【緊急告知】 「製薬企業の広報って何!?」。7月8日(金)セミナー開催!!!

IMG_1619 みなさんお元気ですか?本日は緊急告知がございます。来る7月8日金曜日。第3回製薬ビジネス活性化セミナー「製薬企業にとって広報とは!?」を開催いたします!!!

 講師は旧三共、第一三共、ジャパンワクチンで通算10年以上、製薬企業の広報マンとして活躍され、現在も、三菱自動車の経営企画本部副本部長として現役バリバリの広報マンを続けていらっしゃる吉田雄三氏。そして産業ジャーナリストとして20年以上ご活躍なさった後、2000年に井之上パブリックリレーションズに入社して広報のプロに転身。今年4月、同社社長にご就任された鈴木孝徳氏です。

おかげさまで私の医薬、医療業界ジャーナリスト生活は四半世紀を超えました。しかし、今ほど、製薬企業、各種関連団体の「広報」機能が弱体化していると感じたことはありません。「製薬企業」=「悪」と断定する偏見報道・出版物の横行、ジャーナリストと真っ向から向き合おうとせず、最小限の情報しか外に出さない製薬企業、関連団体。このままでは誤解が誤解を生んで、疑心暗鬼ばかり大きく膨らんでいきます。萎縮しきってタコツボ化した企業、業界環境のなかで、果たして最先端科学・化学、医学、想像力の結晶である画期的新薬が生まれるでしょうか?政府がいう「日本経済の牽引車」なんぞ、夢のまた夢です。

 製薬企業、業界団体は「広報」を軽んじてはいませんか?少なくとも社会と向き合う最初の扉が「広報」だと思うのですが、ものすごく敷居が高かったり、サイズが小さかったり、人がいなかったり、重装備だったり。。。このままじゃまずいです。

 今回のセミナー。吉田氏、鈴木両に、自らの広報論を思う存分、語っていただきます。日時は7月8日(金)、場所はTKP八重カンファレンスセンター。17:30開始です!!

    詳細はコチラ⇒薬新セミナー

 

 

 

消費税増税の再延期、またも薬価改定6か月前。「据え置き」か、「改定」か。デジャブのような議論が始まる!

IMG_1561みなさん、お元気ですか?今週は、そぼ降る雨でスタートです!!

さて安倍首相が消費税増税再延期を決めました。17年4月から現行8%を10%に引き上げる計画でしたが、2年半先送りして19年10月からにするそうです。当ブログ、薬新カフェは既に1月25日付『アベノミクスの「逆噴射」、主要閣僚の収賄疑惑で、「消費税再増税の延期」も!!!』で先送りを予測していました。その通りになったわけです。

診療報酬、薬価改定は、2年周期で4月に実施します。次の改定は18年4月、その次は20年4月ですから、消費増税時期の19年10月と半年近く「ずれ」が生じてしまいます。当然、「消費税が変わったんだから、19年10月にも、市場価格を調査して薬価改定し、診療報酬も改定すべき」という意見が出ます。

実はもともと、10%への消費税増税は15年10月にやるはずだった。それが17年4月に延期され、今回さらに19年4月に再延期となったわけです。15年10月前も、通常改定(16年4月)の半年前だったから、診療報酬、薬価をどうするかが課題で、いろんな議論があった。これから、デジャブのような状況が生まれるのです。

議論はこれからですが、消費増税を巡っては、もう何度もドタバタ劇を繰り返している。政府としては、このうえさらに診療報酬、薬価改定でもめたくない。そう考えると「改定が半年後(20年4月)にあるから、19年10月は無理して改定しなくていい。とりあえず据え置にして20年4月に消費税分を加味して改定しよう」という展開もあるかもしれません。

で、写真は都内散策中に撮影。季節は、そろそろこの方たちの出番です。気温の変動が激しい今日この頃。皆様。体調管理に気を付けて。穏やかで、素敵な1週間をお過ごしください。

 

オプジーボは「効く患者」と、「効かない患者」の選別研究を急げ!!!

IMG_1326   みなさん、お元気ですか?

