみにスポットを当てて報道しがち。その結果、発売と同時に急速に臨床現場に広がり、不幸な有害事象が多発するというケースが珍しくありません。

 それだけに豊嶋教授の一言はズシンと肚に響きました。

長所のみを過剰に報じて煽っておいて何か問題が生じたら今度は企業と医療機関を叩く。そんな無責任なジャーナリストにならないよう私自身、十分、注意しなければならないと、気が引き締まる思いです。キムリアは5月の薬価収載後、発売される見通しです。引き続きウオッチしていきます。

 写真はメディアに重い一言を放った北大の豊嶋教授。それではみなさま、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

製薬業界では外資系日本法人のメディア対応がどんどん脆弱化している。

 みなさんお元気ですか?寒暖差の大きい季節のいたずらをうまくかわしていますか?

 さて毎年、この時期は、外資系日本法人の業績発表が続きます。最近もアストラゼネカ、日本イーライリリーなどの記者会見がありました。記者会見では各社社長が「これまでがんばってきた。これからもがんばります」と熱弁を奮うのですが、毎回、何か物足りなさを覚えます。理由を考えますと、一番、大きいのは業績数値が十分開示されないこと。ファイザー日本法人でさえ、開示するのは売上数値程度。全く開示しない会社も珍しくありません。今後の事業方針を聞いても、あまり明確な回答は返ってきません。社長の話は、ほとんど、もうすでにニュースリリースで発表していること以上でも以下でもないのです。

 でありながら何のために記者会見を開くのか?うがった見方かもしれませんが、最近は日本のメディアを通じて本社に「やる気」をアピールするためだけのものではないかと考えるようになりました。

 しかし、GSK、サノフィの日本法人は、ここ数年、記者会見も業績も発表しません。先日、GSK日本法人に取材の御願いで、公表されている広報の電話番号に電話を掛けたら、会社の代表番号につながってびっくりしました。その後、広報に電話を回してもらうまでに氏名、要件等、ものすごく多くのことを聞かれ、難儀しました。そもそも広報人員もわずか2人という軽装備です。依頼した取材も最終的にあっさり断られました。おそらく何か発表することがあれば、外部のPR会社に丸投げするのでしょう。こうしたケースを、どう解釈すべきでしょうか?日本法人と本社との関係は良好だから、わざわざめんどくさいメディアと接触する必要はないとのことでしょうか?世界第2位の医薬品市場、日本。軽視していいはずはないです。広報体制、活動をもう少し大事にして欲しいものです。

 写真は近くの喫茶店で。今日はコーヒーじゃなくお茶。日本茶の一服感はまたコーヒーとは別の良さがありますね。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 
 
 
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