消費税増税時の薬価改定論議が静かにスタート

 

みなさん、お元気ですか?今週は、スカっとした秋晴れでスタート。それでも、夜は日に日に冷気が強まっております。服装に注意が必要ですね。

さて先週10月17日、中央社会保険医療協議会で「19年10月の消費税増税時に、保険薬価をどうするか?」を巡る論議が始まりました。日本製薬団体連合会など製薬業界は、これまで通り「消費税増税時に合わせて薬価を改定すればいいじゃないか」との主張を繰り返しました。財務省や、一部の厚労官僚は「19年4月に前倒しして実施する」という案を持っていると言われていましたが、中医協の表舞台では、出てきませんでした。もう少し議論が盛り上がるかと思ったのですが、意外に静かなやり取りに終始しました。ただ、9月に市場拡大再算定や、新薬創出加算の返還なども含めて改定するか。そういった特別ルールに関する措置は、20年4月まで持ち越しとするか。製薬業界と、支払い側(保険者)の意見は割れています。結論は12月末まで。議論の行方を注視していきます。

写真は中医協で意見陳述の臨む製薬業界首脳陣。季節が過ぎ去るのはあっという間です。みなさま、秋を満喫しましょう!!!素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

発毛剤メディカルミノキは、リアップの牙城をどこまで切り崩せるか?

みなさん、お元気ですか?秋風に晒されると、時々、ヒンヤリ冷たい空気を感じる今日この頃。みなさん、いかがお過ごしですか?

さて、今回はOTC薬(一般用医薬)のトピックス。99年から、独占販売状態だった男性用発毛剤リアップ(ミノキシジル)に今年8月から強力なライバルが登場しました。アンファ―が発売した「メディカルミノキ」(ミノキシジル)で、現在、計画を上回る勢いで伸びているそうです。製品の成分、用法用量も同じ。昨秋、承認されたのですが、容器上の問題で、決められた量をしっかり塗布できるのかとか、小児が誤飲する恐れがあるなどとの指摘を受け、販売を見送りました。で、問題点を改善したうえで、再度、承認を取得、今回、晴れて販売となったわけです。

「発毛効果は人それぞれだが、少なくとも脱毛を止める効果がある」。そんな先輩たちの口コミ評価を聞いて、私も相当前からリアップを使っていますが、60ml1本7048円。いかんせん価格が高あ~い!!特許が切れてんだから、早く後発品出して、安く提供してほしいぞお~。と期待していました。で、ようやく後発品メディカルミノキが出てきたんです!!!ところが、なによこれ。リアップと同じ60ml1本で7800円だって?!かえって高いじゃない。いい加減にして欲しいよ。でもメディカルミノキを4本セット(4か月)分で購入すると27000円、1本辺り6750円、リアップと比べて約300円のお得。さらに医師による診療が安価で受けられるそうです。この違いをどうとらえるか?購入者次第ですが。。。。。まあ、私としては一本から、リアップより安くしてほしいですなあ。正直なところ。アンファ―さんご検討よろしくお願いしまーす!!

いずれにせよ、20年間続いたリアップの独占市場は、後発品メディカルミノキの登場で、競争が始まりました。両社の製品改良、価格競争に注目します。

 写真は取材先の中庭で撮影。秋の光を讃える花たち。それではみなさん素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

 

「毎年改定論議」を誘発する消費税改定

みなさん、お元気ですか?嵐が通過し、さわやかな秋晴れ!!!最高!!

さて先週9月26日(水)、中央社会保険医療協議会で、19年10月からの消費税引き上げに伴い、保険薬価、材料価格をどうすべきか?本格的に論議が始まりました。

前回、このブログでも取り上げた通り、基本は実勢価格(医療機関購入価)を調べて、そこに消費税引き上げ分2%を上乗せするという方向です。実勢価の調査は、18年9月、つまり今年9月分のデータを使う。

消費税引き上げとは別に20年4月には2年に1度の通常改定がある。それについては19年9月分の調査データを使う。まあ、自然に考えるなら、そういう流れでいいと思うんですが。。

