Posted on 8月 29th, 2011 by IDAKA
もうすぐ総理大臣を降りる菅直人氏が、今年4月、原発事故直後に東電と、どんなやり取りがあったか、記者に問われて「それは10年後に自伝で明らかにします」といった話は有名です。そして、今回の民主党代表選を前に、小沢一郎氏がテレビで「これからも、精一杯、充実した人生を送って行きたいです」なんて賜っていました。被災地では復興どころか、仮設住宅も十分でない。原発事故も、まったく収拾が付かない。混乱に乗じて、中国、韓国、ロシアが、まるで領土問題なんか存在しないかのごとく、なし崩しに強気な動きを見せている。経済もダメ。社会保障も瓦解寸前。いま日本は、黒船来航、明治維新、敗戦に匹敵する国難に遭遇している。それなのに、政治家が、「10年後に自伝を書く」とか、「充実した人生を送りたい」とか、自分個人の将来設計を語ってどうするんですか?いまこそ、身を捨てて、事に当たる時なのに・・・。ありえないですよ。「ささやかな幸せ」を大事にしたいなら、即刻、政治家を辞めてほしい。というか、よくぞまあここまでやってきたもんだ。マジで、泣きたくなってくる。こんな政治家ばっかじゃ、日本が沈んでしまいます。是非とも、次の総理にはがんばって欲しい。祈るような気持ちです。
で写真は北海道庁赤レンガ庁舎の池で撮影。蓮の花(まだ、七分咲きかな?)です。泥沼に根を張りながら、水面に顔を出し、清らかな花を咲かせる。仏教では「慈悲」「智慧」を象徴する花だそうです。見てるだけで、なんとなく落ち着きます。
Posted on 8月 24th, 2011 by IDAKA
日本薬剤師会の児玉孝会長を巡る不正請求疑惑。日薬内部の派閥闘争を発端にした「醜聞」(スキャンダル)と伝えられていますが、実は、この疑惑、そんなレベルでは済まない大きな火種を抱えています。問題となっている疑惑を、ごくごく単純化すると、児玉氏が、診療所の医師に調剤を頼まれて無償で医薬品を提供、その費用を、別人名義で調剤したように見せかけて、保険請求したというもの。児玉氏は大阪府に指摘され、03年に、この疑惑に絡む請求で得たお金を返還、「当人に不正の自覚は無かった」ということで、それ以上の追求はなく終わったとのことです。しかし、明るみに出てしまった今、簡単に事態は収拾できそうにありません。己(オノレ)がおかしいと思うことが3点あります。まず、児玉氏が保険請求した処方せんは誰が用意したのか?もし、医師が絡んでいるなら、その医師も何らかの処分を受けるべきでしょう。ふたつ目は、医師に医薬品を無償で提供し、その費用を保険請求して埋めるという行為は、児玉氏のみならず、未だ一部の診療所と薬局間で「慣習」として残っている気配があること。そして3つ目は、児玉氏の行為に対する追求がなぜ、府の指導だけで済んでしまったのか?なぜ、厚労省が直接査察に乗り出さなかったのか?という点です。厚労省は間違いなく、当時の経緯をよく知っているはずです。とくに3点目については、当時の薬剤管理官辺りに理由を聞いてみたいものです。この疑惑。場合によっては日薬幹部の足の引っ張り合いでは済まない。厚労省、診療所、薬局の馴れ合いが生んだ、三角形の構造問題が浮き彫りになる可能性があります。悪い意味で、みごとなハーモニー。いわゆる、よくある「業界の常識は、世間の非常識」ってなやつでなければいいのですが・・・。
で、写真は近所のインド料理屋「グレートアジア」で撮影。日本人相手なのに、店内は、インドそのもの。ここはカルカッタかよぉーって、感じ。しかし、日本にはないノンビリした異国情緒があって好きです。オーナーのゴパル氏。仕事の合間に、ひらがな、カタカナを練習している勉強家です。インド人恐るべし!!
