【お知らせ】

 

 3月14日(月)の更新はお休みいたします。次回は22日に更新します!!寒暖が激しい今日この頃、お体を大切に。。素敵な日々をお過ごしください。

 

 

 

 

国内トップ、武田薬品の特許切れ医薬品割合が50%に突入!細胞、遺伝子、再生医療で負けるな!日本企業!

IMG_0203今日(3月7日付)のRISFAXによると、国内トップ製薬企業、武田薬品の売り上げに占める特許切れ医薬品(長期収載品)の割合が50%となったといいます。4月以降に設立するイスラエルのテバとの合弁会社に引き渡すことになっていますから、将来、この割合は下がりましょうが、厳しいですね。他社は長期収載品から特許品に軸足を移して、ほとんどが40%台以下に収めているのに、遅れているわけです。長年、同社の屋台骨を支えてきた高血圧治療薬ブロプレスの特許が切れる直前に同系統(ARB)のアジルバを出したり、市場競争で劣勢にあった糖尿病治療薬ネシーナ(1日1回投与)と同系統(DPP4阻害薬)のザファテック(週1回投与)を出したりして、営業力で凌いでいますが、画期的新薬、いわゆるピカ新が出ない。

ピカ新が出ないのは、どこも同じです。低分子医薬品1製品で何千億円も売り上げを叩き出していた数年前がウソのようです。成功体験に酔って、営業力で勝負しているうちに、時代はあっという間にバイオ医薬品の時代に突入、日本の製薬企業は取り残されてしまったのです。次世代の医療技術トレンドは、細胞治療、遺伝子治療、再生医療と言われます。必ずしも医薬品という形にこだわるものではありませんが、なんとか製品化に結び付くように、日本企業にがんばって欲しいです!!

写真は先日、立ち寄ったカフェにて。徐々に日が長くなり、時々、春めいた風が吹く今日この頃。みなさま。お体に気を付けて。素敵な一週間をお過ごしください。

 

ギリアドにおっ被せてる場合じゃない!4月からの費用対効果論議はオール製薬業界で臨むべき!

IMG_0242みなさん、お元気ですか?さて2016年4月の診療、調剤報酬改定、薬価制度改革。実施まであと1か月となりました!しかし、今回の改定は、まさにギリアド・サイエンシズ社、サマ、サマとも言える決着です。

急激に売り上げを伸ばしているというだけの理由で薬価収載後1年も達っていない同社のC型肝炎治療薬「ソバルディ」「ハーボニー」の薬価をバッサリ切り下げたのです。こんな措置はルールブックにはない。企業からすれば、まさに辻斬りです。一応、大急ぎで即席のルールを作り、それらしき体裁は整えましたが、かなり強引な展開でした。この即席ルールのおかげで、中外製薬の抗がん剤アバスチン、サノフィの抗血小板剤プラビックスもトバッチリで、薬価を下げられました。

16年度の予算編成過程で、厚労省は社会保障費の自然増を6500億円と推計していましたが、財務省は「5000億円しか認めない。1500億円どっかで削減しろ!」と迫っていました。医師会、薬剤師会、製薬業界は「また痛い目に遭わされる」と、ビクビクしていたんですが、ギリアドに、かなりしわ寄せがいったのでダメージは、それほど受けませんでした。ほっと胸をなでおろしていることでしょう。 確かに「ソバルディ」「ハーボニー」の薬価は高いし、急激に売れています。しかし、両剤を使えば、ほぼ100%患者は治癒する。将来、C型肝炎がなくなる可能性もあるのです。そうなれば医療費は減ります。

一方、医療保険財政は、ますます窮迫しているのも周知の事実です。そんな時に、一時的にせよ急激に支出が増えるのは好ましい状況ではない。「ソバルディ」「ハーボニー」を狙い撃ちにした今回の「巨額品叩き」は、「イノベーション」と「国民皆保険制度の維持」のバランスを取るというのが、大義名分です。しかし、この「バランス」という言葉が曲者です。見る人によって、都合よく解釈されてしまいますから。。

その薬は、どれだけ価格に見合った成果を発揮しているか。この4月から、まさに費用対効果の議論が始まります。ギリアドだけの問題にしないで、オール製薬業界で、議論に参画すべきでしょう。    