しかし、政府部内には「18年9月も、19年9月も消費税引き上げ前のデータではないか。引き上げ前の実勢価を調べても意味ない。引き上げ後の実勢価を反映させる改定が、22年4月までないなんて馬鹿げている。改定を前倒しすべきだ」という声があるようです。いま薬価改定は二年に一度ですが、少なくとも毎年1回改定すべきという財務省の主張をまた呼び戻すような情勢になってきています。

12月末まで議論を詰めていくことになります。今度の消費税引き上げは、今後の薬価制度改革のあり様を決定する重大な局面になりそうです。しっかり情勢を見極めてまいります。

写真は先週取材で訪れた東大の赤門。構内を歩くとアカデミックな空気が充満していて、気が引き締まりました。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 

 

日薬連の手代木会長と宮島理事長が、“ピッタリの波長”で、消費税改定を語る!!!

みなさん!お元気ですか?2週連続の3連休で、久しぶりの更新となりました。

 さて、日本製薬団体連合会の手代木功会長(塩野義製薬社長)と宮島俊彦理事長が先週20日、記者会見し、19年10月の消費税引き上げ時に、薬価(医療保険で支払う医薬品価格)を改定すべきと主張しました。薬価は、医療機関の購入価格を調べて通常2年に一回、改定します。前回の改定は18年4月でしたから、普通なら、その次は20年4月なのですが、その間に、消費税引き上げ(19年10月)が入ってくるので、ちと話がややこしくなるのです。

根拠はよくわからないのですが、厚労省は消費税引き上げ前の「19年4月」に改定する構想を打ち出しています。これに対して日薬連の手代木会長、宮島理事長は「なんで消費税引き上げ前に改定するのか。理由がわからない」と反論、「引き上げと同時に10月に改定するのが筋だ」と強調しています。素直に考えて、日薬連の主張の方が正論だと思うのですが。。。この先どうなるか。しっかり取材して見極めたいと思います。

 それは別にして、6月の就任された手代木会長と宮島理事長。ぴったり息があっているなと思いました。言うべきことを、言うべき時に、堂々と、しかも論理的にわかりやすく主張する。会長、理事長の姿勢から、シンプルで力強い日薬連像が浮かび上がってきます。自民党の総裁選も終わり、今後、また社会保障、医療保険、医薬品を巡る政策論争が活発化します。産業エゴを排した日薬連の存在感発揮を期待したいです。

 写真は記者会見で撮影。手代木会長(左)と宮島理事長(右)です。今年は秋を迎えるのが少しばかり早いような気がします。スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、芸術の秋。。。と。あんでもかんでも頭につければ、それなりに嵌まってしまうのが秋という季節です。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

バイオ後続品(バイオシミラー)の浅薄で乱暴な政策論議は問題!!!

みなさん、お元気ですか?徐々に、過ごしやすくなってきましたね。大好きな夏が終わるのはさびしいけど、秋に何食べようか?どう体を動かそうか?すでに次の楽しみを見出そうとしている今日この頃です。

で、製薬業界は、ここに来て、バイオシミラー医薬品(特許が切れたバイオ医薬品と同様の効果のもので、先行品より価格が少しだけ安い後続品=全くものは作れないから、類似品“シミラー”といいます)に大きなスポットが当たっています。バイオシミラーをもっと使うようにすれば、国民にとっても、医療保険財政にとっても、素晴らしいことなんじゃないの?と。そういう論調が多いです。

これはもう私が4年位前から、取材を積み上げてきたテーマなんですが、ここは、単純化してものを言ったとたんに、ミスリード(勘違いを誘発)する領域です。で、言わしてもらうと、そんな単純じゃないよ!!のひとことです。しっかり考えて、政策を組まないと。ジャーナルもね。浅薄な踏み込みで、無責任に、勝手な物言いしているとどんどん、変な方に言っちゃうよ!!なぜなら、バイオ医薬品、そしてバイオシミラーは、微生物の力を利用して創生するものだから。人の手による化学創製医薬品ではないからです。そこにつきます。当たり前なことですけど(笑)。その違いを軽視して、あるいはよく咀嚼できないまま、化学創製医薬品と同様に、単純に特許が切れたんなら、もっと使ったらええとか。化学創製医薬品で特許が切れた医薬品を作っている、いわゆる後発品企業に、あんたたちも作ればええやんとか。そんなお気楽なことばっかり言ってる。バイオ医薬品、バイオシミラー、それぞれに大きな課題がある。まずはそこを整理する必要があるでしょう。しかしまあ、世の風潮、世の論説ってのは、なんでこうも単純化、単純化に、向ってしまうんでしょうか?

