アルツハイマー治療薬の競合

 新薬が出ると、職業柄、すぐ先行品を引き合いに出して「どっちが勝つか」って視点で見てしまうんですけど、そんな単純ではないですよね。とくに日本の先生方は、新薬が出ても、すぐに切り替えたりせず、先行品と併用しながら、ゆっくり臨床評価していくことが多いから、専門記者が期待するような、ガチンコの競合ってあんまりないです。しかし、今年新薬ラッシュを迎えたアルツハイマー型認知症治療薬市場は、ちょっと様子が違います。ご承知の通り、国内では「アリセプト」(エーザイ)しかなかった同市場に、「レミニール」(ヤンセン/武田)、「イクセロン、リバスタッチ」(ノバルティス、小野薬品)、「メマリー」(第一三共)が入ってきたんですが、「レミニール」、「イクセロン、リバスタッチ」は、「アリセプト」との併用が禁じられているから、まさに、この3製品でガチのぶつかり合いになるかも知れません。でも、「アリセプト」は適用範囲も広いし、先行品だけに医師の信頼も高いですからねえー。結局、新薬のなかでは、「アリセプト」との併用が認められている「メマリー」が一番、出足が早いのではないかと思います。それから、「イクセロン、リバスタッチ」は効果がいささか弱いようですが、パッチ剤という点で、患者のQOLを上げることができるから、ひょっとすると、「メマリー」との併用という路線で、ジワジワと「アリセプト」を追い込む可能性もあります。                                           で、写真は日比谷公園で撮影。いくら花の名前に疎い私でも、このお方は存じております。紫陽花さまです。6月ですから。梅雨もそろそろ明けますね!

 

アクトスの「ハンパな」使用制限

  フランス当局から始まり、ドイツに波及したアクトスの使用制限。武田薬品のビジネスにとって確かにマイナスでしょう。欧州医薬品庁(EMA)も対応を検討しているので、EU加盟国内では、今後も同様の措置が広がるかもしれません。しかし、この使用制限。なんだか、中途半端だと思いませんか?ご承知の通り、新規患者への投与を禁止するというものですが、代替品はあるのに、現在、使用中の患者への投与を禁じていません。注意喚起以上、危険信号以下、いわば「黄色」と「赤」の中間、「橙色」信号です。普通、信号は3色なのに、珍しい4色目が出てきちゃった。いま一番困っているのは臨床現場の先生方でしょう。早速、日本糖尿病学会が厚労省に、迅速な情報提供を求めました。そもそも使用制限の理由は、膀胱がんの発症リスクを高めるとのことですが、研究手法は、過去に遡って検証する後ろ向きのコホート。これだと、インスリンやSU剤でもリスクは高く出るかもしれませんよ。統計データの詳細が、わかりやすく公表されない限り、措置の妥当性がいまひとつ理解できません。それになぜ、いまフランスで出たのか?武田の営業マンに「何かポリティカルな力が働いているのではないでしょうか?」と聞いてみたら、「あなた、かんぐり過ぎ!」と一蹴されましたが(笑)いずれにせよ、米国FDAはいまのところ、ラベル改訂のみ。欧州とは一線を画しています。日本は不動です。日米欧当局のスタンスに違いが出ているのも興味深い。しばらく目が離せません。                                                                  で、写真は年齢、性別、職業を超えた己(オノレ)のソウルメイト、おきあゆ。この人すごいんです!なぜか?その理由を説明します。まず彼女の向かいに座って、生ビール(中)3杯とウーロンハイ1杯を飲みます。で、いい気分になったところで、下を向いて自分の目を掌底で押すようにグリグリこすります(少し痛めに、、)。そして、素早くパッと顔を起して、彼女を見ます。そうすると、な、な、なんと、堀北真希に変身しちゃうんです!!!(笑)つか、結構マジで。(・。・)

 

クレイジーな人たちがいる

                                                                    「脱」原発機運、ようやく国内でも芽が出てきました。ここはひとつ「反」原発ではなく、敢えて「脱」原発で行くべきでしょう。「反」だと、自らの責任を全く省みず、意見を異にする反対側の人たちを突き上げるだけの対立抗争に陥ってしまいます。しかし、「脱」は違います。自らも原発に浸って生活していた事実を認めながら、そこから抜け出す自己変革、そして、みんなで一緒に新時代を構築する、より主体的、生産的な行動になります。国民投票で9割以上の人たちが原発に「No」と言ったイタリアや、大規模なデモが頻発する欧州各国と比較すると、日本国民はまだまだノンビリムード。いまもなお、多くの人が大企業崇拝、官僚依存、経済至上主義に浸ったままです。しかし、それも急激な変化を嫌う体質ゆえ。きっと少しずつ変わるんだ、と信じたい。そうそう。俳優の山本太郎さんが、所属事務所を辞めて脱原発の立場を鮮明にしましたね。「売名だ」という人もいるようですが、己(オノレ)は、そう言われるリスクを負ってまで敢えて行動に移した彼を支持します。先頭を走る人は、時としてクレイジーに見えますが、その先にあるゴールは、我々が後々、行き着くところと一緒だったりするものです。 で、AppleのCM。Think different!だって!!Think same!とか、Think alike!とか言って従業員の個性を破壊する経営者もいるのに、やっぱりスティーブ・ジョブズは、すごい!こんなCM作るなんて、立派に、クレイジーです(笑)。

