製薬協・中山新会長のファイティングポーズに、内藤副会長と日薬連・手代木会長が賛同!!

みなさん、お元気ですか?今日は、なんとなく湿度が高いような気がします。梅雨が近づいてきていますね。

さて先週5月24日は日本製薬団体連合会(日薬連=医薬品関連団体の連合体)、日本製薬工業協会(製薬協=研究開発型製薬企業の団体)の役員交代がありました。日薬連会長には塩野義製薬の手代木功社長、製薬協会長には第一三共の中山譲治会長が就任しました。当日は大手町、経団連会館で、製薬協の50周年記念式典があって医療関係団体、官界、政界を招いて懇談会が開かれました。

製薬協の中山新会長が、日薬連の手代木会長と製薬協の内藤晴夫副会長(エーザイ社長)に、いじられていたのが、非常に印象的でした。仲がいいというか。信頼関係があるからこそなんでしょうね(笑)。このコンビネーションが今後の運営にどう生かされるか。注目です。

中山会長があいさつで「どんな産業も成長するには健全な市場の存在。中でも大事なのは製品の品質を適切に評価する価格メカニズムがあってこそだ」と強調、そのうえで18年4月の薬価制度改革で、いわゆる新薬創出加算の対象が絞り込まれたことについて「イノベーションの積極的な投資にブレーキがかかる。明らかに一線を越えた。制度の見直しに向け声を上げたい。業界は、踏ん張りどころ。日本の将来のためにも、我々が奮起しなければならない」と力強く語りました。その後、乾杯のあいさつに立った日薬連の手代木会長は「正直、中山さんがあれほど熱く語るのを観たのは初めて。これからの製薬協に非常に期待したい」と指摘、製薬協の内藤副会長も「これほどファイティングポーズをとった中山譲治氏ははじめて。中山会長に仕える副会長として楽しみだ」と述べました。

会場にいらしていた日薬連の前会長、多田正世氏(大日本住友製薬会長)は「勝負はこれから。今回の団体役員の布陣はベストメンバーだ」と話されていました。さあ、手代木、中山ラインで、何を主張し、何を具現化するか。今後の動向を期待をもって注視していきます。

 写真は中山製薬協会長。5月31日の会長記者会見が楽しみです!!それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください!!

 

 

有意義で、楽しく、刺激的なセミナーを開きます!!!テーマはズバリ!「米国と日本の製薬ビジネス環境」です。

 みなさん、お元気ですか?なんだか夏のように暑い日が続きます。

さて、先日、ご案内したセミナーの詳細が決まりました!6月29日金曜日午後16時から、日本橋のTKPカンファレンスセンターで開催します。今回のテーマは「米国と日本の製薬ビジネス環境」です!!

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ご承知の通り、両国は世界第1位と、第2位の医薬品市場。片や自由主義経済、片や国民皆保険制度の国ですから「全く違う」と考えがちですが、最近は、様々な面で共鳴し合って見えます。例えば、米国はオバマケアの導入以降、紆余曲折を経ながらも医療、医薬への患者アクセスを広げる方向に推移しています。当然、日本も参考国のひとつになっています。一方、日本は、皆保険制度が少子高齢化による財政窮迫で破たん寸前。米国の民間保険会社が実施している各種の医療、医薬サービス抑制策を、今後の制度改革の中に活かそうとしています。例えば、いわゆる地域包括ケアといわれる施策の中で入院を少なくしたらご褒美を与えるなどの施策は、米国の民間保険会社がずっと前から実施しているアウトカム評価(成果に基づく対価)そのものです。
 今回のセミナーでは、改めて米国と日本の製薬ビジネス環境にスポットを当てます。双方の現状、そして将来を見通し、参加者の皆様とともに、製薬をはじめとするヘルスケア企業の明日の戦略を探ります。ゲスト講師に、米国の医療環境、市場環境に詳しいMSAパートナーズの五島由佳子氏をお招きしました。五島氏が米国環境、私、井高が日本環境についてお話します。私は、浅学も批判も恐れず、どしどし自分の見解、意見を発信します。最後の総合討論では、会場のみなさまの参加もできます。ハチの巣にしてください(笑)有意義で、かつ楽しく刺激的なセミナーにしたいと考えております!!みなさま、是非ともご参加ください。

写真は私と五島氏です。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

武田薬品のシャイアー買収会見で思ったこと。考えたこと。

はい!みなさん、お元気ですか?いや~、先週は武田薬品のシャイアー買収で持ちきりでした!