Posted on 8月 22nd, 2011 by IDAKA
抗血液凝固剤で、約50年ぶりの新薬として登場した「プラザキサ」。今年3月の発売から8月までに因果関係が否定できない死亡例が5例(推定使用患者約6万4000人)ありました。頻度は様々ですが、このところ、大型化が期待される新薬は、必ず、発売直後に死亡例が出ます。何とかならんものでしょうか?それこそ、MRの腕の見せ所だと思うのですが、またしても防げませんでした。 ところで、今回の副作用報告に絡んで、ある業界専門誌に身を置く人が、まるで発売元のメーカー関係者のごとく、何の論理的な根拠も示さずに、「プラザキサはいい薬だ」なんて、言い切っていて、呆れてしまいました。己(オノレ)は、何も、向こうを張って、「悪い薬」だと言うつもりはないんです。ただ、医薬品を「いい薬」とか、「悪い薬」とか、二元論でバッサリ言い切ってしまうことに、非常に強い違和感を抱くのです。
己は、医薬品を、膨大な実験データに裏打ちされた「科学の結晶」だと考えています。科学は、再現性(一定条件下で実験すると、何度やっても、ほぼ同じ結果が出る)を拠り所にしています。そして、どんな医薬品にも「効果」と「副作用」の両面がある。だから、ある条件下の、ある人々には「効果」が出て、「いい薬」になるし、別の条件下の、ある人々には「副作用」が発現して、「悪い薬」になる。その2つの側面を冷静に受け止め、自らが取材して、価値とリスクを検証し、情報発信するのが、専門ジャーナリズムの役割だと考えています。だから、かりにも専門誌に身を置く者が、新薬を指して、「いい薬」とか、「悪い薬」とか、短絡的な表現で、拙速かつ軽々に、審判を下すべきではない。そういう表現に遭遇すると、発信者の「浅はかさ」「粗雑さ」「傲慢さ」を感じ、時に「憤り」さえ覚えるのです。
確かにプラザキサは、ワーファリンに代わる新薬として大きな期待を負っています。しかし、国内では、まだ発売したばかり。現時点では、絶対的な臨床評価は確立してはいない。ちなみに先日、お会いした、ある循環器専門医は、「使うつもりはない」と言っていました。理由は薬価が高い。何かあっても、すぐに中和できない。飲み忘れると直ちに効果が無くなる。効き具合をチェックする測定法がない―などでした。医者でも、研究者でもない一介のジャーナリストが、まるで、すべてを知り尽くした専門家気取りで「いい薬」とか、「悪い薬」とか、言ったところで何の意味もない。お茶飲み話してる場合じゃないんだよ。取材、検証、考察、取材、検証、考察、取材・・・。もっとも、くだんの専門誌関係者に、ジャーナリストという自覚があるのかどうか、不明ですが。。
で、写真はアブラゼミさま。人の世の大惨事を見て自粛したのか、今年の夏は、まったく蝉の声を耳にしませんでした。しかし、先週末、猛暑から一転。秋の香漂う曇り空の下、通りの植え込みの木に、しっかりへばり付いて、ジージー鳴いる気高き御仁が。暮れ行く夏。変わる季節の境界線で、残り短き生命を精一杯、燃焼しているようで。。ちょっと切ない昼下がり。
※今週は、言いたいことが沢山あるんです。だから、少なくとも後、一回は更新します。次は24日の予定です。みなさま。是非、遊びに来てくださいね!!
Posted on 8月 15th, 2011 by IDAKA
みなさあーん!お盆休み、楽しんでますかあ~?己(オノレ)は、水泳、ヨガ、読書三昧です。それから、ここ数ヶ月、何人かの方から「君もFacebookとか、Twitterやんなよ。やった方がいい」と薦められているので、どうするか。ゆっくり考えたりしています。まず、Facebook。書店で「ビジネスに活用する法」といった類の、本が沢山、出ていますね。でも、なんだか、いまさら、その波に乗るのは、恥ずかしい。それにFacebook自体、会社がビジネスで運営している。そんなボードに載って、自分もビジネスに活用しようなんて、ちょっと虫が良すぎやしないか?人のビジネスボートのうえで、自分のビジネスを語る、みたいな。なんか、筋が良くないんじゃないか?ビジネス根性丸出しの人同志が、Friendとかいって、うわべだけで友好的に交流したところで、発展的な関係に結びつくか?お互い客を欲していて、自分が客になる気は更々ないんだから、ビジネスが膨らむわけもない。そんなこと考えて、いまんとこ遊びでしか使っていません。で、Twitter。まずもって「つぶやく」とか、「なう」とか、「~だん」とか、奇妙な言葉が飛び交ってて、おっさん、正直、気持ち悪ルイ。そもそも「つぶやく」って、本来、独り言ではないか?なのに、なんで、人に見えるところにアップするのか?