 

医薬業界「最悪」のシナリオ

  政府が目標に掲げる後発品使用促進。2007年に閣議決定して以来5年目に突入しましたが、ここに来て足踏み状態に陥っているようです。となると、当然12年度の医療費改定にも影響が出る。医療ビジネスのステイクホルダーにとって最悪のシナリオは、まず前回同様、「後発品の使用が計画通り進んでいない。業界も約束したはずでしょ?」という理由で、長期収載医薬品をバッサリ追加引き下げ。で、「こんなにお金付けてんのに、あんたら、全然、やる気ないじゃん」という理由で、調剤薬局に対する後発品調剤体制加算を廃止。そして、極めつけは「そもそも、あんたらの価格が高いんじゃないの?」ということで、後発品そのものの薬価を軒並み特例引き下げ。まあーさか、ネッ!とばかりも言ってられませんよ。ただでさえ、東日本大震災の復興で、財源が枯渇しているご時勢。次期総理候補に、前回改定時、「医療費はマイナスでいい」と主張していた野田佳彦財務大臣の名前が挙がっているくらいですから。いずれにせよ、複数のシミュレーションを立てて、準備しておく方がいいようです。

で、写真は代々木公園で。ちょっと前に撮影。名前わかりません(笑)

 

消費税引き上げに思う

  政府の社会保障に関する集中検討会議。とうとう消費税引き上げを明言しました。もともと自民党時代から言われていたことで、問題は、いつ誰が言うかでした。震災の復興対応や、一連の外交問題でのガタガタぶりで、己(オノレ)は菅総理をまったく評価しません。が、昨年の選挙前から、しきりに言っていた「消費税引き上げ」を、公的な文書に明記したわけですから、本人はさぞご満悦でしょう。しっかし、5%から10%といったら、倍ですよ。己のようなスタイルで、働くものにとっては痛いです。そもそも消費税引き上げは「いまのままの社会保障を維持するなら」が前提。しかし、それについて、過去にどれだけ議論があったでしょうか?ほとんど無かった気がします。己はこう考えます。「病気にならんように注意するから、負担は少なくしてくれ。当然、病気になったら、給付も低くていい。自腹を切る。だから消費税上げないで」と。。あるいは、いくつかのメニューを作って選択性にして欲しい。社会保障だからと言って、国民の給付と負担を強制的に一律にする時代ではない。もはや国民も、それほど国に期待していないし、寄りかかる気はないでしょう。つか、期待したいし、寄りかかりたいけど、無理だとわかっている。だから、自由の幅を広げてくれ。そんな風に思っています。

で、写真は近所の空き地で撮影。調べたら、立葵(タチアオイ)という花のようです。土砂降りの雨の中、真っ直ぐ立って、艶やかな花を咲かせていました。凛とした、それでいて柔らかで、優しい雰囲気がイケてます。

 

心身の調整ツール

  NYのイーストヴィレッジにあるヨガスタジオ、Yoga to the Peoplehttp://yogatothepeople.com/。数ヶ月滞在した時、時間が有れば、通っていました。料金はドネーション形式という開放的な運営。いろんな人が来てて面白かった。それ以来、日本でもヨガを続けてます。連絡、交渉、取材、対話、構想、執筆。記者の仕事の大半は、ロゴス(言語)の世界。放っておくと、心身のバランスが崩れて、歪(いびつ)になります。知る人ぞ知る、己(オノレ)の大先輩、医薬経済社の異伝子さんの調整ツールはマラソン。己の調整ツールはヨガです。続けてる割には身体、ぜんぜん硬いんですが、昨日、ヨガの先生が「何も芸術的なポーズが取れるようにならなくたっていいんです。日常的な生活の中で、続けていけばそれでいいんです」と言ってて、うれしくなりました。このままでいいのだと意を強くしました。

 

外資団体の日本法人って必要?

    グラクソ・スミスクライン(GSK)が米国研究製薬工業協会(PhRMA)の日本法人を退会しましたが、当然のような気がします。そもそも日本の製薬企業だって海外に行けばPhRMAや、欧州製薬団体連合会(EFPIA)に加盟しますが、わざわざ現地に日本製薬工業協会米国法人とか、欧州法人とか、設置していますか?現地での業界活動は、現地の団体を通じて実施すれば言い訳で、外資系企業だけで別の法人を設置する必要は無いのです。日本の業界団体も、どんどん開放的になってきていて、かつてのように外資系企業だから活動しにくいというようなことは無いはずです。GSKがPhRMAを退会した真意はわかりませんが、おそらく会員メリットが弱まっているのではないでしょうか?だとすれば、GSKの選択は特殊というより、むしろ当然。いまどき実質的な活動がない親睦団体なんて流行りません。PhRMA、EFPIAは、                                                      そろそろ存廃を含めて、日本法人の存在意義を問い直してもいい時期ではないでしょうか?

