
◆新型コロナ以前の中医協薬価専門部会
2024年度の薬価改定に向けた議論が年末に向けて急ピッチで進んでいる。10月18日、厚労省の中央社会保険医療協議会薬価専門部会では、新薬創出加算の見直しがテーマになった。診療側、支払い側、業界の意見には隔たりはあるが、かみ合っている部分も見えてきた。 会員の方はコチラをクリック »
◆新型コロナ以前の中医協薬価専門部会
2024年度の薬価改定に向けた議論が年末に向けて急ピッチで進んでいる。10月18日、厚労省の中央社会保険医療協議会薬価専門部会では、新薬創出加算の見直しがテーマになった。診療側、支払い側、業界の意見には隔たりはあるが、かみ合っている部分も見えてきた。 会員の方はコチラをクリック »
エーザイがバイオジェンと共同開発した早期アルツハイマー認知症(AD)の進行遅延薬(進行を遅らせる薬)レカネマブを医療保険の薬価でどう評価するかーー。10月18日、厚労省の合同部会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会・費用対効果評価専門部会合同部会)で議論があった。エーザイは「ADの進行を遅らせることができ、結果、介護者の負担及び公的介護費用を軽減できる」とする学術論文を提出、合同部会では、その主張を受け入れるか否かが焦点だった。【写真=国立保健医療科学院・福田敬氏(保健医療経済評価研究センター長)】
医療用医薬品の「流通のあり方」もいよいよ本腰を入れて議論する時代を迎えた。厚労省の有識者検討会報告を受け、流通改善懇談会(流開懇)が制度、政策に立ち入った議論を展開している。まずは「流通改善ガイドライン」(産官学の流通専門家、当事者による申し合わせ事項)の改訂作業を急ぐ。これからどう動くか。。。。公定価格と納入価格の違いによって生じる薬価差益をいかに検証するか。。。「流通のあり方」は、現行薬価制度に直結する。
◆エーザイの内藤晴夫代表執行役(CEO)
エーザイがバイオジェンと共同開発していた早期アルツハイマー型認知症(AD)の進行遅延薬(進行を遅らせる薬)レカネマブが25日に日本で承認された。ADの根本原因のひとつである脳内に蓄積したアミロイドβたんぱく質を除去する薬で、プラセボと比較した大規模国際臨床試験で疾患の進行遅延を証明した。アミロイドβ除去を狙った新薬薬開発は海外のグローバル大手企業が20年近く前からチャレンジしていたが、ことごとく失敗。一時、あきらめムードも漂っていた。それでも日本のエーザイは奮闘を続け、今回、米国(7月正式承認)に続き、日本でレカネマブの承認を勝ち取った。
人口の高齢者比率が増大する今、ADはじめとする認知症の予防、診断、治療体制整備は喫緊の課題だ。日本では今年6月、国民への啓発を目的とする「認知症基本法」が成立、今後、国を挙げて本格的な対策に乗り出す。エーザイの飽くなき新薬開発チャレンジ、そして今回の承認は、国家施策の背中を押し、課題克服に“一筋の光明”を注いでいる。まさに快挙で、深く敬意を表したい。まずは「おめでとうございます!」と言いたい。しかし、今後、克服すべき課題の「山」は高く、すそ野も広い。幅も厚い。レカネマブの承認は「スタートラインに立った」に過ぎない。
医療現場で必須の医薬品が、企業の相次ぐ「回収」「限定出荷」で品薄となり、医師、薬剤師、患者の不安を招く、いわゆる安定供給問題ーー。昨今、大きな「問題」、解決すべき「課題」として広く認識されているが、ここに至るまでには大きく「3つの節目」があり、それぞれの事象の背景は異なる。その違いを理解しないまま「安定供給問題」という言葉で一括りにして、ただただ、危機感を煽っても混乱を大きくするだけだ。経緯を振り返り、本質を浮き彫りにする。今回は、前回(9月12日発)、前々回(9月8日発)の続きである。