沢井製薬による小林化工の「救済買収」、オリックス、わずか2年弱で譲渡

 

 みなさまお元気ですか?

 新薬の特許が切れた後に、その新薬と同一成分の薬を製造し、安価で臨床現場に供給する後発医薬品(ジェネリック医薬品=GE)ー。医療費効率化の名のもとに、政府が掲げたGE使用目標80%(数量ベース)は、ほぼ達成しました。さて、この先、GE業界は、どうなるか?

 「GEメーカーは企業数が多く、価格のたたき合いをしがち。結果、製造できなくなって供給不安が起きる。企業の再編、統合が必要」。かねて、そんな批判、意見が飛んでいました。

 先週、大手GEメーカー、沢井製薬のホールディングス(サワイグループホールディングス=サワイGHD)が福井県のGEメーカー、小林化工を買収、子会社化すると発表しました。

 小林化工は、杜撰な製造体制で、昨年、経口真菌剤イトラコナゾールに睡眠剤を混入させ、患者に甚大な健康被害を与えました。その後も複数の製品で続々と問題が発覚、製品回収を繰り返し、行政処分を受けることに。。。もうボロボロと言っていい状態でした。5月に経営陣を刷新して以降、売却先を探していましたが、今回、晴れて沢井製薬が買収することになりました。名前も「トラストファーマテック」に改めるそうです。

 小林化工は20年1月に、オリックスに買収されたばかりでした。その年の秋に問題が発覚。オリックスは、わずか2年弱で小林化工を沢井に譲渡することになったわけです。

 オリックスという異業種がどんなGEビジネスを展開するか。楽しみにしていたんですが、致し方ありません。オリックスは小林化工を数百億円で買ったと見られますが、沢井への譲渡額はそれより相当、低いでしょう。まあ、沢井側からすれば“救済買収”とでも言いましょうか?

 沢井は今年4月から、親会社を置いて、その下に事業を行う関連会社をぶら下げる、ホールディングス方式に姿を変え、色々な事業、企業を買収しやすい体制を敷いていました。とはいえ、国内のGEメーカーの買収には、表向き消極的に見えました。しかし、実際は、そうでもなかったんですね。

 これを機に、他のGEメーカーにも再編、統合の動きが出るでしょうか?今後の展開に注目したいと思います。 

 写真はサワイGHDの澤井光郎会長(CEO)。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

 

 

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