MSDの会見で記者の質問が殺到&「未病への対応」に踏み出す製薬業界

 

 みなさん、お元気ですか?寒暖の著しい波が、続いていますね。温度調節が難しい今日この頃です。

 さて先週はいくつか記者会見がありましたので、その印象記を一席。。。。

 

◆MSDの会見は毎回、質問が殺到

 まずMSD製薬の年次会見(21日)。昨年4月の薬価引き下げでダメージを受けましたが、抗がん剤キートルーダなどが順調で売上高は2890億円(7.5%アップ)。今期22年は薬価改定もないし、コロナ治療薬ラゲブリオなどが貢献するので、順調に伸びるでしょう。

 MSDの記者会見は、このところ毎回、質問が殺到します。コロナ治療薬、抗がん剤、子宮頸がんワクチンなど、わかりやすい製品、事業が多い。加えて昨年は、1社単独で日本の薬価制度について意見表明したことでも注目されました。記者会見では、カイル・タトル社長が事業全体を説明した後、白石博満副社長が研究開発、ビジネス、医療保険など様々な角度から、毎回、日本語で丁寧に深く補足説明する。会見の運びも極めてスムーズです。そんなこんなで参加している記者の「もっと理解したい」「質問したい」というモチベーションが非常に高まっているように思います。

   MSD製薬には、ベテランの広報担当者が複数名いらっしゃいます。その方々の「志」「磨き上げたプロの気配り」あってのことでしょう。最近は、自社の広報を縮小し、PR会社に丸投げってケースも散見されます。MSDには是非、「トップシフトの本気の広報」を続けて行って欲しいです。

◆薬事、医療品評価委員会の共通テーマは「未病への対応」

 

 そして翌22日、新薬メーカー73社で構成される日本製薬工業協会が薬事委員会、医薬品評価委員会の活動計画についてリアル会見を設けてくださいました。

 薬事委は主に、医薬品の「承認申請」、医薬品評価委は、主に医薬品の「安全性、有効性の各種試験」について検討する委員会ですが、22年度は共通課題も沢山、あります。その中でも注目は「未病への対応」です。

 

 

 従来の医薬品の定義は「疾患を治す」でしたが、これからは疾患になる前に、予防する。すなわち“未”だ“病”ではないうちに対応する。それが大事な時代になりました。製薬業界として、この問題にどう向き合うのか?それを両委員会で議論することになります。まだまだ書きたいこと、お伝えしたいことは尽きませんが、今回は、この辺で!!!!

おいおい改めてディープに発信いたします。

 写真は、MSDのタトル社長、白沢副社長のツーショット。二番目が薬事委員会委員長の柏谷裕司氏(武田薬品)、三番目が医薬品評価委員会委員長の柳澤学氏(エーザイ)。丁寧にご説明したいただき、感謝しております。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

 

コメント

現在のコメント

コメントを書く

 
  (公開されません)
 
 
 
 

 
© 2024 薬新プラザ|医薬品業界の「本質」を発信するサイト