日本の医療はどこに行くのか?製薬ビジネスは大丈夫なのか?どこよりも速く、鋭い「16年度、診療報酬・薬価改定セミナー」を開きます!

鳥海君と2ショット 今回はお知らせです。来る6月18日(木)、不肖、私、井高恭彦が代表を務める㈱薬新主催の製薬ビジネス活性化セミナーの第2弾を開催します!!!

16年4月の通常改定、17年4月の消費税10%増税改定、18年4月の診療報酬、介護同時改定を見据えて、医療政策、薬価政策はどうなるのか?関連産業はどうなるのか?政治、経済、科学、社会保障の視点から徹底的に分析した結果をお伝えします。

 今回のメイン講師は、㈱グローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの鳥海和輝君です。医療政策、診療報酬を語って鳥海君の右に出る者はいない。日本で最も深く、緻密に、かつ真摯に熱く、取材、執筆を続けてきた男です。

医療政策、診療報酬を訳知り顔に語る、ジャーナリスト、コンサルタントは数多おりますが、その内容は、ほとんど厚労省か、学者か、医師会など関係団体の受け売り。お話にならない。長い期間、丹念にかつ地道に取材を続け、政策の動きを見つめてきた鳥海君を前にしたら、全員一発で吹き飛んでしまいます。ハッキリ言って月とスッポン。大人と子供位の差があります。めったに同業者を褒めない通算25年間のガチンコ、ジャーナリスト生活を送ってきた私が言うのですから、間違いありませんよ!!

鳥海君には、地域包括ケアを含めた今後の日本の医療政策、診療報酬の行く末を思う存分に語っていただきます。          

 前座では、私もお話させていただきます。新薬、長期収載品、後発医薬品の未来像を、活字にはできない裏話を交えながら、独自の視点でお伝えいたします。新薬創出加算、長期収載品叩き、後発品促進がどうなるか。思いっきり持論を語ります。 製薬ビジネスも医療政策、社会保障全体を見据えて動かないと、うまく行かない時代です。秋から政策論議が始まりますが、おそらく、この手のセミナーでは、最も速く、鋭い内容になるはずです。パネルディスカションでは会場の皆様と向き合って質疑応答、意見交換もしたいです!終了後は、既存セミナーにはないユニークな懇親パーティーを予定しております。皆さま、奮ってご参加ください。

お申し込みはコチラ

⇒「第2回 製薬ビジネス活性化セミナー

 

 あ、写真は鳥海君と私。ジャーナリスト、村上和巳君に撮っていただきました!!

 

 

 

バイオ後続品の開発ガイドラインを即刻、見直すべき!!!

IMG_0549 微生物や動物細胞を使って生産するバイオ医薬品は効き目も確かですが、価格が高い。だから特許が切れたら、比較的安価で、同様の効果を発揮するバイオ後続品が出て来ることが期待されています。

昨年末、日本化薬が田辺三菱製薬の関節リウマチ治療薬レミケードのバイオ後続品を投入、その他の分野でも、数社が開発を進めています。間違いなく医療費適正化につながるので、超党派の国会議員がバイオ後続品の普及促進に向けた連盟を発足、慶応大の黒川達夫教授の呼びかけで、製薬企業と行政も勉強会を発足させました。当初、後発品メーカーにバイオ後続品を開発しろ、開発しろって促す声がありましたが、高度な生産技術を使うので、各社は尻込み。やはり実際に開発を進め、主導権を握るのは、新薬メーカーのようです。しかし、厚労省が作成した開発ガイドラインは09年以来、修正無し。運用面でどう解釈すべきか不鮮明な点も多く、開発メーカーは苦労しているようです。できるだけ早く現状を反映し、使いやすい形に改善すべきでしょう。

で、写真は京都、河原町。鴨川を渡っていると向こうに、各部屋の様子が見える建物が。。。どうやら和食レストランのようです。ちょっと暗いですが、わかりますか?ミニチュアのようで、可愛らしいですね。では皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

【お知らせ】米ニューヨークを拠点に医療、製薬情報を発信するMSAパートナーズが来る5月22日金曜日、米国の薬価、流通の現状について解説するセミナーを開催します。詳細はコチラ⇒ 「米国発・新しい薬価の時代」

彼らの情報の精度、鮮度は、かなり高いですよ!!

