第一三共とアステラス製薬がオープンイノベーション契約を締結、両社の関係に「その先」はないのか?

中山社長第一三共とアステラス製薬が、両社が保有する約40万個の化合物を相互に持ち寄り、相互に活用する契約を締結しました。自社だけの設備、人材、化合物を使って研究開発を行う「クローズドイノベーション」から、数社が知識やシーズ(種)を持ち寄って研究開発の効率を上げる「オープンイノベーション」は海外では珍しくないようですが、日本ではまだまだ定着していません。そういう意味で、第一三共とアステラスの今回の契約締結は国内企業にとって、新たな一歩と捉えることができます。

「研究開発プロセスのひとつ。外部リソースの活用を模索する中で両社の考えが一致した。とくに大騒ぎする話ではないと考えている」(第一三共広報)というのが正式見解です。しかし、どちらも過去に大型合併を経験している企業同士で、これまでも少なからず関わりがあったことから、ジャーナリストという習性上、どうしても「その先」を考えてしまいます。第一三共は三共と第一製薬、アステラス製薬は山之内と藤沢薬品が合併してできたのは周知の通りです。いずれも2005年のこと。

Exif_JPEG_PICTURE2000年初頭は、日本の大手製薬企業同士の合併による「日の丸連合」の創設を期待する空気が蔓延し、各社経営陣は、実現可能性を含めて、色々、シュミレーションをしていました。そうした中、一番初めに具体的なアクションを起こしたのは藤沢薬品。同社は当初、実はエーザイや、三共に声を掛けていたと言われています。しかし、色々あって結果的に藤沢薬品と結ばれたのは山之内製薬だった。で両社の合併で05年4月にアステラス製薬が設立され、数か月後の同年9月、三共と第一が合併して、第一三共が設立された。その翌年6月、今度は第一三共グループが、山之内と藤沢のOTC子会社ゼファーマを傘下に収めました(07年第一三共ヘルスケアに吸収合併)。

と振り返ると、第一三共とアステラスはそれなりに因縁はあるのです。今後、化合物の相互交換で、とてつもなくビックリするブロックバスターが生まれれば、これまた、とてつもなく大きな規模の国内製薬企業が生まれるかも知れない!!などと勝手に想像を膨らませて、胸を躍らせているのは己(オノレ)だけでしょうか?あ、これは飽くまで私の想像。というか妄想です(笑)。第一三共は「そういう考えは全くない」(広報)と一蹴しておりますので、悪しからず。

写真上は第一三共の中山譲治社長、アステラス製薬の畑中好彦社長。それではみなさん。素敵で楽しくかつ有意義な一週間をお過ごしください。

 

 

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