製薬業界が主張する「ドラッグラグが再燃するぞ!」に違和感

みなさんお元気ですか?暑い日が続きます。

先週、厚労省の審議会(中央社会保険医療協議会薬価専門部会)で、23年4月の薬価改定に向けた議論がようやく始まりまいた。新型コロナ感染、参院選などが重なり、立ち上がりはいつもより遅いです。 会員の方はコチラをクリック »

 

「正念場」のMR認定センターに新理事長が就任

みなさんお元気ですか?先週は、結構激しく雨が降りましたね。それもあって「どこかに出かけねばならなあい」という強迫観念的な思いは薄く、3連休はのんびり過ごしました。

さて先週13日水曜日、MR認定センターの新理事長、井廻道夫氏(自治医科大名誉教授)による記者会見が開かれました。 会員の方はコチラをクリック »

 

「国産コロナワクチン開発」に挑むKMバイオロジクス!変異のスピードが速まり、先行品が普及する中での奮闘!

みなさんお元気ですか?

さて先週7月6日、明治HDの医薬品セグメントに関する記者説明会がありました。明治HDはグループ企業を通じて、他社が敬遠するワクチン、抗菌剤開発に積極的に取り組んでいます。ご承知の通り感染症は、いつ何時、どこで発生し、どのくらいの範囲、期間続くのか。流行予測が難しく、収益の見通しが立てにくいのです。そのため、日本でワクチン、抗菌剤に取り組む新薬メーカーは、明治の子会社MeijiSeikaファルマとKMバイオロジクス、そして塩野義製薬くらいしかなくなってしまいました。

会員の方はコチラをクリック »

 

将来の社会保障財源はどうする?INESが新研究会で「さらなる消費増税」を強調!

 

みなさん、お元気ですか?都内は久しぶりに小雨が降って、どんより曇り空で月曜日を迎えました。

さて先週6月30日、一般社団法人 新時代戦略研究所(INES)の記者会見がありました。同研究所の代表、理事長を含む専門家6人で社会保障の財源について検討し、具体案を提示する研究会を発足するとのことでした。

メンバーの一人、武田俊彦元厚労省幹部は「財源論のない社会保障制度改革論は不毛」とし、負担のあり方について議論する意義、必要性を強調しました。

会員の方はコチラをクリック »

 

髙久史麿先生が、製薬業界に期待していたMR活動

 

みなさん、お元気ですか?猛暑が続きます。梅雨を通り越して一気に夏になったかのよう。人通りまばらなところでは、マスクを外させてもらっています。マスクは科学的な効用云々というより世の中の空気に乗るか、反るか。。。。私は、ある種、ムードに支配されて定着した時代の慣習だと思うので(とくにいまは)、周りの人たちを見渡して、外したり付けたりしている今日この頃です。

さて髙久史麿先生のお別れ会が6月26日に都内で開かれ、ご挨拶に行ってまいりました。ご承知の通り髙久先生は日本医学会会長や自治医科大学長を歴任、東大名誉教授で地域医療振興協会など各種医療団体のトップを務めていらっしゃいました。お亡くなりになったのは3月24日。御年91歳でした。

会員の方はコチラをクリック »

 

元厚労省幹部で大学教授で審議会委員の「日本の医療費支出は今でも高くない!」って発言、どうなの!?

 

みなさんお元気ですか?石川県での地震で被害にあった方たちに心よりお見舞い申し上げます。

さてちょっと前のことですが、元厚労省幹部で、今は大学教授、そして厚労省の審議会委員を務める方が、ある製薬業界の集まりで講演しました。テーマは「ヘルスケア産業の未来」で、種々、問題提起はありましたが、期待していた具体案の提示はありませんでした。

ただ、気になったのは「OECD統計を元に日本の医療費水準はもはや低くない(高くなった)といわれるが実はそうでもない」と話された点です。

会員の方はコチラをクリック »

 

参院選の影響で薬価論議は始まらず。重要課題、案件、改革はまたも「官邸主導」が濃厚

 みなさん、お元気ですか?