 

日本医学会・高久会長が、日本の製薬企業に「もう少しがんばって」と叱責、外国勢に「やられっ放し」の研究開発を憂慮

IMG_0484 第19回日本医学会総会が昨日13日まで京都でありました。医療産業の発展が課題になる中、医薬品絡みのセッションも結構ありました。でもその大半は「日本企業の開発力が弱い。どうすれば強くなれるか?」というテーマでした。日本医学会の高久史麿会長が日本の研究者が発見した医薬品シーズが悉く外国企業に奪われている現状を「非常に残念」と嘆いていました。【RISFAX4月13日号詳報】ALK遺伝子阻害薬しかり。MEK阻害薬しかり。PD1抗体も、小野薬品が持て囃されていますが、単独とはいかず、欧米の巨大市場は、ブリストルマイヤーズに明け渡すしかなかった。

で、結局、行き着くところは「ベンチャー企業を育成し、積極的に活用する」というお決まりの結論です。もうずっと言われていることなんですが、日本ではベンチャーが育たない。日本医師会の横倉義武会長が「イノベーションは社会の許容度の問題」と話していましたが、おそらく「異文化に不慣れ」=「異物に狭隘」という日本の風土、精神基盤にも基因しているのかも知れませんね。【RISFAX4月13日号詳報】もっと言うと、スローガンを掲げて一丸となるのは得意ですが、独りで考えリスクを負って打って出るのは苦手って感じ?しかし

ベンチャーと語源を同じくするアドベンチャーの日本語訳は「冒険」。ある意味、舗装され、管理された安全な道からはみ出す行為。やむにやまれぬ強い想い、目的を持って、リスクを顧みずに立ち上げるのがベンチャー企業。そう考えると国を挙げて「ベンチャー企業を育てよう」って言うのもなんか変な話で、却ってベンチャーの勢いを削いでしまうような気もします。かつて武田薬品の武田國男氏が産業施策について「国は余計なことせんでええ。黙って見守っていてくれればええ。邪魔しないで欲しいんや」と言っていたことを思い出します。どんな世の中、どんな国、どんな企業の中でも、やる奴は黙っててもやる。やらない奴は何を言われても一生やらない。それだけのこと。その前提に立って、“シバリ”をできるだけ無くし、やる奴がやりやすくすればいいだけのような気がします。

 写真は日本医学会総会があった最寄駅風景。今回は製薬企業の協賛が少なく以前より質素で、いい感じでした。海外の学会みたいに盛大なイベントみたいなやり方は、そもそもおかしい。海外の学会に行くと、喜んではしゃいでいる記者もいて恥ずかしくなりますが、己(オノレ)は以前からものすごく違和感があります。そういう面で、日本は進んでいる?では皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

◎ご連絡!!!

IMG_0503みなさん!おはようございます。毎週月曜更新の薬新カフェですが、本日は何ともタイトで長い文章が書けません。明日にでもしっかり書きますので、引き続き、お付き合いよろしくお願いいたしまーす!

 

新興国でどこまでダウン・クオリティを進めるかが、オーバー・クオリティ日本の課題

Exif_JPEG_PICTURE ※事実誤認があったため6日午後、一部修正しました。

 武田薬品が糖尿病治療剤「リオベル配合錠LD」の製剤に誤って「リオベル配合錠HD」と刻印し、100包装品3000箱、500錠包装1500箱を自主回収しました。主成分であるピオグリタゾンの含有量がLDは、HDより少ないので、HDと思って使うと効果がマイルドに出てしまう可能性があるとのことです。回収した製剤は、全て廃棄するそうです。誠実な対応。日本では珍しくないですね。しかし、海外ではどうなのでしょうか?欧米は、それほど違いはないでしょうが、新興国の製薬企業は、医療機関に口頭で伝えることはしても、必ずしも回収までするかどうか。

