ジェネリック医薬品を「使ってください!」から「使うのが当然だろ!」に。政府が態度をガラリと変えた。

ジェネリック医薬品の使用促進が浸透して、医療保険で支払う医薬品の価格政策が大きく変わりそうです。ジェネリック医薬品があるならそれを使うのが「当然」という考えを基本に、すべての政策の組み替えが始まるのです。

新薬の特許が切れると、同一成分同一効能の後発医薬品(ジェネリック医薬品)がいくつか出てきます。ジェネリックは、新薬の研究開発ほどお金がかかずに開発できるので、新薬より安い価格で患者に提供できます。医療保険財政財政の抑制につながるので、政府は10年くらい前から、我々国民に、ジェネリックの使用を呼び掛けてきました。はじめはあまり使われていませんでしたが、いまや国内で使用する医薬品の7割がジェネリックという状況になりました。で、ここにきて政府は態度を大きく変えてきました。

これまでは政府は我々国民に「ジェネリックを使ってください」とお願いしていたのですが、最近は「ジェネリックを使うのが当然ですよ」と突き放しにかかってきたのです。

で、何が変わるか?とりあえず、ジェネリックがあるのに使わないで、特許が切れた新薬メーカーの製品(先発品)を使う場合は「ジェネリックとの差額を自分で払ってください」という仕組みを導入しようとしています。政府が先週まとめた経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)には入りませんでしたが、素案の段階ではしっかり書き込まれていました。この仕組みは、もうずいぶん前から財務省が主張していて、将来、導入される可能性大です。保険薬局には「患者にジェネリックを使用を薦め、実際にジェネリックを使用してもらえたら調剤報酬を加算します」というご褒美があったのですが、これもいつか終わるでしょう。逆に「ジェネリックの調剤が少ない薬局は調剤報酬を減額する」という罰則ができるかもしれません。

というわけで、医療保険の医薬品関連政策は大きな転換点に差し掛かっています。

写真は近所でさりげなく咲いていたドクダミの花。お日様の光を浴びてなんだか楽しそうに見えます。それでは皆様。素敵な一週間をお過ごしください!

 

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