武田は日本時間8日午後15時過ぎ、買収交渉成功のリリースを出しました。その後、夜23時まで。電話によるカンファレンスコールをメディア向け=同時通訳有り1回、無し1回、投資家・アナリスト向け=同時通訳有り1回、無し1回、合計4本開きました。日本と海外別々にやったわけですね。そして、翌9日、武田の東京本社ビルで、記者会見を開きました。まずは、同社広報のみなさん、そしてクリストフ・ウェバー社長はじめ幹部のみなさま、お疲れ様でした!!

 この大型買収、前にもこのブログで取り上げましたが、私自身は心情的に前向きに評価したいです。しかし、記者会見の内容は、すとんと腑に落ちるものではありませんでした。これだけの大型買収ですから研究開発候補品が増えたり、領域が拡大するのは当たり前のことです。むしろ、今後、将来にわたって、いかに新薬を出し続けることができるのか?その視点での説明が必要なのですが、ほとんどありませんでした。有利子負債が買収資金3挑円、シャイアー内部2兆円、武田1兆1000億円で、合計6兆円を超え、これをどう解消するかも焦点ですが、「有利利子負債は徐々に小さくなる。また、売上高や利益が拡大するから、相対的に薄まる」という程度の説明でした。すっきり感がないです。

 記者会見の冒頭、社外取締役で、取締役会議長を務める世界第二位の日本初建設機械メーカーコマツの坂根正弘元CEOが舞台に立ったのは意外でした。今回の買収の意義を述べたわけですが、ひとつだけ違和感を感じました。

坂根氏はこう述べました。「製薬は知らない分野ではじめ戸惑ったのだが、問題点は基本的には同じだと認識した。すなわち総花主義、平均点主義、自前主義。そこからの脱却が必要と判断した」。確かに製薬企業は「我々は、生命関連商品を扱う企業。他の産業と一緒にしてもらっては困る」と長らく変革、改革を拒否してきました。違いばかり強調して「変わる」努力をしなければ世の中から取り残されるのは目に見えています。しかしながら、他の産業と「同じ」か、「違う」か、という単純な二元論に陥るのも危険で、そうなると本質が見えなくなる。「同じ」ところもあるし、「違う」ところもあるというのが現実でしょう。だから、問題点は他産業と「同じ」と断じて、何でもかんでも切り捨てて行くのもまずい。坂根氏の話の中で、捨てちゃまずいんじゃないか?と思うのは「自前主義」です。研究開発で自前主義がなくなり、他社から買いあさるばかりになったら、商社になってしまう。すべてとは言わないまでも、「自分たち自身で新薬を生み出すんだ!!!」と。そういう強い意志を持ち続けることができなければ、もはや製薬企業ではないです。

坂根氏の後、社外取締役の東恵美子氏もスピーチに立ちました。ウェバー社長は、買収のメリットしか強調しまでんでしたが、東氏は「リスクがない買収はありえない。しかし、これを好機ととらえないと株式利益を最大限生かしていないことにもなる」と話したのが印象的でした。

武田薬品の買収会見後、そのまま塩野義製薬の決算説明会に参加しました。塩野義は経営計画に沿って、実直に企業運営し、業績を上げています。久々に手代木功社長のスパッと切れのいい話しっぷりを聞いて、なんだかほっとしました。武田の買収については「我々とはビジネスモデルがまったく違うステージにあるので論評は難しい」としながら、原則論として「私自身の考えだが、とどのつまり製薬企業は、研究開発でモノを出し続けなければ成長は難しい。一時的に(買収で)時間を買っても、会社が大きくなれば、さらにそれを維持するためにパイプラインを強化しなければならない。それができなければ大きくなっても仕方がない」と話されました。

武田薬品のシャイアー買収はまだ色々、ありそうです。しかし、閉塞感を抱えながら、遅々として突破口を見つけられずにいた日本の製薬業界に一石を投じたのは確かです。いろんな角度から、いろんな方たちが発言し、分析し出しています。そういう意味で、武田はトップ企業でありながら、リスクを抱えながら新たな一歩を踏み出すフロンティアです。そこに誰も異論はないでしょう。

写真は武田薬品のシャイアー買収記者会見で、その意義を強調する取締役会議長の坂根氏(上段)、社外取締役 東氏(中段)、そしてウェバー社長(下段)。それではみなさん!素敵な一週間をお過ごしください!