えっ?なんで?人を意識していないようでいて、その実、横目でしっかり人を意識している。その、あざとい自意識がいやらしい。あと、覗いてみると自分の行動ばっか、一日何度も、逐一アップしてる、痛くて淋しい人が沢山いる。憐れ。「あなた、よくそんな時間あるね?でもTwitter書くために生まれたわけじゃないでしょ?もっといま、自分のやるべきことをしっかりやんなよ!」っておっさん言ってやりたくなる。日常生活でわれわれは言語化できない、いくつもの感覚に襲われる。そこにはいくつもの貴重なメッセージが潜んでいるはずだ。それを謙虚に受け取って、静かに消化する時間が大事だと思う。なのに、Twitter使って、のべつ幕なし、自分語りしてる。孤独で淋しいのはわかるけど、そんなことばかりしてると、やがて感性は摩滅してしまう!下手すりゃ人格壊れる。しかし、Twitter。情報収集提供ツールとして優れている面が多々ある。使い方を間違わなければ、やってみる価値は大いにあるかも。。んなことをとうとうと考えて、己(オノレ)の夏休みは終わってしまうのでありました。
で、映像はOmar Sosahttp://www.bluenote.co.jp/jp/artist/omar-sosa/幸運にも、数年前、米サンフランシスコで、無料野外コンサートに遭遇、それ以来のファンです。新米(笑)。Facebook、Twitterに己(オノレ)が吐いた毒に当たった方、解毒剤にしてください(笑)
Posted on 8月 8th, 2011 by IDAKA
インド後発品大手ドクターレディーズラボラトリーズ社(DRL)が、富士フィルムと提携しましたね。国内で合弁会社を設立して、後発品を開発、製造し、富士フイルムファーマを通じて、販売するそうです。DRLが、数年前から、国内後発品専業メーカーに、提携を打診して回っていたのは有名な話です。大洋薬品は、テバが買収してしまったので、残るは沢井製薬か、東和薬品か、と衆目が集まっていましたが、結果は富士フィルムでした。同社は後発品事業ではまだ参入して日が浅い企業です。これをどう見るか?「沢井、東和は外資の買収、提携攻勢に屈しなかった」「DRLでさえ、やはり老舗は買収できなかった」。果たしてそうでしょうか?国内で後発品使用促進の風が吹いていると言ったって、限界があります。今のうちに、海外市場を意識した体制作りを進めておく必要があります。沢井にしても、東和にしても単独ではできないでしょう。このご時勢、外資から提携を持ちかけられて、ただただ突っぱねているばかりでは、将来間違いなく壁にぶち当たります。有利に交渉を運んで、新しい提携を具現化させる位の気概が欲しいです。沢井も、東和も、あまりに単独路線にこだわると、いつか上位から転落してしまうでしょう。
で、写真は札幌の清華亭。明治天皇の休憩所や、芸術振興などに使われたようです。有形文化財。中に入ると、静寂が身を包み、俗世から遮断されたような気分になります。床の間には、明治天皇の和歌を書いた掛け軸があります。「あさみどり 寿み渡りたる 大空の ひろきをおのが こころともかな」。浅緑色に澄みわたる、一点の曇りもない大空のような、清浄で広い度量を、己の心の手本にしたい。そんな意味でしょうか?すっきりした気持ちの良い歌です。己以外、誰もいなかったので左奥の座布団に座って、しばし瞑想。穏やかな気分に満たされました。
Posted on 8月 1st, 2011 by IDAKA
次の改定で、薬価とともに、厳しい引締めが予測されるのが、調剤報酬。昨年来、医薬分業批判を基盤に、調剤基本料の一本化、服薬用歴管理指導料の無用論が沸き起こっています。でも、後発品調剤体制加算や、在宅の訪問服薬管理などは、プラスになる可能性が大なので、そこにどう力を入れるかが成否の分かれ目になりそうです。中でも、己(オノレ)が一番注目しているのは訪問服薬管理。これができると、保険薬局の社会的位置づけが大きく上昇すると考えております。ただ、ジャーナリストやコンサルタントは、口先だけで簡単に言うけど、ひとたび実行しようとすれば、そんなに甘くない。人並み外れたボランティア精神、人間愛が根底にないと、きっと途中で、心が折れてしまうでしょう。最近、「訪問服薬というお仕事」(池田尚敬著、出版文化社)という本を読んで、そんなことを考えました。
で、週末、札幌に上陸。狸小路という商店街は、何やらお祭りめいた風情でした。医薬経済社の福島君に紹介してもらった海鮮の店。結局、見つからず、別の店で一杯。んでもって、最後はラーメンで〆ました。カウンターの前がピカピカのアルミ板だったので、己をパシャリ。