「日本では錠剤の端がちょっと欠けていてもアウト。海外の企業からすればオーバークオリティだ」と、良く言われます。だから、海外、とくに新興国で、日本と同レベルの品質、製造管理をしていると、コスト高になって競争に勝てない。言葉は悪いのですが、一定のダウン・クオリティが必要になる。しかし、当然、医薬品ですからダウンしすぎると、これまた問題です。その微妙な機微を掴むセンサー機能が、日本企業各社にとってますます重要になるでしょう。

  で、写真は上野公園の夜桜。今年もきれいに咲いておりました。東京の花見は今週一杯でお開きです。それではみなさん、充実した素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

 

塩崎厚労相が後押しした年金積立金の大量投入で株価が上昇し、自らも武田株で“含み益”約600万円獲得との推計

IMG_0396  ちょっと前の週刊新潮(3月26日号=特集「安倍内閣」大臣たちの持ち株リスト)で、塩崎恭久厚労大臣が、様々な業種の大手企業の株式をバランスよく保有していることを取り上げ、「相場巧者」と揶揄していました。

安倍政権は14年秋、我々国民の年金積立金137兆円の運用を担うGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が株式に投資できる資産割合を12%から25%に引き上げること認めました。前々から話が出ていましたが、塩崎氏が厚労相になって一気に具現化しました。巨大資産を保有する公的な団体とも言えるGPIFが、日本企業の株式を買い支えするのですから、投資家は安心して日本企業の株を買うようになり、株価は上昇します。     

 塩崎氏が保有する株式23銘柄を元に、新潮が推計したところ、GPIFの投資割合が上がったことで、同氏は総額1285万9594円の“含み益”を上げたといいます。その「稼ぎ頭」が武田薬品(3630株保有)で、“含み益”は574万2660円だとも指摘しております。 話を単純化すると、塩崎氏はGPIFが大量の資産を株式市場に投入することを認めることによって、大企業を支え、自らもザクザク資産を増やしたということです。閣僚の株式投資は禁止されていませんから、別に悪いことではないんですが、なんだかなあ〜って感じ。個人的には、もう少し中小企業にも関心を持って欲しいです。製薬企業だって、がんばっているのは、武田だけじゃないですから。       

 で、写真は東京丸の内で。この方、すごいカメラ目線。写真慣れされている(^_^;)。おそらく今週末はサクラ満開!皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

武田のタケキャブ投入で胃酸抑制剤市場の競争が激化、一線を踏み外したブロプレス、ディオバンの二の舞にならぬようメーカー、医師、メディアは要注意!!

 武田薬品の岩﨑真人取締医薬営業本部長が先週、製薬業界各紙のインタビューに応えて2月に発売した胃酸分泌抑制剤タケキャブの国内売上拡大に意欲を見せています。この領域の薬物治療は、現在、胃酸を出すプロトンポンプという部分を阻害するPPI阻害薬(Proton pump inhibitor)が主流ですが、タケキャブは既存品とは違う働きでプロトンポンプを阻害するP-CAB薬(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)という新しいタイプです。Exif_JPEG_PICTUREExif_JPEG_PICTURE

武田はタケプロンというPPI阻害薬のトップ製品を持っていますが、タケプロンの特許が切れ、後発品がわんさか出てきて市場を侵食されているので、タケプロンとは違うタイプのP-CAB薬である新薬タケキャブを出したのです。新薬ですから、当然、薬価は高いし、特許で守られるので、当面、後発品は出て来ません。安心して市場開拓ができます。

 ところがタケキャブの承認申請で武田が提出したタケプロンとの比較試験の結果は「非劣性」。要するに、タケプロンと比べて「劣っていないけど、とくに優れてもいませんよ」ってことなんです。「ニュータイプの胃酸分泌抑制剤です!」ってプロモーションで押しまくれば、医師も「ちょっと使ってみっか」って感じになりましょうが、これってどうですか?