 

製薬ビジネス活性化セミナーを開催します!!4回目、6月29日金曜日です!

みなさん!お元気ですか?ゴールデンウィークも終了、各社決算ピーク、株主総会、社会保障の予算編成と、こっから業界、政策、市場の動きが一気に加速化します。みなさんに負けないよう、私も気を引き締めてまいります!

さて来る6月29日金曜日午後16時から、株式会社、薬新主催の第4回、製薬ビジネス活性化セミナーを開催いたします。

今回は米国の医薬品マーケットと、日本の医薬品マーケットの現状と将来分析を徹底的に行います。もうだらだら表面化する変化だけに対応していても製薬企業は、じり貧です。私説を交えて思い切って行きたいと思います。講師は米国ニューヨークを拠点に医薬品市場、産業関連情報を収集提供するMSAパートナーズの五島由佳子氏。ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、しっかりした調査、取材に基づく迫力のある講演をしてくださいます。米国マーケットに精通した日本では数少ない演者です。そして、不肖、私、井高恭彦が日本のマーケットについてお話します。おそらく私説の部分は、突っ込みどころ満載になります(笑)。もちろん、最後に討論会、懇親会も開きますので、会場からの参戦大いに結構です!!

このセミナー。第1回は日本経済を牽引する自動車産業界と製薬産業の現状と将来分析、2回目は医療保険制度と薬価制度改革、3回目は製薬企業と広報活動の在り方をテーマに開催、第4回目も、問題意識と当事者意識をもって元気よくがんばります!場所は日本橋、八重洲州周辺。詳細が決まり次第、お知らせします。お問い合わせは、メール=idaka@yakushin-iryou.co.jpまで。

写真は私と謎の美女。いかにも私の右側に写っている謎の美女が今回、セミナー講師をしていただく五島氏です。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!

 

ダイナミックに「新陳代謝」を続ける武田薬品

  みなさん、お元気ですか?先日は4月にもかかわらず気温25度(はじめ30度と書いたのは飽くまで基礎体温が高い私の勘違い。訂正します。(笑))を超え、夏のような日でした。思わず泳ぎたくなりましたが、当然ながら、泳げるところなどまだないですね。しかし、近くの蕎麦屋が、早くも冷やし中華を始めていて感激!!酢醤油の甘酸っぱいそばをすすって溜飲を下げた次第です(笑)

  さて武田薬品がアイルランドのシャイアー買収に動いています。シャイアーは株式時価総額4兆円で、武田薬品と同規模もしくはわずかに上回るほどの企業ですので、この買収提案は国内のみならず海外でも注目を集めています。シャイアーはどうも乗り気でないようで、うまくいくかどうかはわかりませんが、武田のダイナミックなチャレンジを、素直に評価したいです。閉塞感溢れるのこの世の中ですから、旧態依然としたスタイルを維持するだけでは新しい流れは何も生まれません。

それにしても武田は国内でも、このところ話題に事欠きません。つい先日は、武田の研究所を外部にも開放し、医薬品研究を活性化させる湘南ヘルスイノベーションパークの開所式を大々的に開催、その前はジェームズ・キーホー最高財務責任者(CFO)の突然の辞任、そしてグループ企業、武田コンシューマーヘルスケアの杉本雅史社長の突然の辞任などがありました。(キーホー氏と杉本氏の辞任については雑誌、医薬経済18年4月15日号で「武田薬品「突如退任」の背景」という記事を書きましたので、是非、ご一読ください。)武田は良きも悪しきも企業体として大きな新陳代謝を続けています。そのたびにジャーナリズムが様々な視点で武田情報を発信し、結果、メディアの活性化にもつながっています。これからもダイナミックな動きで世の中をにぎわせて欲しいです。もちろん、最終関門は、画期的新薬を世に出し、収益アップを実現し、経済の活性化に結び付けることですが。。。。

  写真は4月13日に開かれた湘南ヘルスイノベーションパークの開所式で。クリストフ・ウェバー社長(中央)、黒岩祐治神奈川県知事(向かって右)、藤本利夫ジェネラルマネジャー(左)です。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

 