で、写真は近所のイタリアンレストランで。ダナキャランジャパンの池田佳孝さんですhttp://www.dkny.com/いまから遡ること5、6年前。最寄り駅前にあった「えーかいわのジオース♪」っつうのに通っていて、終了後、「軽く行かない?」と誘ってくれたのが池田さん。行ったら、NYのこと、音楽のこと、ファッション業界のことなどなど、ものっすっごぉー、面白い話を聞かせてくれて、脳ミソがうち震えました。以来、年に何回か、地元で一献お付き合いいただく先輩です。私たち、大抵、一軒では終わりません( ^ ^;)誰もいない真夜中の道を、冗談を言い合いながら、まるで競争のようにチャリンコを漕いで次の店まで、かなりの距離を移動。翌日、思い出しても、笑っちゃうことばかりしてます。あと、池田さんは「目ヂカラ」がハンパじゃありません!!光線を出すので、どっかであったら、気を付けてください(笑)

 

喫茶去(まあ、お茶でもどうぞ)

 

 

 みなさま。お仕事、がんばってますか?まあ、ここらで一杯、お茶でもどうぞ。根つめて働くのは、身体に毒ですよ。少し休みましょう。一服して、静かに深呼吸しましょう。                            

 写真は表参道ヒルズ3階、「やさい家めい」で。取り壊された同潤会アパートの残り香はいまだ消えじ。ここに座ってクリエイター達が綺羅星のごとく輝いていた憧れの6、70年代に、思いを馳せると、いい気分になります。ランチちと高いけど、雰囲気代込みっつうことで。まあ良しとすっか。

 

医師会の「空虚」な論拠

  日本医師会が先週18日の中医協で、医療経営実態調査と薬価調査の実施に反対しました。医師会は12年度の診療報酬、薬価改定の延期を主張していますが、「調査が実施されれば、そのまま改定につながってしまう」と考えての反対です。しかし、あきれてしまうのは、医師会の主張に全く説得力がないという点。ディベートとしての戦略、戦術も今のところ何にも見えません。「東日本大震災の復旧までには、まだ時間がかかる。いまは復旧に全力を注ぐべきで、調査を実施する時期ではない」というのですが、逆に「震災後の実態を正確に把握するためにも、調査を実施すべきだろう」と突っ込まれたら、手も足も出ない。改定延期にしたって、「いま実施すればプラスどころか、マイナスは必至。だから嫌なのだ」と、本音を言うわけにも行かない。かといって誰もが納得する大儀名分も打ち出せない。だから、一般の人から見て、わかりにくいことこの上ない。         とは言え、医師会の主張の実現に打開策がない訳ではありません。これから議論する第二次補正予算で、被災地に限定して診療報酬を厚くする特別改定を前倒しで実施するのです。「被災地での医療のモチベーションを上げる」という目的で押せば、結構通るかも知れませんよ。これが通れば「被災地限定とは言え、小規模ながら財源を使って前倒しで改定したんだから、12年度の通常改定は延期しましょう」と。こうなる訳です。医師会の先生方。どうです、この戦略?結構いいでしょう?エヘン。(自画自賛)

で、写真は沖縄県宜野湾市出身、平野修一郎くん。20日夕刻、ある企業の勉強会で講演させていただき、そのまま同社東京支社のみなさまの飲み会に参加。それが、ものすごくアットホームで、良かったあ~。上から下まで和気藹々のいい雰囲気なんです。おそらくトップのお人柄でしょう。終了後、至福感に包まれたまま、帰路に着きましたが、まだチト最終電車まで時間ある。てんで、実践英会話道場(己が勝手に命名)、British Pubへ。ところが、この日はなぜか、外人少な!!で、隣にいたのが彼。平野くん。気さくな人柄で、色々、話して盛り上がったんです。しかし、聞くと、な、な、なんと22歳。しっかりしてます。あまりにイケメンだったから、一枚お願いしてパチリ。で、己はバリバリのストレート。あっちの気はありません(笑)。念のため(^ ^;)あ、あと、左の写真との比較は絶対禁止!!(笑)

 

◎お詫びと、お知らせ

当社の会社概要に昨年4月から掲載しているメールアドレスidaka@yakushin-iryou.co.jp。PC環境の影響で、うまく受信できていないことが判明いたしました。先日、修繕し、いまは復旧しましたが、誠に恐縮ですが、しばらくの間、御用の際、可能なら、@yahoo.co.jpにも同時にご送付いただけますと、ありがたく存じます。昨年4月以降、当社への御用で、上記メルアドを利用いただいた方のメールは受信できず、無返信のままご無礼している可能性が高く、大変、申し訳ございません。この場を借りてお詫びいたします。

で、写真はゴールデンウィークに撮影。たんぽぽ(dandelion)です!日の光を燦々と浴びて強く輝く黄色の花もいいですが、種子化した白い姿も素敵です。なんか成熟した落ち着きがあって安心感があります。己(オノレ)は花も咲いておらず、まだまだですが、年を取るなら、こんな風に、枯れたいものです。

 
 
 
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