と文句ばっか言っているうちに、本当にいいたいことにたどり着かずに終わってしまいました。近く雑誌、医薬経済紙上にて思う存分、書かせていただきます。

写真は都内某所、うどん屋さんで見つけた石臼。小さいながら、どっしりと地に足をつけて。自然で落ち着いた色合い。なごみます!!それではみなさま。ごきげんよう。素敵な一週間をお過ごしください。※北海道で大変な状況に陥っている方々。ご無事をお祈りいたします。朝の来ない夜はありません。

 

【お知らせ】

みなさん、お元気ですか?いつも薬新カフェをお読みくださり、誠にありがとうございます。さて本日9月10 日月曜日に更新予定の本ブログ、所要により明日9月11  日火曜日に更新を延期させていただきます。

   引き続き、よろしくお願いいたします。

 

森岡茂夫さん、ありがとうございました!!

みなさん、お元気ですか?今週から9月に突入!!もうひと月もすれば、本格的に秋です。

さて先週8月31日、帝国ホテルで開かれた元山之内製薬(現アステラス製薬)社長、森岡 茂夫(もりおか・しげお)翁のお別れ会に参りました。森岡翁は、今年6月4日、96歳で永眠されました。お別れ会には、故人のお若いころのお写真などもあって、一ファンとして感激しました。私が、ジャーナリズムの世界に身を投じた当初から、つい数年前まで折につけ、ご指導いただきました。森岡翁の薫陶を受けた方は、それこそ数えきれないでしょうから、私のような若輩のジャーナリストごときが、何か言うのも、おこがましいんですが、製薬業界のこと、事業のこと、人としての振る舞いのこと、本当に、色々、教えていただきました。

  森岡翁の座右の銘は「やる気、根気、熱気」。

  背筋がピシッとまっすぐ伸びた、かっこいい経営者でした。お会いするだけで、元気が出る。力が漲ってくる。気持ちが強くなる。そんな方でした。

  「森岡さん!本当にありがとうございました!!」

 

 

 

 

「ガン」って括り。もうやめませんか?時代は変わりました。

おはようございます!いやあ、地面から火であぶられるような暑さが続いたかと思うと、台風が来たり。急に涼しくなったかと思うと、また燃えるように暑くなったりと、今年の夏子さまは、好き勝手、し放題ですね!!!翻弄されないように、体調管理して、楽しく過ごしましょう!!

さて、ここ最近、著名人のガンにまつわる報道が相次いでいます。製薬各社も新薬の研究開発に果敢に取り組んでいます。

しかし、私、常々、思うのですが、この「ガン」っていう括り。かなり大ざっぱで乱暴ではないでしょうか?いま世間で使われる「ガン」という括りは「本来は、できては消えを繰り返すはずの細胞が、遺伝子の突然変異で、無制限に増殖してしまう状態」。それを総称しているに過ぎません。ガンはガンでも、血液のガンもあるし、腫瘍を作る固形ガンもあるし、固形ガンでも、胃とか、肝臓とか、それぞれの部位ごとに発症のメカニズム、診断方法、治療法、治療の成功率も違う。単純に、ガン、ガンって言っても、あまりに括りが広すぎて、真の実態を指し示すことにならない。あんまり言うと妙に、情感に浸ったり、煽ったりするばかりです。ですから、本来は、病態を、もっと細かく区分して表現し、冷静に現実を把握し、向き合えるようにすべきではないかと。そんな風に思うのであります。あ、あと、もうガンって総称も、変えませんかあ?いまは、もう治療可能なのもの多いのに、あまりに悪いイメージが付きすぎました。「突発性細胞増殖」とか、「変異性細胞増殖」とかでいいような気がするんですが、研究者の皆様。いかがでしょうか?