     写真はご近所さまの庭に咲いていた梅の花。満開でした!!次は桜様のお出ましです。それでは、皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

製薬企業担当のPR会社ってどうよ?どこまで請け負うのか?業務の線引きが非常にわかりづらい。

IMG_0195みなさん!今日は!お元気ですか?寒かったり、暖かかったり。調整が難しいですね。

で、最近、製薬企業の取材で「なんだかなあ~」と感じることがあります。PR会社の介入が増えて、もう10年以上たちますが、取材する立場からすると、企業の役割と、代理店の役割がよくわかんないケースが多いんですわ。リリースにPR社名と担当者名が書いてあるので、まずはそこに電話するじゃないですか?すると、「その件は我々では対応しかねますので、企業に伝えます」というわけです。で、かくかく云々と、話す。しかし、担当者が、なかなか要領を得ない。時間をかけて、かみ砕いて、ようやく電話を切る。で、首を長くして回答を待つ。が、何日たっても、回答はこない。痺れを切らした頃に、一通のメール。そこには「企業の担当者に説明しましたが、答えられないとのことです」とあります。理由も何も書いていない。で、企業広報に直接、連絡する。すると、「ああ、なんだそういうことですか」と、一転、受けてもらえる場合も多い。じっくり説明したのに、正確に伝わっていなかったのです。結局、初めから広報に直接、連絡すればよかっただけのこと。一体、PR会社って何?そんな風に思う今日この頃です。

で、写真は神田で撮影。なんともレトロで、重圧感のある建物。丸石ビルディング。国の登録有形文化財だそうです。普段は忙しくて素通りしていますが、よくよく見ると都内にも素晴らしい建物が沢山ありますね。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

「50歳」になった後発医薬品業界、日本ジェネリック製薬協会に「患者を見据えた」活動を期待

IMG_0221   後発医薬品専業の団体、日本ジェネリック製薬協会(ジェネ協)が設立50周年を迎えました。かつては特許が切れると、複数の企業が薬価収載し、思いっきり安い値段で売りまくる。そして、その後、収益が得られなくなると、臨床現場でニーズがあろうがあるまいが、関係なく、とっとと製造をやめる。新薬メーカーは、次から次にゾロゾロと出て来るから、ゾロゾロ医薬品(略称ゾロ)と言って、後発品ビジネスを蔑んでいました。しかし、昨今はそんなことはありません。後発品企業も、一度、販売を始めた製品に責任を持ち、安定供給を続けていますし、製剤に工夫を凝らし、時として先発品を超える付加価値を持つ製品が出てきます。沢井製薬が俳優、高橋英樹氏、東和薬品が黒柳徹子氏を起用してCM飛ばし、その効果もあって、ジェネリックという名称もすっかり普及定着しました。

ジェネ協のHPで沿革を見ると、なんと1965年12月の発足当時は、チアミンジスルフィド製剤(TDS、解熱鎮痛剤などに含有するビタミンB1製剤)を作っていた15社のみだったそうです。68年4月に、後発品を製造販売する中小企業の枠を広げて、医薬工業協議会に発展。そして08年4月、現在のジェネ協に名称変更したのです。いやあ~覚醒の感がありますね!厚労省の使用促進策もあって、今や後発品市場は急激に伸びています。しかし、いつかは、それもプラトーを迎える。今後50年、ジェネ協は臨床現場にどんな恩恵をもたらすか。明るい未来を切り開いてほしいです。

で、写真は休日の公園で。一気に春がやってきたように暖かい午後、ふと空を見ると、鳥さんの巣がありました(見えますか?)。何鳥でしょうか?ここにも暮らしがあるんだなあ~とほっこりした気分になりました。それではみなさん。春までもう少しです。素敵な一週間をお過ごしください。

 

「かかりつけ薬剤師」の選択権は国民、患者にある!!薬局、薬剤師だけに努力を求めても「空回り」するだけ!