現在、PPI市場のトップ製品ネキシウムを持つアストラゼネカは2000年代初頭にP-CAB薬の開発を進めていましたが、ネキシウムとの比較試験の結果が「非劣性」だったので、「やってもしょうがない」と開発を中止した経緯があります。アストラゼネカ日本法人のガブリエル・ベルチ社長は武田のタケキャブも同じで、「PPIと比べて優位性がないのに一体、どこで使うの?」と疑問視しています。

胃酸分泌抑制剤はタケキャブの登場で激しいプロモーション合戦に突入します。かつて熾烈な宣伝合戦を繰り広げ、一線を踏み外した高血圧治療薬ブロプレス、ディオバンと同じ轍を踏まないようにメーカーのみならず、医師、メディアは要注意です。とくにメディア!!他人事だと思って、提灯記事ばっか書いてちゃダメですよ!変にケチ付ける必要もないけど。

で、写真は、武田(左、左から2番目が岩﨑氏)とアストラゼネカ日本法人(右、真ん中がベルチ氏)の会見風景。ではみなさま、満開の桜ももうすぐです。素敵な一週間をお過ごしください!

 

医薬分業の規制改革論議は“不完全燃焼”、厚労省はきれいごとばかり並べていないで、過去の政策意図、その成否、現状の問題点を国民にしっかり伝えるべきだ!

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 政府の規制改革会議が先週12日(木)に行った医薬分業に関する議論は、委員の発言に、思いつきや、準備不足が伺われる場面も多く、正直、物足りなさを感じました。とくに川渕孝一氏(東京医科歯科大大学院教授)には期待していましたが、冒頭で、誰も笑えないジョークらしき“つぶやき”を発したうえ、随分昔に書いた自著の宣伝を繰り返した印象が強く、がっかりしました。また、日本高血圧学会の理事で「まゆみとドクター森下のバイオレディオ」で、御馴染みの森下竜一氏(大阪大大学院教授)も「薬局に行ったら最新の薬が置いてなかった」などと、まさかの“イチ患者”発言(^_^;)、やはり高血圧の専門医としての医薬分業論を聞きたかったです。

しかし、「ついに医薬分業も新たなステージに来たんだなあ」と、感慨深くも思いました。議論全体のトーンが、医薬分業がいいとか、悪いとか、単純な二元論に陥ることなく、医薬分業が70%近くなった現状を認めたうえで「どうしたらもっと国民のためになる仕組みにできるのか」という建設的な方向で進められたこともよかったです。いわば、医薬分業の質的向上、改善論です。(その点において、土屋了介氏=神奈川県立病院機構理事長の発言が最も大人で深みがありました)

病院や診療所とは別の薬局と言う存在が間に入る以上、院外調剤のコストが院内調剤より高いのは当たり前ですが、そのコストが高すぎるのか。少ないのか。調剤料、調剤基本料、薬歴管理料、その他加算など、細切れになっている報酬はそれぞれ適切なのか。そこは大いに議論すべきです。ただ、ここは注意しないと、単に、医科と調剤のお金の分捕り合いになり、結果、医科にお金が移動しただけということになりかねません。