それからよくガンが日本の死因のトップになった!!!といいますが、それもどうなのよ?と。ちょっと待てよと考えます。まず、いまは高齢化社会です。昔はガンになる前にお亡くなりになる高齢者が多かったという点があると思います。また、検査、診断技術の向上で、ガンの発見率が上がった。さらに、検査、診断を受ける人が多くなった。そんなことも背景あるかと思います。

何しろ、ガンだから大変だ!日本の死因トップになったから、大変だ!とことさら、大騒ぎする気に、少なくとも私はなれない。もちろん、自分の身体の声に耳を傾けて、身心調整することは大事だと思っていますが。。。みなさんどう思われますか?

で、写真は高尾山で。駅の近くで割とこじんまりお祭りやってました。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。今週で8月も終わりです。夏を満喫しましょう!!!

 

 

 

【お知らせ】

みなさん、お元気ですか?いつも薬新カフェをお読みくださり、誠にありがとうございます。さて本日8月27 日月曜日に更新予定の本ブログ、所要により明日8月28  日火曜日に更新を延期させていただきます。

   引き続き、よろしくお願いいたします。

 

ゲノム医療の推進は「個人情報保護」の徹底がカギ!!厚労省はデータ管理能力を高めよ!

みなさん、お元気ですか?お盆休みはいかがでしたか?先週から、急に気温が下がり、秋の気配さえ、感じさせる日が続いております。

さて、いよいよというか、ようやくというか、日本でも「がんのゲノム医療」が本格的に始まりつつあります。我々、国民が、がんになった時、遺伝子を網羅的に調べて、原因因子を特定し、最適な治療に結び付けようというものです。今年3月に閣議決定した「第3期がん対策推進基本計画」の柱のひとつとして「がんのゲノム医療」が明記され、4月から厚労省の検討会などが実施について活発な議論を進めています。来年から、がん患者を対象に、遺伝子検査の一部を保険適用することも検討しているようです。

「がんのゲノム医療」は欧米、中国などに比べて遅れていると言われています。だから政府は、なんとか巻き返しを図りたいと考えています。ゲノム医療が浸透し、データが蓄積できれば、疾患の推移を追跡して検証を重ねることによって、新たな治療技術や、新薬開発にも、つなげることができます。

今年6月、厚労省の懇談会(がんゲノム医療推進コンソーシアム懇談会)がまとめた報告書の5頁にはこうあります。

「質の高いがんゲノム医療を国民に提供しながら、個人情報を含めた医療情報を集約し、研究での利活用を促す仕組みが必要」。

最先端技術を応用して、よりよい社会を築くには、私たち国民が、個人情報をある程度、運営主体(国、都道府県、所属組織など)に委ねなければならない世の中が来たようです。かつて、ビッグデータ研究の第一人者である大学教授も「賛否はあるかもしれないが、私自身は、世の中全体のために、個人データを晒す覚悟はある」と話していました。でも、私は、どうもそこまで割り切れません。運営主体を信じきれないのです。

もちろん、政府が今後、進めていくがんゲノム医療で、集積するデータは、個人が特定できないように徹底的に保護するのが前提です。しかし、しかしですよ!!!私たちの個人情報、本当にしっかり保護してくれるのでしょうか?厚労省が、国民の年金記録を紛失したり。医薬品医療機器総合機構が臨床試験データが入ったUSBを紛失したり。取り返しがつかない問題が明らかになっても、誰も責任を取りません。当局のデータ管理能力への不信感は増大する一方です。

 ゲノム医療の推進には賛成ですが、まずはしっかりと患者の個人情報を保護する。そういう体制を構築するのが先ではないでしょうか?政府関係者や、研究者には「そんなこと言っている場合じゃない。海外との競争にこれ以上、遅れるわけにはいかない」と反論されるかもしれませんが。。

写真は週末に訪れたお猿さんの公園で撮影。親子で何か会話しているようです(笑)それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

 
 
 
© 2018 薬新カフェ|株式会社薬新井高のブログ