IMG_0199

みなさんこんちには!お元気ですか?16年4月から始まる診療・調剤報酬個別項目の点数が10日に決定する見通しとなりました。

で、今回は調剤報酬(医療保険から薬局に支払う額)について一言。16年4月からの目玉は何と言っても「かかりつけ薬剤師指導料」が新設されたことでしょう。要は、個別患者ごとに「かかりつけ薬剤師」を決めて、服薬指導、重複投薬、副作用チェックなどの効果を高めるのが狙いです。しっかし、これ滅茶苦茶、ハードルが高い。まず患者の同意書を作成し、その患者がかかっている医療機関に「かかりつけ薬剤師」であることを知らせる。さらに、医療用医薬品だけでなく、その患者が使っている一般用薬、健康食品「等」について「全て」把握し、24時間相談に応じる体制を取る。開局時間外の連絡先を伝える―などなど。えーっ!?本気で言っているの?って感じです。医師でさえ、医療サービスで、そこまでやってませんよ。もちろん、できたらすごいですけど。これってどれだけ現実性があるのでしょうか?

こういう点数が設定されると、大方の学者、評論家、業界ジャーナリストは「点数ができたんだから、やれ取れ!それ取れ!」と大騒ぎした揚句、勝手にイライラして「取らなきゃ薬剤師じゃねえ!」って暴論を振りかざすのが常です。役所の尻馬に乗って遠くから上から目線で、当事者を叩くのは楽だし、安全ですからね。図らずもステロタイプにはまっているのです。しかし、「かかりつけ薬剤師」。自然に考えてこれは薬局、薬剤師の努力だけで、普及するものではないでしょう。だって選定権は患者、国民側にあるんですよ。まず、「かかりつけ薬剤師」ってなんなのか?一般に伝わっていないので、大々的な広報が必要です。さらに、患者、国民に行動変容を求める必要がある。というのは、「かかりつけ薬剤師」と向きあって対話するには、それ相応の時間がいるから、これまでのように「調剤で待ちたくない。早ければいい。早くしろよ」って患者には厭われるのです。

「かかりつけ薬剤師」。本当に育てるなら、薬局、薬剤師だけじゃダメ。国民、患者、そして医師をはじめとする他の医療、介護職の理解、協力が不可欠です。厚労省は「25年」までに普及、定着を目指してるので、あと10年あります。今後、「かかりつけ薬剤師・薬局の運営ガイドライン(仮称)」の策定作業が始まります。どんな姿が理想なのか。議論が広がっていくといいと思います。

で、写真は休日に立ち寄ったカフェで撮影。カップに注がれたコーヒーに綺麗な模様が!!午後の日差しが優しく窓から入ってきます。静かな時間。癒されましたあ!(笑)それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

「湿布薬」「うがい薬」「ビタミン剤」の処方制限で済むはずがない!市販品類似薬の保険外し論議

 

IMG_0161 みなさんお元気ですか?

薬剤費抑制策で、毎回論議を呼ぶ、市販品類似薬の保険外し。16年4月から湿布薬の処方枚数を制限することで決着しました。思いのほか傷は浅く、他に波及しなかった点で、業界は胸をなでおろしていますが、5年、10年先は、どうなるかわかりません。

医療用医薬品は処方すると医療保険財源からお金が出ます。しかし、湿布薬や、漢方薬、目薬は医療用とほとんど同じ成分が一般用として薬局でも売られているんです。一般用は、いちいちお医者さんに、処方せんを出してもらわなくても、好きな時に好きなだけ買えます。ただし医療保険は適用されず、全額自己負担で。。。財務省は医療保険財源を絞りたい立場ですから「一般用があるんだから、別に医療保険で見る必要はないんじゃないの」と、かねがね主張しています。医療界、製薬業界の反対が強く、完全な除外には至っていませんが、12年度には、単なる栄養補給目的のビタミン剤、14年度には、単なる健康維持目的のうがい薬の処方が認められなくなりました。そして今回は、湿布薬。1回の処方で70枚以上出す時は、処方せんや、保険請求書に理由を書かなければならなくなります。医師は、これまでのように簡単に湿布薬を出せなくなるわけです。

でも、逆に言えば理由さえ書けば今迄通り70枚以上、出せるともいえるのです。これまでのビタミン剤、うがい薬にしたって、条件が付いたからと言って、処方が減ったという話はとんと聞きません。財務省はそれを百も承知でしょう。おそらく今後、第二弾、第三弾の手を打ってくる。外堀を少しずつ埋めているのです。

で、写真は大詰めの中央社会保険医療協議会。傍聴席は満席です。16年度の診療報酬、薬価改定論議も残すところ後、数回になりました!!それではみなさん。寒い日が続きますが、健康に気を付けて。素敵な一週間をお過ごしください。

 

アベノミクスの「逆噴射」、主要閣僚の収賄疑惑で、「消費税再増税の延期」も!!!