 来年23年4月には、薬価(医薬品の保険給付価格)の中間年改定があります。本来、厚労省の関係審議会(主に中央社会保険医療協議会・薬価専門部会)で議論がスタートしていていい頃なんですが、まったく手付かずのままです。

 参院選(6月22日公示、7月10日投票)があることが影響しているようです。選挙後の議席がどう変化するか?それによって、各党の力関係も変わり、政策運営の方針に違いが出る。そのため、厚労省、業界内に「いま色々、議論してもしょうがない」というムードが出てくる。選挙前は、いつもこうです。で、結局、議論の時間が大幅に縮小され、最後は官邸主導で「えいやあ!」と、バッサリと決められてしまう。

 選挙のたびに、重要な議論や、決めなければならない政策判断を棚上げし、先送り先送りする。選挙後、振出しに戻る。そしてまた選挙と。。。。その繰り返しです。実際、いまの薬価制度は、科学技術の進展、取引環境の変化についていけてない。それは明らかです。いわば今の薬価制度は、改革し、新たな制度を敷くまでの「間に合わせ」です。新薬の画期性の評価、改定頻度、医薬品流通問題(大手卸の談合、必須薬の供給停滞など)との関係など、本気で議論しないとずっと「間に合わせ」のままです。もうあと何年こんな状態が続くんでしょう。「間に合わせ」でお茶を濁していても、何も変わらないのに。。。。

 写真は路傍に小さく咲いていた花。誰がいようがいまいが、野の花は咲きよる!それではみなさま素敵な一週間をお過ごしください。

 

【IQVIAオンデマンドセミナー】

 どうなる?オーソライズドジェネリック、~先発・後発企業の課題と戦略~

 

 

 

 

日本の後発品市場は、新薬メーカーと固い“絆”で結ばれた製品(AG)が主流!!!という現実

 みなさん、お元気ですか?今週は、どんより曇り空でスタート。というか関東はもう梅雨入りしたとの報道も。。。。激しい気圧、気温の変動を、うまく調整して過ごしたいですね。

 さて本日6月6日から、「オーソライズド・ジェネリック(AG)と一般ジェネリック」の現状と、今後をテーマにしたIQVIAのオンデマンドセミナーが配信開始となりました。講演者は、実際に、AGビジネスを成功に導いた元企業トップ、医療現場で医薬品採用を担当しておられる病院薬剤師の先生、そして私、井高恭彦がジャーナリストの立場からお話をさせていただいております。

 AGとは、新薬メーカーが自社品の特許が切れた後に、その製品の製造販売を特定企業にだけ許諾し、許諾を得た特定企業が世に送り出す後発品のこと。一般の後発品は、新薬メーカーと製造方法や製造所が異なりますが、AGは製造法が同じで、ものによっては製造所まで同じ場合もあります。

 AGを特定企業に製造販売してもらうと、新薬メーカーは一定のロイヤリティ(収益)を得ることができます。そんなこともあってかつては「新薬メーカーは特許期間中に十分利益を得たのに、特許が切れてなおAGで利益を得るのか」と批判的な意見が多かった。肯定的な意見があったにせよ「AGは後発品の使用促進のスピードを速める側面がある。だから、後発品の使用割合が拡大し、定着するまでの“過渡的なビジネスモデル”として今はあってもいいんじゃないか」という、ある種、消極的な賛成論でしかなかった。

 ところがここ数年、一般後発品の回収、品質問題が多発していることもあって、新薬メーカーとの関係が近いAGが圧倒的な存在感を発揮、医療機関、患者にも「後発品を使うならAGにしたい」という声が強まっています。

 なんでこうなったか?これからどうなるか?IQVIAのセミナーで講演させていただきました。お時間とご興味がございましたら、どうぞご視聴ください。セミナーは5月25日に収録、6月6日から7月7日までオンデマンドで配信されております。

 写真は業界の皆様にはおなじみの後発品使用促進の進展図(厚労省公表資料から抜粋)。それではみなさま素敵な一週間をお過ごしください!!!

