【号外】アルツハイマー型認知症新薬「アデュカヌマブ」がFDAの承認を取得、しかし大事なのはこれからだ!!!

  バイオジェンとエーザイが開発していたアルツハーマー型認知症(AD)治療薬が日本時間8日、米FDAに承認されました。一度は開発中止(19年3月)になりましたが、FDAとの再協議で申請にこぎ着け(20年8月)、今回みごと承認。過去に例がない。快挙です。【経緯は前号参照】

 しかし、この薬を実臨床でどう育てていくか。これからが大事です。開発段階のデータを見た専門家の中には、承認に批判的な意見もあったことを忘れるべきではないでしょう。

 

米バイオジェン研究所・抗体研究風景(バイオジェン提供)

 そもそも脳内の神経細胞の働きはまだまだわからないことだらけ。

 私たちの脳内には年をとるごとにアミロイドβというたんぱく質が溜まっていきます。また、神経細胞も徐々に死んでいきます。何がどう作用してそうなっているか。超ミクロの世界で全容は解明されていません。そんな中でのAD治療薬開発なのです。

 まだ生きている脳内神経細胞の働きを良くして認知機能の低下速度を遅らせるのが、アリセプトでした。ADという疾患そのものに向き合って改善する薬ではなく、ネガティブな症状を可能な限り抑える。いわば対処療法的な薬です。一方、今回承認されたアデユカヌマブは、脳内に蓄積したアミロイドβを除去する作用があります。「アミロイドβの蓄積と、ADの発症、進行には関連性がある」というのが定説なので、アデユカヌマブはADという疾患そのものに向き合って症状を改善する初めての薬(疾患修飾薬)ということになります。ただ、どこまで効果があるのか。。。。まだ断定はできません。

 今回承認されたのですから、FDAはアリセプトと同等以上の進行抑制効果はあると、認めたわけだけれども、臨床現場で広く使われるようになって、それを裏付けることができるか?脳血管に作用するので、勿論、副作用もある。どかどか使えばいいってもんじゃない。慎重に使用すべきでしょう。

 厳しい難関、ハードルを乗り越え新薬を世に出したバイオジェンとエーザイには敬意を表したい。しかし、この薬をどう育てるか。。。これからが「企業品位」の見せ所だと。。筆者はそう考えます。

 

 

 

 

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