IMG_0367 それから医薬分業がなぜ始まったのか?規制改革会議の議論では正しい説明がありませんでした。その昔、病院、診療所が保険薬価より、滅茶苦茶安く医薬品を購入し、その差額を自分たちの収入にしていました。大きな差額が欲しいがために、患者を蔑にして、必要がない薬を使ったり、できるだけ差額が大きい薬を使ったりする傾向が一部にありました。メーカー、卸もある意味、そういう状況を黙認し、病院、診療所の“薬価差稼ぎ”に加担していました。それで旧厚生省が「これはいかん!病院、診療所から医薬品の購入を引きはがせ!」ってんで本格的に医薬分業推進に舵を切り、もう30年近く一心不乱に、病院、診療所、そして薬局に「薬価差で稼がなくても、医薬分業をすればお金が儲かりまっせ」と医療保険財源から出す報酬で誘導してきたんです。で、取り合えず病院、診療所からの薬の引きはがしは成功しました。が、一方で、医療保険という絶対つぶれない市場で、ほとんどリスクなく確実に稼げる調剤ビジネスの旨味に、目を付けたお金持ちの株式会社がドカドカ参入し、「魂なき調剤」を普及させた。で、時代遅れで、論理矛盾を来している継ぎ接ぎだらけの調剤報酬点数、そして調剤だけやって、あとは何にもしないロボットみたいな血の通わない変な薬局が沢山、出て来ちゃたんです。

こういう時代背景、医療環境、政策面での流れを厚労省はなぜ、説明しなかったのでしょうか?せっかく、規制改革会議が公開の場で議論のテーマに載せたのです。「医薬分業は患者にとっていいことです」なんてきれいごとだけ言ってごまかすのはまずいでしょう。過去の政策の意図、その成否、現状の問題点を国民にしっかり伝えるべきです。じゃないとしっかりした議論ができない。

 写真は都営大江戸線、赤羽橋付近。通りがかりにふと、見上げたら東京タワー!!堂々のお姿。遠くから眺めると、いいですね。中はどうってことないけど(^_^;)。それから有楽町のガード下。「貝」「馬」そしてかなたに「牛」いい感じです。春目前の都内の夜景でした!ではみなさま、素敵な一週間をお過ごしください。気が付けばもう3月中旬、満開の桜がもうすぐですね!

 

MR叩きは、もうウンザリ!批判するならマネジメントでしょ?病院をクライアントに薬剤を選別するニュービジネスの登場に期待!

Exif_JPEG_PICTURE みなさん、お元気ですか?休み明けの月曜日は静かな薄曇りでスタートを切りました。街中を舞っていた花粉も湿気で地に落ち、ゆったりした佳い滑り出しです。

さて、製薬企業のMR(医薬情報担当者)の現状を数年ぶりに取材し、医薬経済3月1日号に記事を書きました。ここ10数年、MRを巡る報道は「このままじゃダメだ」「いらなくなる」と悲観論ばかりですが、もうウンザリ。現場のMRに苦言を呈するのは簡単ですが、果たしてそれで、なんか変わるでしょうか?MRは一企業の一情報担当者ですから、個々人ではどうしようもない限界もあるでしょう。少なくとも各社の人事戦略担当のマネジメントが変革の必要性を認識して、戦略、評価体系を改めなきゃどうしようもないことが多いはずです。展望なきMR叩きは、もうやめませんか?そんな思いを込めて執筆しました。

取材過程で、製薬企業の依頼を受けてMR活動を実施するCSO(営業受託業)のコントラクトMRが増えていることを再認識しました。09年は1769人だったのが今は5000人くらいまで膨らんでいます。しかし、日本のMR総数は6万5000人ですから、7%強です。採用は製薬企業外の営業経験者がほとんどだから、MR経験者の受け皿にはならないでしょう。コントラクトMRが世界で最も多い英国ですら全MRの25%ですから、製薬企業の外部委託は、やはり一部に過ぎずコアの部分はしっかり自社のMRが支えています。ですから今、日本でコントラクトMRが増えていると言っても間違いなく、いつか頭打ちになります。

CSOも、成長のために新たなビジネスモデルを作っていかねばなりません。現時点では、クライアントとなる製薬企業の看板を背負った営業マンの域を出ていない。製薬企業ではなく、医療機関を顧客にした受託ビジネスはいかがでしょうか?医薬情報のプロとして、病院薬剤部との間に立って、各社のMRが持ってくる情報を精査し、適正な薬剤選択を支援するのです。そういうの是非やって欲しいです。しかし、個々の病院は製薬企業ほどお金持っていませんから、収益面で難しいでしょうか?

