【12月19日発】 治験の評価に「患者の困りごと」を組み込む 中外製薬「PHARMONY」でチャレンジ

 

◆中外製薬の奥田修代表取締役社長兼最高経営責任者(CEO)

 患者の声を活かす中外製薬の取り組み「PHARMONY(ハーモニー)」に注目している。短期的に大きな収益を生み出す話ではないが、メディアにも門戸を開いたイベントを昨秋から毎年、開催。具合的な取り組み、進展度合いが外からも見える。僭越ながら記者の私も“伴奏”しているような気になって、興味深いのだ。

 企業理念に「患者中心」「患者重視」「患者のため」「患者と共に」などを掲げる製薬企業は珍しくない。考えてみれば製薬企業が、医薬品を生み出し、製造し、困っている患者を助けるのは当たり前のことだ。本来、敢えて理念に掲げるべくもない。国内外各社が苦しむ患者を想いながら、医師など医療従事者と協力を重ねて日夜、医薬品の研究開発、製造に励んでいるのもよく知っている。しかし、社長自ら“旗振り役”となって、全社を挙げて時間を作り、患者と向き合い、困りごとを聞き、それを各部門に深く根付かせようと動いている企業は今のところ、中外製薬以外に知らない。他社も何かしているかも知れないのだが、少なくとも私のような記者、つまり外部者には見えないのだ。

 中外製薬は2020年から患者との対話強化に乗り出し、22年に、その活動を「PHARMONY」と命名、24年秋から毎年1回、メディア関係者も入れるイベントを開いている。25年秋は2回目(11月12日開催)だったが、活動領域、内容がさらに

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