Posted on 7月 25th, 2011 by IDAKA
先日、ある病院組織の交渉担当者のみなさまのセミナーで、講演させていただきました。終了後の懇親会で、色々、お話を伺って感じたのは、やはりメーカー、卸の方々とは、視点がまるっきり違うということ。「卸は、いつまでもメーカーの販売代行やってないで、われわれ側に立ってメーカーと交渉する購入代行になるべきだ」、「MRは処方医を抱き込めばいいと思っているかも知れないが、特定のメーカーに偏向した薬剤選択はすぐわかる。そういう薬剤は切る」などなど、シビアなプロのご意見が聞けて大変、勉強になりました。やはり医薬品と言えども、収益を左右するんですから、価格交渉は切った張ったの真剣勝負。結果は勝ったか、負けたかしかない。変な理屈や理念で、お茶を濁すより、その方がよっぽど、すっきり爽やかですね。交渉のプロのみなさまの気風に触れて、そんなことを思った次第です。
で、写真はクラシコ書店の店主、田邉くん(2回目の登場)。ちょっと前、この書店主催のパーティーに伺ったんですが、彼、すごいんです!!赤ちゃんを抱っこしたまま、みんなに、つまみを出したり、お酒を出したり。八面六臂の大活躍。天才イクメンぶりを、発揮してくれました!!尊敬。カックイ!己(オノレ)にはとてもとても。神々しいまでの一コマ。残念ながら、少しブレました。 クラシコ書店。行ってみてくださいね!和みますよお。⇒http://www.clasicoshoten.com/
Posted on 7月 20th, 2011 by IDAKA
原田芳雄の坂本龍馬。まっこと、しびれたぜよ!!お肌スベスベのアイドル俳優の龍馬と比べたら、 まっこと、月とスッポンぜよ。獣の匂いを放つ侠(オトコ)を演じられる最後の役者。昇天!合掌!!
Posted on 7月 19th, 2011 by IDAKA
がん、糖尿病、精神疾患で、新薬開発が活発化しているのは、もちろん喜ばしいことなんですが、全く見向きもされず、放置されたままの疾患領域も沢山あります。例えば、白内障。いまだ根本的な「治療薬」はなく、何十年も前に、「進行抑制」で承認された医薬品が数品目あるだけ。しかも、その薬さえ、2003年に厚労省の研究班が「効能効果に科学的根拠なし」と結論付けています。一方、濁った水晶体を取り除く手術は年々、増加。水晶体の代わりに入れる眼内レンズは、どんどん新しいいいものが出てきています。要するに、現代医療は、白内障になったら、何もせずに放置し、思いっきり悪くなるのを待って最後に手術で眼内レンズを入れる。それしか方法が無い。こんな状況なのに、不思議と製薬企業各社のパイプラインに、白内障治療薬がひとつもない。おっかしいですよ、これ。患者にとっては間違いなく手術で眼内レンズ入れるより、薬で治ったほうがいい。もし、治療薬の開発に成功すれば、それこそ「画期的な新薬」間違いないのに・・・・。もっとも、白内障治療薬が出てきちゃうと、眼内レンズメーカーは壊滅的な打撃を受ける。手術件数も減って、眼科医院の収入も減ってしまうかもしれません。そんなことに配慮して、開発を控えている。なんてこと・・・ないですよね?
で、写真は己(オノレ)の親友、岸浩。なんだかんだ、知り合って、もう30年以上経ちます。だから、一緒にいてホント楽ちん。いまでも時間を見つけては、ダラダラ飲みます。ありがたいことです!!彼は、渋谷区桜ヶ丘でRAIN FROG(レイン フロッグ)というBARをやっています。セルリアンタワーの裏辺り。身びいき無しで、とても雰囲気のいい、素敵な店です。それも、彼の「和みキャラ」のなせる業。お近くに行ったら寄ってみせください!!!(ちなみに写真に写っているのは、彼の店ではありません (^。^)
Posted on 7月 11th, 2011 by IDAKA
スルホニルウレア(SU)剤の処方件数が増えているそうです。価格も安く、患者の経済的な負担が軽いほか、昨年、発売ラッシュだったDPP4阻害薬との併用で、非常によい効果を発揮するので、以前よりさらに使われているようです。ただし、DPP4阻害薬との併用は少量で十分なので、全体の使用量は激減、従ってメーカーの売り上げは減少が避けられない模様です。業界が「薬価維持」を主張している長期間安定的に供給を継続している医療上不可欠な医薬品に入るのかどうかわかりませんが、SU剤は、対象にふさわしいように思います。
で、写真は赤羽駅構内で帰宅途中に撮影。満員電車に乗る前の一瞬、夕空がものすごく綺麗に見えました。みなさん!暑い日が続きますが、楽しく凌ぎましょうね!!