アストラゼネカ日本法人の業績12.1%増、患者厳選型の抗がん剤タグリッソで補助療法への貢献狙う

  

 みなさんお元気ですか?昨日は複数の案件が重なり、1日遅れの更新で失礼します。

 先週5月17日はアストラゼネカ(AZ)日本法人の決算会見がありました。21年1~12月の売上高は4198億5800万円、対前比12.1%増で順調に推移。日本市場では第3位とのことです。昨年、英国親会社が買収したアレクシオンファーマシューティカルズは、まだ別法人で日本の売上高に反映されていないので、アレクシオンの売上高を組み込めば、もっと大きくなっていることになりましょう。

 AZで最も売上高が大きいのは非小細胞肺がん治療薬タグリッソ。いま外科手術後の補助療法(再発防止などを目的とする薬剤投与)の適応症を追加申請しています。

 AZのステファン・ヴォックスストラム社長は「がんを死因としてなくしたい」と、補助療法の追加適応の意義を強調しました。

 かつて私が尊敬する外科医は「しっかり手術したのに、“念のため”という理由で、抗がん剤を投与して患者さんを副作用で苦しめるのは忍びない」と嘆き、術後補助療法のあり方に苦言を呈していました。すでに、いくつかの薬剤は、がん手術後の補助療法でかなり広く使われ、学会ガイドラインにも組み込まれています。そのため、どんな患者でも“念のため”術後投与(補助療法)するのが当たり前になっています。しかし、AZのタグリッソは、もともとEGFRという特定遺伝子に変異がある患者に絞って使用されます。遺伝診断で、効果がある患者と効果がない患者をあらかじめ選別してから使うのです。大雑把に言えば、無駄な投与を無くす。タグリッソが術後補助療法の承認を得れば、私が尊敬する外科医の見方も変わるかもしれません。

◆優れた医薬品は「温室効果ガス削減」にも貢献できる

 それから印象に残ったのは温室効果ガス排出ゼロに向けたAZの提言。全部で6項目あるのですが、「日本の温室ガス排出の4.6%はヘルスケア関連。最も大きいのは患者さんの入院なので、短縮化に向け、関係当局と話し合っていく」(ヴォックスストラム社長)との言葉が響きました。優れた医薬品開発は、温室効果ガス排出削減に貢献できるのかもしれないと気付かされました。

 写真はAZ日本法人のヴォックスストラム社長。これからも地道に各社をウォッチしてまいります。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

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