抗菌剤の相次ぐ供給不足はメーカーを叩いているだけじゃ解決しない!!!

みなさん、お元気ですか?台風の影響で、交通網が一時麻痺しましたが、割と早くに回復。ほっと一息です。

さて、8月末、日本化学療法学会など感染症関連の4団体が根本匠厚労大臣宛てに「抗菌剤(抗生物質)の安定供給」を求める提言書を出しました。抗菌剤は感染症治療に欠かせない大事な医薬品ですが、このところメーカーの供給停止が相次いでいます。そのたびに厚労省や、メディアは「怪しからん、早く何とかしろ」とメーカーを叩き、メーカーは「申し訳ございません」と頭を下げます。しかしながら、供給はすぐに再開されず、供給停止となる抗菌剤は増える一方です。

なぜ、こんなことが起きるのか?その要因を深く探っていくと、どうしようもない現実にぶち当たります。原料や、原薬を、全て海外から輸入に頼っているので、ひとたび輸入元で何か起これば、供給が途絶えてしまうのです。かつて日本のメーカーも、抗菌剤の原料から原薬、完成品に至るまで日本で製造していたのですが、度重なる薬価改定で、価格がすり減り、儲からないから、製造のほとんどの過程を海外に委託するようになったのです。メーカーは、企業ですから、コスト効率を考えて当然なのです。で、原料の輸入先が工場の事故とか、他国の企業優先策をとると、日本の抗菌剤供給はたちまち先細るという流れができました。にもかかわらず、厚労省もメディアも「また供給停止。何とかしろ」とメーカーを叩くばかり。本質を見極める努力を怠ってきました。それで今回、感染症系4団体が厚労大臣に「自らリーダーシップを発揮して改善策に取り組んでくれ」と要望したのです。我々、素人からすれば「原料と原薬の国内製造を再開させればいい」と考えがちですが、もう何十年も前に国内メーカーが捨ててしまった技術です。専用の工場もありません。そう簡単にはいきません。画期的な新薬の創出は大事ですが、抗菌剤のような基礎的薬品の国内生産体制確保も国家安全保障上、大事な課題だと考えます。

で、写真は先日、食した「信玄うどん」。麺のコシがハンパじゃなくて、なかなか美味でした!!!それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

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