IMG_0151[1]みなさんお元気ですか?16年度の薬価制度改革の全容が固まりました。業界の要望はほぼ通っていますが、巨額品の薬価引き下げ、同一作用機序で4番手以降の新薬に対する評価軽減など、引き締めも強まっています。なんとか最悪の事態は免れた。そんな感じでしょうか?

  で、今年の課題は、やはり消費税改定でしょう。17年4月に消費税を8%から10%に上げる際に、薬価にどう上乗せするか?現行ルール通りなら、実勢価格を調査(薬価調査)して、そのうえに増税分2%を載せることになります。しかし、ここで薬価調査を実施してしまうと、「あ、できるじゃないですか。できるなら2年に一度と言わず、毎年調査して、毎年薬価改定しましょう!」と財務省が突っ込んでくる可能性があるので、業界は警戒しています。「薬価調査をやらないで、現行の薬価に2%分乗っけて欲しい」というのが本音のようです。が、どうなることやら。。

今年7月の参院選を前に安倍政権に綻びも見られます。「異次元緩和」と言われる金融緩和策で、一時的に上がった株価がいま、揺り戻しで大きく暴落しています。TPP交渉でタフネゴシエーターぶりを発揮し、安倍政権の中枢を担ってきた甘利明TPP担当大臣に収賄疑惑が浮上しています。世論の矛先を避けるために、「17年度の消費税増税は再延期します!」なんて流れにならないとも限りません。それじゃあ社会保障としては困るんですが、目先の診療報酬、薬価という側面だけでいうと、難問に向き合わずに済んで平和なんですがね。

  で、写真は虎の門のスタバ。取材前のコーヒータイム。正月気分もすっかり抜けて本格稼働です!!

それでは、みなさん!素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

製薬協が「産業ビジョン」でバイオ医薬品製造の人材強化と、薬価の新組織設置に意欲!!

IMG_0132 みなさん。お元気ですか?朝起きたら、一面、真っ白な銀世界!!!すんごいです。

 さて日本製薬工業協会が15日に公表した「産業ビジョン 2025」。記者会見もあり、どんなものが出てくるか、楽しみにしていたのですが、正直、現状報告の域を出ておらず、踏み込みが浅い。現状報告でも、関係者が共通認識を図る際に役立つので、まとめた意義はありますが、「ビジョン」というには、かなり弱い。各項目、各課題ごとに、将来を見据えて何をするのか。もっと具体的な記述が欲しかったです。

強いて、注目ポイントを挙げるとするなら、海外勢に大きく水をあけられているバイオ医薬品の製造技術について「人材育成プログラムのさらなる推進と拡充に向け、政府との連携強化と支援を行う」とした点。それから社会保障、薬剤給付、薬価問題で研究・政策提言機能を強化するため、「製薬協内に新たな組織を設置することも視野に入れ」るとしている点でしょうか。バイオ医薬品を日本で製造できる製薬企業は中外製薬と協和発酵キリンくらいなので、期待したいです。また、薬価問題は、製薬協に加盟する研究開発型企業と、ジェネリック企業で、意見が異なることも多いので、そろそろ、製薬協独自の政策提言組織ができていいはずです。実現を期待しています。

写真は先日、久々に訪れた青山の小さなブックストア。心地よいひと時を過ごしました(*^_^*)。月曜の大雪で、この一週間は道路が凍って滑りやすくなるでしょう。皆様、お気をつけて。身心を暖め、素敵な日々をお過ごしください。

 

2016年スタート、製薬業界に何が起こるか

 みなさん!新年あけましておめでとうございます! 2016年スタートしました!診療報酬、薬価制度改革論議は仕上げに突入。4月から医薬品の費用対効果を測る試行が始まります。製薬企業各社の新たな合弁事業や、海外進出も活発化することでしょう!しっかり見据えて発信していきます。

本年も、何卒、よろしくお願いいたします。

写真は、自室から拝んだ初日の出!それではみなさん。 新年第1週!穏やかにお過ごしください。

 
 
 
© 2025 薬新プラザ|医薬品業界の「本質」を発信するサイト