「そう簡単にジェネリックに市場を明け渡すわけがないだろ!!!」、新薬メーカーの本音が透けて見えるオーソライズド・ジェネリック

 いやあ~。最近、バンバン出てきますね。オーソライズド・ジェネリック(AG)。いいんでしょうか?こういうの?

新薬の特許が切れた後、同一成分同一効能で安い価格で出て来るのがジェネリック(GE)。その中でも、新薬メーカーと提携して、原料や製造方法、場合によっては工場の生産ラインまで同一にしたのが、AG(Authorized=許諾を得た+Generic=後発品)です。新薬メーカーは「新薬の特許が切れたら、GEに道を譲る」というのが大原則だったはずですが、只でGEを道を譲るのが癪なもんだから、提携した企業にAGを作らせてロイヤリティを得ているのです。特許が切れた新薬は長期収載品といいますが、新薬メーカーは長期収載品を売りながら、AGからもロイヤリティ収入を得ます。

長期収載品の販売に力を入れてGEの参入を阻害すると、薬価を下げるというルールがあります。だから、新薬メーカーは長期収載品の販売は引下げルールにかからない程度にそこそこに止めておいて、AGのロイヤリティで、その減収分をカバーしようと考えたわけです。新薬メーカーのあざとい戦略ですね。AGがバンバン出てきたら、新薬メーカーと提携していないGEメーカーは、たまったもんじゃないですよね。こういうのありでしょうか?

 ただ、患者からしたらどうでしょう?新薬と原料、製造方法、工場まで同じで価格が安いなら、それにこしたことない。「AGいいじゃん!!」と思う方が多いのではないでしょうか?GEメーカーは、新薬メーカーと提携したAG以上の高品質、安価、付加価値を生み出していかねばなりません。逆に、AGが新薬メーカーのお墨付きと、支持率の高さに胡坐をかいて、高価格で販売し続けていると、いつか手痛いしっぺ返しを食らうでしょう。

 写真はバラの花に埋もれた近所の喫茶店。見事な咲きっぷりでした!それではみなさん。素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

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