米国製薬団体トップのロバート会長が来日し、日本の密室論議を強く批判!「オープンな議論を」と訴える。

みなさん!お元気ですか?多少変動はあれど、概ね過ごしやすい小春日和が続きます。

さて、先週は12日(木)に世界最大の医薬品マーケット、米国から米国研究製薬工業協会(PhRMA)のロバート・A・ブラッドウェイ会長(アムジェン最高経営責任者CEO)が来日し、記者会見しました。18年4月の薬価制度改革について「決定プロセスに不明瞭な点がある」とし、開かれた議論を求めました。ご承知の通り今度の制度改革は、これまでにない新しい仕組みがいくつも組み込まれました。この案が、11月末に初めて公表された時、取材を積み上げてきた私自身、「え?一体、いつこんな議論した?」と面食らったものです。厚労省は公表する前に、外資系企業を含む主要製薬企業のトップを内々に都内ホテルに集めて、全体概要を説明したのですが、その時点で、もう既に改革案はガッチリ固まっていた。

  そもそも公表前に業界、しかも一部の企業だけ集めて概要を説明するのもおかしいのですが、公の場で議論したこともない仕組みが突然、改革案に盛り込まれることはもっとおかしいです。これも一政権、一極集中の政策運営が続いているからこそのことでしょう。ロバート会長は、こうした不透明は政策決定を強く批判し、オープンな議論を求めたのです。とくに米国エゴを感じさせる提案ではなく、国内企業も同感しているでしょう。

日本の医療財政の健全化については「医薬品だけでなく医療費全体の見直し」を提案、薬価制度については、今後、さらに特許が切れた医薬品から後発品に切り替える施策を強化し、これまでの治療を変える超画期的新薬については「効いたらもらう」、すなわち成功報酬型の支払い方式も念頭に議論する考えを表明しました。

  写真は来日したPhRMAのロバート会長。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

製薬企業トップが新入社員にメッセージを発信!!!「自分を磨いて成果を出せ!!」

みなさん、お元気ですか?暖かい日が続きます。が、私はたまたま仕事が重なり、室内にこもることが多く、若干、いじけた心を抱いて過ごしております(笑)

さて先週は製薬企業各社の入社式が集中しました。各社経営トップの新入社員に向けたメッセージ。みんなかっこいいです。今回は各社トップのメッセージの中から、それぞれ私が最も力強く感じた言葉を、ワンポイントだけご紹介いたします。

  武田薬品・クリストフ・ウェバー社長「日々知識のアップデートを怠るな」、アステラス製薬・安川健司社長「常識を疑うことの価値を知れ」、第一三共・真鍋淳社長「部下の提案を聞けない上司は、その任にない。お互いの考えを自由にぶつけ合え」、エーザイ・内藤晴夫社長「考え続けろ。打って出ろ。場数を踏め」、中外製薬・小坂達郎社長「多様な価値観や専門性がイノベーションを生む。能力を最大限発揮してい欲しい」、大日本住友製薬・野村博社長「学び続けろ。ポジティブに努力し続けろ」、田辺三菱・三津家正之社長「今、求められる人材は各分野で世界の先端を走っている人々と戦えるグローバル人材だ」、塩野義製薬・手代木功社長「後悔しない決断をしろ。常に透明で誰に見られても恥ずかしくない行動、言動をとれ」。

「Yes!Sir!」って思わず言いたくなります。いやあ~。痺れますねえ~。18年度に突入!!!私も新入社員になった気持ちで、身を引き締めてがんばります!!!

写真は都内の公園で撮影。湖面に落ちた桜の花びらがきれいです。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

【お知らせ】

 みなさん、お元気ですか?いつも薬新カフェをお読みくださり、誠にありがとうございます。さて本日4 月9日月曜日に更新予定の本ブログ、所要により明日4月10 日火曜日に更新を延期させていただきます。

  何卒、よろしくお願いいたします。

 

バイエル薬品が記者会見で「信頼回復」に向けた「企業文化変革」を誓う!!!

  みなさん、お元気ですか?先週は桜の満開で始まり、散って終わった一週間でした。

製薬業界も武田薬品のシャイアー買収に向けた動き、エーザイの日医工への後発品子会社売却など大きなニュースがありました。そうした発表のはざまで、昨年、営業活動や研究活動で問題が発覚したバイエル薬品が「信頼回復に向けて」と題する記者会見を開きました。ハイケ・プリンツ社長、相徳泰子マーケットアクセス本部長が出席。社内で研修を重ね、企業文化そのものを変えていくと意思表示しました。変えるのは「企業文化」ですから、それなりに時間がかかるわけで、昨年の問題発覚から1年足らずで、ハイ、企業文化のここをこう変えました、あるいは変わりました、と話せば、それこそ軽薄の極致です。現実問題として、目指すべき方向性は示せても、完了形で話すことはできない。という意味で、今回の記者会見は「信頼回復に向けて今後も引き続き努力を重ねます。みなさん見ていてください」という意思表示であり、それ以上でも以下でもないわけです。いいことではないでしょうか?私自身は、今回の会見を非常にポジティブに受け止めました。