さて先週の薬新カフェで「製薬各社の16年3月期決算は概ね好調」と書きましたら、業界の先輩から叱られました。いわく「どこが好調や?国内数値、見てみぃ。どこもボロボロや。数値がよく見えるのんは、海外で伸ばしている企業だけや。そんでもって日本では、これからは費用対効果分析を使ってさらに薬価を叩く。市場は厳しくなる一方や」。確かに(^_^;)。ちとおおざっぱだったかも知れません。先週18日の中央社会保険医療協議会は「次に消費税が上がったから、薬価をどうするか」という本題はどこへやら。「クスリが高ーい!とくに免疫チェックポイント阻害薬オプジーボが高ーい!」という意見のオンパレードでした。オプジーボは薬価が高く、一回の投与で70万円を超えると言われます。

IMG_1371業界からすれば「いい薬に高い薬価が付いて何が悪い?」って言いたくなるでしょうが、実は突っ込まれる理由が確かにあるんですよね。オプジーボは効く人には、ものすごい高い効果を発揮しますが、それは対象患者の半分にも満たないのです。にもかかわらず、患者の絞り込み研究よりも、適応追加が先行し、メラノーマ、非小細胞肺がん、腎がんと使用領域がどんどん拡大しています。要するに企業戦略でいえば「小さく生んで大きく育てる」。しかし、医薬品の場合、もうそれでは済まない時代が来ているんです。特に、抗がん剤は。。。。。。「効かないかもしれないけど、効く患者かいるからとりあえずやって使ってみる」という判断は支持されなくなってきている。オプジーボは適応追加より前に(あるいは、少なくとも同時に)、遺伝子多型の違いによる患者の絞り込み研究を進め、結果を示すべきだったと思います。抗がん剤の新薬開発は、効く患者、効かない患者の選別研究が同時に要請される時代が来たと言っていいでしょう。実際、ファイザーの非小細胞肺がんザーコリは初めから、患者を絞り込んでいます。各社の誠実な取り組みを期待します。

 写真は先週、出張があった京都で撮影。穏やかな空間。一瞬ですが、なごみました(*^_^*)それでは皆様。なごやかで楽しい素敵な一週間をお過ごしください。

 

アステラス製薬の存在感が益々増大、武田のウェバー体制は安定感もやや精彩欠く

IMG_1190   みなさん、お元気ですか?

さて先週は連休明け早々、原稿締め切り。その後、製薬各社の決算会見が集中しました。「今回は、可能な限り直接、会見に参加して経営陣の気風に触れよう!!」と一念発起し、武田薬品、アステラス製薬、第一三共、エーザイ、塩野義製薬の会見に参加しました。 決算数値は各社概ね好調。武田のウェバー社長体制も2年目となり、安定感が出てきたようです。しかし、急成長するアステラス前では、やや精彩に欠ける。売上高こそ1兆8074億円でトップ(アステラスは1兆3727億円)ですが、営業利益は数年前にアステラスに抜かれたまま。アステラスの約2500億円に対して、武田1308億円です。武田は人事、戦略面で何かと話題を呼びますが、実質的な成果という点では、今一なのです。アステラスは不正製造で問題になった化血研を引き取る方向で協議を進めていますが、「もしアステラスが引き継げば化血研をお荷物どころか、成長企業として発展させるかもしれない」という期待感を抱かせるほど、プラスの勢いを持っています。

IMG_1223第一三共はランバクシーの呪縛から完全に解放され、増収増益。遅ればせながらオンコロジー(がん)に集中します。今後、この領域で、どれだけポテンシャルを発揮するか注目です。エーザイにはアリセプトに続く、認知症治療薬の開発に期待したいです。塩野義は2020年までの単独路線継続の中で、どんな展開を見せてくれるか注目したいです。

 写真は先日、街で遭遇した可愛いらしい連中です。決算会見で忙しなく飛び回る道すがら、ホッと一息気持ちを和ませてくれました!!では、皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!

 

ゴールデンウィーク終了で頭の切り替え!

IMG_1124  みなさあ〜ん。お元気ですか?ゴールデンウィーク(GW)はゆっくりされましたか?

私は結構、外出機会が多く、久しぶりに室内業務から解放され、リラックスできました。でGW明け早々、いきなり原稿の締切り。我々、ジャーナリスト稼業は外出、接見、読書、調べもの、執筆の繰り返し。それぞれのバランスをいかに保つかが大事です。どれか一つだけに偏ってしまうと、まずいわけです。GWは外出機会が多かったので、読書、調べもの、執筆をする頭に、急激に切り替えているところです(笑)。なんで、本日は、これで失礼いたします!!(*^。^*)

 写真は遠征先の朝食についていたレモンイエローの卵。緑餌だけを与え、自然に育てると、こんな色になるそうです。生まれて初めて食しましたが、美味でした!!というわけで、今週も予定が一杯!!!みなさま。穏やかで素敵な一週間をお過ごしください!!

 

 

「イノベーションの評価」と「皆保険制度の維持」。適正なバランスとは何か?費用対効果論議がスタート。

IMG_0938   みなさん、お元気ですか?すっかり新緑が美しい季節になりました!!

