大手医薬品卸の談合は国民に対する「背信行為」!現行薬価制度の「信頼」も地に落ちた!

 みなさんお元気ですか?今週、都内は曇天でスタート。今年は例年よりかなり早く梅雨入りとなるようで、しばらくスカッとしない天気が続きそうです。

 さて一昨年(19年)秋に浮上した医療用医薬品の大手卸の談合疑惑の実態が裁判で明かになりつつあります。

 談合疑惑はメディセオを含むスズケン、東邦薬品、アルフレッサの4社で浮上していましたが、最も早く自ら談合を認め、公正取引委員会に報告したメディセオは刑事告発を免れたようです(趣旨はよくわかりませんが、そういう公的なルールがある)。起訴されたのはスズケン、東邦、アルフレッサの3社で4月から裁判所で追及が始まっています。3社の幹部はいずれも談合を認めており、6月に有罪判決が下される見通しです。これは国内製薬業界のみならず、社会保障制度にとっても大変ショッキングな事件です。

 医療用医薬品は医療保険制度で使用が認められ、医療保険からの支払価格(保険薬価)は卸が医療機関に販売した価格の平均値を基に、定期的に見直すことになっています。当然、卸と卸が適正な価格競争を行っていることが前提です。しかしながら、今回の件で、大手医薬品卸は、自らの経営を維持するために、競争を避け、どの製品を、いくらで、いくつ医療機関に納入するかを事前に相談(談合)して決めていたことが明らかになりました。元幹部は「長年の商習慣」と言及しており、談合は常態化していたようです。これでは卸各社が好き勝手に販売価格を決めていることになり、医療保険からの支払価格も市場競争を反映しない「デタラメ価格」になってしまいます。

 医療保険の財源は国民が支払う税金、保険料、自己負担で成り立っています。要するに我々のお財布で賄われているのです。自らの経営のためルールを破って談合を続けていた大手卸は、国民に対する「背信行為」を行っていたことになります。まあ、一部ならともかく国内を代表する複数の大手卸で、しかも販売先は全国57病院を傘下に持つ独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO、ジェイコー 、尾身茂理事長)ですから「今回に限って。つい出来心で。。。」ということではないでしょう。前述しましたが、卸の元幹部も「長年の商習慣」と認めている。

 医薬品卸という業態を根本的に問い直す時期が来ています。加えて医薬品卸の販売価格を基に決めている保険薬価のルールも、徹底的に見直すべき時期です。製薬企業各社も、談合が常態化していた医薬品の流通改善に向け、これまで以上に積極的に発言していく必要があります。これまで何10年も続けてきた「薬価制度の信頼性」は完全に地に落ちたといっていいでしょう。

 写真は神田の商店街でひなったぼっこしていた子。愛くるしぃーーっ!!!(笑)それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

 

 

 

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