しかし、記者会見で、同業他社の記者が「反省がみえない。残念に思う」と発言し、びっくりしました。この段階で、なお、努力姿勢を見せている企業を叩く必要があるのでしょうか?問題の核心がはっきりしない段階であれば、私も人一倍、戦闘モードになって企業を追及するタチですが、バイエルの問題は、一通り明るみに出て、昨年、さんざん叩かれた。そのうえで、今回、記者会見を開いたわけです。「反省がみえない」っていうポイントはどこなのか?全く理解できませんでした。土下座でもしろということなのでしょうか?転んで起き上がり前を向いて歩きだそうとする者の、頭をなおも叩く!!!私が、もっとも受け入れがたい感性で、いやあ~な気分になりました。記者は検察官でも、裁判官でも、お奉行さまでもありません。記者は、記者に過ぎない。単なる記者でしかない。偉くもなんともない。それでも取材先では、お客さんのように接触してくださり、表面的に持ち上げてくださる方も多いので、自分を見失いそうになることがままあります。私は一ジャーナリストであり、記者でしかない。自分自身、勘違いしないように、定期的に振り返り、深く戒めたいと思います。

  写真は記者会見するバイエル薬品のプリンツ社長。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

 

 

偉くて賢い人が書く「社会保障本」は、製薬など産業界との関係性には言及しない

 みなさん、お元気ですか?いやあ、お花見の季節がやってまいりましたあ!

さて、このブログでも何度か書きましたが、目下わたくし、社会保障制度とは何か?という大命題に真正面から取り組み、医療技術、医薬品と社会保障の適切な関係性を自分なりに追求したいと、勝手に奮闘中であります。で、昨年来、色々、書籍を読み漁っているわけですが、元厚労官僚で、在アゼルバイジャン大使、香取照幸氏の「教養としての社会保障」(東洋経済新報社)は読み物として面白かったです。

みなさん。この本はもうね、お勉強本じゃないですよ。だって言いたい放題なんですもん。いやよくここまで言うね~って、ある種の爽快感に包まれます。題名は「教養としての社会保障」ですが、違うでしょ、これは。「厚労官僚が考える社会保障」に改めるべきですよ。どういうことかっていうと全編を通じて貫かれている基本理念が社会福祉国家、つまり社会福祉には惜しむことなくお金をつぎ込み、官僚が全体を管理する「大きな政府」を志向しているのです。濃いなあ~。17年6月に発刊されたのですが、先日、大型書店で見たらベストセラーの棚にあって、今や3刷以上、版を重ねている。香取さんは厚労官僚時代に、厚生白書の編集を担当したことがあって、その白書が例年になく、飛ぶように売れたという伝説があるくらいですから、なんかツボを押さえているんですね。きっと。

どういうわけか、というか、香取さんの本が売れて、触発されたのか。厚労省時代に香取さんの上司だった山崎史郎氏も、17年9月に「人口減少と社会保障」(中公新書)を発刊していますが、こちらはキャリア官僚の論文そのもの。通読するのに結構、体力、気力がいります。正直、あんまりおもしろくない。で、香取さんの本に戻るのですが、「おわりに」にある厚労省の後輩たちに発信したメッセージがまたかっこいいんですわ~。「実態把握能力」「コミュニケーション能力」「制度改善能力」の3点について自説を述べているんですが、これは厚労官僚でなく一社会人にとっても、非常に示唆に富む、有益なメッセージだと思います。まあ、いわば香取流「五輪の書」とでもいうべきものですね。熱いです!!

  しかし、この本には致命的な欠落があります。製薬企業をはじめとする産業界と社会保障の関係性、そのあるべき姿、将来像を何ら提示していないのです。敢えて回避したとしか考えられない。香取さんほどの方でも、こうですから。「解」を出すのは相当、困難なわけです。ちなみに、山崎氏の本にも全く書かれていません。「医療保険制度で、イノベーションを評価すべき!!!」なんて、一行たりとも書いていない。どうやら、権威に頼っているわけにはいかないようです。なので製薬業界のみなさん、議論を重ねましょう!!!

  写真は香取氏と、その著作。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください!

 

 
 
 
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