 【IQVIAオンデマンドセミナー】

 どうなる?オーソライズドジェネリック、~先発・後発企業の課題と戦略~

 

 

 

 

 

日本には医療、医薬品政策に「患者の声」を取り込む仕組みがない!審議会には、せいぜい大学の偉い先生が座っているだけ

 みなさん、お元気ですか?穏やかな天気が続きます。

 さて先週、アストラゼネカ日本法人の主催で、医薬品臨床試験(治験)と、メーカー、医師、患者の関係をテーマにしたセミナーが開かれ、オンライン参加しました。治験の理解、活性化には当然、メーカー、医師、患者関係が良好であることが、大前提なわけですが、ご承知の通り、日本の場合、この3者の関係がギクシャクして必ずしもうまくいっていない。中でも、情報量の点で、最も下層に位置する「患者」の存在、意見発信の機会が少ない。

 セミナーでは「患者の存在、意見の吸い上げが大事だ」という点で識者の見解は一致しました。ただ、それではどうやってそれを具現化するか。具体的な手法となると、なかなか難しい。セミナーに出てきた患者団体の方によると、英国では、トレーニングを積んだ患者代表が、「ペイシェント・エキスパート(PE)」という立場で、医薬品の保険適用、価格設定など政策論議にも参加しているそうです。

 日本で社会保障、医療関係の審議会委員は、医師、保険者、自治体関係者の出身者ばかり。「公的な立場代表」もいるにはいるが、ほとんどが有名大学の先生方です。この先生方が、一般国民、患者の声を代弁できるとはとても思えない。審議会で、発言したのを見たこともない委員もいらっしゃいます。

 一方、英国のPEにしたって、疾患が治ってもその立場は続けられるのか?それとも治ったら任は解かれるのか?一度、PEを長く続けると、それそれで一専門家になってしまい、大学の先生方とほとんど変わらない権威的立場になってしまいやしないか?など、懸念も抱きます。しかし、日本のように、まったくないよりは、かなりましです。日本もそろそろ国民、患者の声を直接反映する仕組みが必要でしょう。

 写真は近くのビルで。風情のあるガラス窓に出会いました!素敵!それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!

 ◆IQVAセミナー「どうなるオーソライズド・ジェネリック(AG) 

先週収録が完了、AGを巡るビジネス環境について「過去」「現在」「将来」のお話しをさせていただきました。公開は6月6日(月)から!ご興味があれば是非、ご視聴ください!

 

 

 

 

 

アストラゼネカ日本法人の業績12.1%増、患者厳選型の抗がん剤タグリッソで補助療法への貢献狙う

  

 みなさんお元気ですか?昨日は複数の案件が重なり、1日遅れの更新で失礼します。

 先週5月17日はアストラゼネカ(AZ)日本法人の決算会見がありました。21年1~12月の売上高は4198億5800万円、対前比12.1%増で順調に推移。日本市場では第3位とのことです。昨年、英国親会社が買収したアレクシオンファーマシューティカルズは、まだ別法人で日本の売上高に反映されていないので、アレクシオンの売上高を組み込めば、もっと大きくなっていることになりましょう。

 AZで最も売上高が大きいのは非小細胞肺がん治療薬タグリッソ。いま外科手術後の補助療法(再発防止などを目的とする薬剤投与)の適応症を追加申請しています。

 AZのステファン・ヴォックスストラム社長は「がんを死因としてなくしたい」と、補助療法の追加適応の意義を強調しました。

 かつて私が尊敬する外科医は「しっかり手術したのに、“念のため”という理由で、抗がん剤を投与して患者さんを副作用で苦しめるのは忍びない」と嘆き、術後補助療法のあり方に苦言を呈していました。すでに、いくつかの薬剤は、がん手術後の補助療法でかなり広く使われ、学会ガイドラインにも組み込まれています。そのため、どんな患者でも“念のため”術後投与(補助療法)するのが当たり前になっています。しかし、AZのタグリッソは、もともとEGFRという特定遺伝子に変異がある患者に絞って使用されます。遺伝診断で、効果がある患者と効果がない患者をあらかじめ選別してから使うのです。大雑把に言えば、無駄な投与を無くす。タグリッソが術後補助療法の承認を得れば、私が尊敬する外科医の見方も変わるかもしれません。

◆優れた医薬品は「温室効果ガス削減」にも貢献できる

 それから印象に残ったのは温室効果ガス排出ゼロに向けたAZの提言。全部で6項目あるのですが、「日本の温室ガス排出の4.6%はヘルスケア関連。最も大きいのは患者さんの入院なので、短縮化に向け、関係当局と話し合っていく」(ヴォックスストラム社長)との言葉が響きました。優れた医薬品開発は、温室効果ガス排出削減に貢献できるのかもしれないと気付かされました。

 写真はAZ日本法人のヴォックスストラム社長。これからも地道に各社をウォッチしてまいります。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 
 
 
© 2025 薬新プラザ|医薬品業界の「本質」を発信するサイト