で、写真は2月24日、品川で開かれたMR認定センターのミーティング。各社のMR教育研修担当者がズラリ。数年ぶりに取材させていただきましたが、テーマに、とくに大きな変化はありませんでした。個人的には、もう少し核心に迫る議論が欲しいです。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

【お知らせ】米ニューヨークを拠点に医療、製薬情報を発信するMSAパートナーズの出版部門ブルームース・リサーチが「2014年製薬業界の動向―2015年に向けて―」を発刊した。これまで蓄積したグローバル情報を元に、製薬業界のトレンドを解説。研究開発、マーケティング、公的規制の動きを独自の視点で詳細に分析している。また、時価総額上位18社と、株式非公開3社計21社の全貌をコンパクトにまとめた。全74ページ、価格は2,500ドル。詳細は以下のURL=http://msapr.com/main2/jp/resources-blue-moose-research.html

 

ジェネリック医薬品は、3つのタイプで混戦!!「オーソライズド」「リニューアル」「コスト抑制型」、果たして軍配はどこに上がるか?!

Exif_JPEG_PICTUREみなさんお元気ですか?寒気の波間波間に、ちょっとだけ春の気配を感じる今日この頃です。己(オノレ)は風邪気味で、先週後半、活動を緩めました。皆さんもお気を付けください。

さて後発医薬品。各社の努力で「ジェネリック医薬品」という呼称がすっかり定着しましたね。しかし、ジェネリックの意味を正しく理解している患者さんは、まだまだ少ないのではないでしょうか?

新潟薬科大学薬学部の上野和行先生が3月25日のセミナーで「先発品と成分は同じだけど、コーティングなど、着ている服が違う医薬品」と定義していました。「着ている服が違う」っていうのは、絶妙な表現です。これなら患者に分かりやすく伝わると思います。さらに、ジェネリックは、先発品が出てから、概ね10年以上経過してから出るので、着る「服」のデザインも最先端。先発品より飲み易くしたり、劣化しにくくしたり、数々の利点が付与された「リニューアル医薬品」だとも強調しました。確かに一理ありますね。 ただ、いま市場に出ているジェネリックの何パーセントが「リニューアル医薬品」と呼べるのか。調査はないようで、今のところ何とも言えないのが実情です。

一方、「リニューアル医薬品」でないジェネリックは、先発品と同程度のランクのデザインの「服」を着ているが、価格が安い。「コスト抑制型医薬品」とでも呼びましょうか? ジェネリックは基本的に「先発品と着ている服が違う医薬品」ですが、例外的に全く同じ服を着ている場合もあります。先発品企業が自社のブランド製品について、他社に後発品として製造販売することを認める「オーソライズド・ジェネリック(AG)」です。ですから、ジェネリック医薬品は、いま大きく3つに分かれる。「AG」「リニューアル医薬品」「コスト抑制型医薬品」です。3つのうち、どの戦略で行くかは、各社の判断です。 いずれにせよ、ジェネリックに対する患者の認知度は、かなり上がってきました。もう一歩進んだ理解を求める段階に入ったと言えそうです。

で、写真は東京駅丸の内南口。取材の合間に丸善に。溢れるような新刊を前にすると、ついつい時間が経つのを忘れて、「知の森林」でフィールドワークに浸ってしまいます。というわけで、皆さま。季節の変わり目です。お体に気を付けて!充実した素敵な一週間をお過ごしください。

【お知らせ】米ニューヨークを拠点に医療、製薬情報を発信するMSAパートナーズの出版部門ブルームース・リサーチが「2014年製薬業界の動向―2015年に向けて―」を発刊した。これまで蓄積したグローバル情報を元に、製薬業界のトレンドを解説。研究開発、マーケティング、公的規制の動きを独自の視点で詳細に分析している。また、時価総額上位18社と、株式非公開3社計21社の全貌をコンパクトにまとめた。全74ページ、価格は2,500ドル。詳細は以下のURL=http://msapr.com/main2/jp/resources-blue-moose-research.html

 
 
 
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