さて今週27日の中央社会保険医療協議会で、費用対効果論議の対象製品が決まります。その医薬品がどれだけ日本の患者、医療、そして社会に貢献しているか。経済的な側面から検証し、価格がそれに見合っているかどうかを議論するのです。議論の結果は、次の薬価改定に反映させることになっています。小野薬品の免疫チェックポイント阻害薬オプジーボは、ほぼ確実ですが、個人的には16年度薬価改定で、すでにバッサリ引下げを受けたC型肝炎治療薬ギリアドのソバルディ、オプジーボも議論して欲しいです。

薬価は「研究開発イノベーションの評価」と「国民皆保険制度の維持」という2つの命題のバランスで成り立っています。しかし、バランスの良し悪しを何を持って判断するか。共通の「物差し」はありません。勢い現時点では、感覚、情緒、時の政治情勢に左右されてしまいがちです。さすがにそれじゃあ、まずいわけです。

いよいよ本格的に始まる費用対効果論議。対象製品が何にせよ。オール製薬業界でしっかり準備し、大いに議論を盛り上げて欲しいです。

写真は近所で撮影したタンポポ。すっかり綿毛になりました!!では、みなさん。素敵な一週間をお過ごしください!来週5月2日(月)はお休みいたします。次回、更新は9日(月)です!!!

 

宙に浮いたままの「バイオ後続品・使用促進」、まずは政府主導で市販後試験に着手すべき

IMG_0861 生物学的技術を使って精製するバイオ医薬品は価格が高いことで知られています。すでに世界売上の上位10製品中、7製品がバイオ医薬品です。しかし、これらの製品特許が、昨年、今年に、続々と切れていくのです。要するに先行メーカーの製造技術を使って、後続品を作っていいわけです。先行品よりも、安く作れば医療費も助かるし、先行品よりも優れた点を発掘すれば、患者にとって朗報です。ところが、日本企業はみな及び腰です。バイオ後続品(シミラー)を製造販売する際は、韓国や、中国に生産委託しているのが実情です。「バイオ医薬品の製造設備は、コストがかかる。一度始めて、失敗したら大変だ」。というのが理由でしょう。使用に際して医療現場、患者の理解も今一つ進んでいないという現状もあります。

野党を交えた超党派の国会議員が昨年、「バイオシミラーのバイオシミラー(BS)使用促進議員連盟」を発足。識者を呼んで勉強会を繰り返していますが、それ以上の動きはありません。当初は、「バイオシミラーの使用促進に向けた法案を提出する」という声もありましたが、いまは声が小さくなってしまいました。バイオシミラーの使用促進に向けて何をすべきか。おおもとの議論がまとまっていないのです。

 欧州ハンガリーではバイオシミラーの有効性、安全性が先行品と変わらないことを裏付けるための市販後研究を、政府が率先して実施しているといいます。ある種、政府が責任を持って「使用促進」の旗を振っているのです。日本ではできないものでしょうか?

 写真はとある街の商店街。こいのぼりが一杯!!(*^_^*)

それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください。

 

終末期医療は、どこまでが適切か?どうあるべきか?丁寧な議論が「待ったなし」の状況

IMG_0736[1] みなさん!お元気ですかあ〜?

さて18年度もスタートして2週間目に突入。医薬品政策で今年度、最大の目玉は、何といっても費用対効果!薬の効果と値段が、本当に見合っているのか?それを議論するのです。本格的な議論はまだですが、早くも場外では前哨戦が始まっています。小野薬品の非小細胞肺がん治療薬(PD-1)抗体、オプジーボが叩かれまくっています。今年2月。本来の所管ではないのに、厚労省の医薬品等安全対策部会で「薬価を下げるべき」という意見が出ました。「すべての患者に使ったら薬剤費は年間1兆7500億円増える」(国頭英夫委員、日赤医療センター化学療法科学部長)と、財政影響を危惧してのことです。先週6日の記者会見で、日本医師会の中川俊男副会長も国頭氏の意見に賛成し、「医療経済学的なことを考えながら医療をする時代に入った。丁寧な議論をしたい」と発言、同日開かれた社会保障審議会医療部会でも「医療財源がもたない。終末期医療の整理が必要」との意見が出ています。

ズバリ言ってしまえば、喫緊の課題は、個々の医薬品の価格というより先に、終末期医療の費用対効果分析でしょう。政治家、行政官は及び腰でしたが、人口構造から言って、もう先延ばしは許されない。待ったなしの状況です。確かに、敬遠したい議論ですが、そこに踏み込まないと、医療財政はパンク。崩壊します。

写真は近くのスーパーの陳列棚。春の彩がきれいです!それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

 

 

「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」の行き着く先が、患者の選択を奪う英国のGP制度なら真っ平御免だ!!

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みなさん!お元気ですか?もうすぐ花見シーズン!!!楽しみですね。

さて、すでに何度も触れましたが、今度の調剤報酬改定。言うまでもなく「かかりつけ薬剤師」の評価の新設が大きなポイントですね。しかし、ご承知の通り、医科の診療報酬では「かかりつけ医」の評価点数が前回14年度改定時に、すでに先行して組み込まれています。これまでの「かかりつけ医」評価点数は「高血圧、脂質異常症、糖尿病、認知症のうち、2疾患以上」の患者さんが対象(地域包括診療料、同加算)でしたが、16年度改定では「認知症+1疾患以上」の患者を対象とする新しい点数(認知症地域包括診療料、同加算)ができました。昨年5月の調査で「かかりつけ医」の点数を取得している診療所は3500件程度でしたから、全診療所件数約10万件とすると、4%に満たない。あまり定着していないんです。「認知症+1疾患以上」の点数新設で、どこまで普及するか注目されます。ある意味、「かかりつけ薬剤師」の普及、定着とどっちが早いか、競争するような格好になります。IMG_0740  

 しかし、この「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」。普及、定着した先に、何が待っているか。私は一抹の不安を抱いてしまいます。というのは、財務省、厚労省は、おそらく、イギリスのGP(General・Practitioner)制度を念頭に置いているだろうからです。日本は基本的に保険証一枚で、いつでもどこでも、自分が選んだ医療機関にかかることができます。しかし、英国はあらかじめ登録しておいた「かかりつけ医」にしかかかることができません。だから、何日も待たされたり、救急、緊急時などで小回りが利ず、決して使い勝手がいい制度ではないと聞きます。日本も、国民1人にそれぞれ1人「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」を持つように政策が進んでいます。それ自体、決して悪くないと思いますが、医師、薬剤師、医療機関を国民が自由に選べない、通えないような流れがあったら、その時は強く「NO!」というつもりです。今年4月から、紹介状なしで、大病院にかかるときは、問答無用に支払額は5000円プラスになります。地域の「かかりつけ医」「かかりつけ薬剤師」の役割が、どんどん大きくなっていきます。それでも、どの医師、薬剤師を選ぶか。どこの医療機関に通うか。そこまで国に決められたくないです。

 写真は七里ヶ浜にて。静かな海に向かい合うと、気持ちがなごみます。そして、下は先週、発売になった鳥海和輝氏著の「医療政策のしくみ vol3」滑り出し絶好調みたいです!私が解説している第4章もよろしくお願いします!それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

「かかりつけ薬剤師」は、粗製乱造じゃ意味がない!!じっくり時間をかけて患者と信頼関係構築を!

IMG_0592 みなさん!お元気ですかあ〜!!お久しぶりです。先週は携帯電話がつながらない所に出張しておりましたあ〜。戻ったら仕事で、沢山の留守電が。。。折り返しもできず、大変、失礼いたしました!!!

さて4月から、診療報酬・調剤報酬、薬価制度が変わります。中でも調剤報酬は「かかりつけ薬剤師」の評価点数ができ、医薬分業が新たなフェーズに入ります。2025年の地域包括ケア完成に向け、薬局がどこまで存在意義を発揮するか。大変、重要な時期に差し掛かりました。前にも述べましたが、焦らず、じっくり患者と信頼関係を構築し、真の「かかりつけ薬剤師」になって欲しいというのが、私の考えです。

前回14年の改定時に、診療報酬IMG_0591でも「かかりつけ医」の評価点数ができましたが、あんまり定着していませんね。「かかりつけ薬剤師」も同じで、早々、簡単に普及するものではないでしょう。粗製乱造で、上っ面だけの「かかりつけ」が沢山いても、意味がありません。次回調剤してもらう機会から、私自身も、じっくり向き合って自分の「かかりつけ薬剤師」を見つけたいと思います。詳しい私の見解は、医薬経済16年3月15日号「薬剤師『叩き』は、もう限界」に書きましたので、是非、お読みください。

 さて、お知らせです!昨年6月の薬新セミナーに登場いただいたグローバルヘルスコンサルティングの鳥海和輝氏の著作が発刊されました!!

「マンガ 誰でもわかる医療政策のしくみ vol3」(株式会社SCICUS、定価1800円税別)

 16年度の診療報酬、調剤報酬改定の内容が、マンガで面白く読めます。実は今回、私、井高も第4章の調剤報酬改定の解説で出てきまーす!!(右上写真)。本日3月22日火曜日、発売。書店で見かけたら、是非、手に取ってみてくださいね!!

     それではみなさま、素敵な一週間をお過ごしください!!

 

 
 
 
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