Posted on 9月 24th, 2012 by IDAKA
効き目のある患者を、あらかじめ特定して医薬品を投与する「個別化医療」が、本格化してきました。今年に入って、ファイザーの肺がん治療薬ザーコリ、協和発酵キリンの白血病リンパ腫治療薬ポテリジオが承認されました。当然、患者を選別する診断薬もセットで承認されるわけですが、この診断薬がものすご高あーい。これまで診断の保険点数は2000点(2万円)を超えたものはなかったのに、ザーコリ投与前の診断薬6250点、ポテリジオはなんと1万4000点でっせ。検査だけで。。ところがいまは治療薬と診断薬のセットにした「個別化医療」に対応する検査点数の算定ルールがない。今回の値決めは、きっと試行錯誤だったはず。次回、改定の検討課題になりそうです。
で、写真は近所で見つけた古い看板。「しつけ」って、あんまり言わなくなりましたね。お母さんのイラスト。なんか、味がある(笑)。さて先週22日の夕刻から振り出した雨を起点に、季節はすっかり秋になりました。雨の前は夏、雨の後は秋って、今年は、わかりやすすぎです!みなさん、体調にお気をつけて、素敵な一週間をお過ごしください!!夏もいいけど、秋もいい!!ダハッ(笑)
Posted on 9月 18th, 2012 by IDAKA
オリンピックは金、銀、銅の3位までしか入賞できませんが、生活習慣病関連市場の医薬品は、3つなんてもんじゃないです。今年6月、武田薬品が7番目の高血圧治療のARB「アジルバ」、そして9月、田辺三菱と第一三共が5番目の糖尿病治療のDPP4阻害薬「テネリア」を発売しました。もちろん、既存薬以上の有効性は担保されているのでしょうが、なんかなあ~。素直に喜べない。各社練りに練った戦略があるのも理解できるんですが、なんというか。心が躍らないというか。スカッとしない。といったらある業界人曰く。「井高ちゃんね。ダメだよ、そんな考えじゃ。オリンピックは入賞だけが、目標じゃないでしょ。参加することに意義があるとも言うじゃない」。確かに参加に至るまでにも、常人の想像を絶する努力があるんですよね。でもねえ。でもねえ。と、煮え切らないまま、お開きとなった夜でした!!
で、写真は先週、西新宿で撮影。このビル形が面白い!!でも名前がわかりませーん。ダハッ。それでは、みなさま、まだまだ暑いですが、素敵な一週間をお過ごしください!!
Posted on 9月 10th, 2012 by IDAKA
先日、医学界と製薬業界の利益相反の問題で、とある先生(医師)を取材した際、ハッと気づかされることがありました。釈迦に説法ですが、利益相反とは、お互いにモノや、無償サービスを提供したり、受けたりして、当事者同士が本来の社会的な使命を忘れ、かえって社会に害を与えることです。例えば、ある患者さんがいて、その症状を見るとA社の医薬品投与が最も適切なのに、医師がB社から接待を受けたがために、B社の医薬品を投与する。この時、医師と製薬企業の関係は、患者さんが本来、享受すべき利益に反して、害をもたらしている。利益相反である。ということになります。で、己(オノレ)が取材したのは利益相反に最も厳しい先生。メモを取っている己の手元を見て言うんです。「例えばあなたが使っている、そのボールペン。製薬企業の名前が入っていますね。私は、そういうものを手に取った途端に、呼吸困難に陥るんですよ」と。。。。。くうっー、しまったあー。綺麗に1本取られたあ。そんな感じがしました。ボールペン使っても自分の社会的な使命を歪めなければそれでいいのではないか?そうも思ったんですが。先生は「企業が自社製品を宣伝したいという意図に、乗ること自体、すでに歪んでいるんです」と。。。ボールペン使用も、ランチョンセミナーも、接待も、みんなダメという、お立場でした。いやあ、専門ジャーナリストになって、20年超。もう一度、自身の姿勢、足元を、しっかり確認しなければいけません。とはいえ、ボールペン。「貰わず、使わず」が、できるかどうか。また、すべきかどうか。まだ、はっきり結論が出ていません。今、読んでいる「神の火を制御せよ~原爆をつくった人びと~」(パール・バック著、小林政子訳、径書房)という本の中で、登場人物が科学者の基本姿勢を語るくだりがあります。「我々は命令に服したり命令を下す仕方は知りません。しかし、規律はあります。我々の規律は、人生でもっとも厳しいもの・・・・・・・・自己規制です」(186、7頁)。このくだり。己のこととして受け止めようと思います。
で、写真は先週取材で訪れた東大構内。三四郎池(正式名称は育徳園心字池)です。まったく手入れしていない。そのまんま。ちょっと見は、ジャングル(笑)。しかし、ここは東京のど真ん中。それが却って風情を呼び込んでいるようでもあります。明治時代。夏目漱石の主人公も、このまんまの風景を目に写したことでしょう。ではみなさん。今週も楽しく充実した一週間をお過ごしください!!!
Posted on 9月 3rd, 2012 by IDAKA
あれも、これも、それも、どれも、かれもと、やるべきこと、したいことが毎日、沢山あって、とてもじゃないけど、身体ひとつではとても足りない己(オノレ)です。時間を有効に使いたいから、毎日大体、予定を立てます。で、予定がうまくこなせると、スッキリ。「おお、己よ。おまえ、なかなかやるじゃないかあ」と、大変、気分がよくなるんであります。しかし、問題は、予定通り行かない時、電車が遅れて設定時間が乱れたり、パソコンがフリーズして仕事が停滞したりなどなど。「ホント、勘弁してくれよお」って叫びだしたくなる。でも、考えてみりゃ、人間、生きてること事態、ままならぬ。もともと、すべてを、予定通り進めようとすること事態、不可能なことなんですよね。思わぬハプニング、すぐには解決できない問題を前に、イライラしたところで、事態が改善するわけもなし。どうしようもないことは、どうしようもないままに、不安は不安のままに、悩みは悩みのままに。淡然と進んでいく。行雲流水。そんな大人に早くなりたあーい!!!
で、写真は近所の商店街で撮影。この夏、最後のお祭りかな?では、みなさん、今週も楽しく素敵な毎日を!!!
Posted on 8月 20th, 2012 by IDAKA
製薬企業MR「国内生誕100周年」ってことで、色々な催しがあるようですが、現場のMRに全く浮かれた様子はありません。株式会社のセールスマンと、薬物情報の提供・収集を担う医療人という、本来、両立しにくい使命のハザマで、相変わらず揺れ動いています。そもそも製薬企業からして、株式会社であり、生命関連製品の取り扱い業者であるという対極的な2つの足場に立っているわけですから、もう揺れ動くのは、しょうがない。いわば宿命と言っていいでしょう。ところで、先日あるMRと話していて、己(オノレ)が「100周年」って言ったら、こんな言葉が返ってきました。「国内MRはまだ生まれて100年も経っていません。価格決定権が卸に移った91年からだから、まあせいぜい20年です。それ以前は、プロパー。MRであったためしはないです。それを100周年なんて。完全に勘違いしています」。うーん、そういわれてみると、確かに、そうかも知れません。現場は浮かれてらんないってことでしょう。
で、写真は、先週撮った空。もう秋の気配が・・・。と書くつもりで、撮ったんですが、まだまだぜーんぜん暑っいじゃないですかあ~!!では皆様、今週も元気に明るく行きましょう!!
Posted on 8月 6th, 2012 by IDAKA
厚労省の役人は、よく「日本は急性期病床が多い。一定程度、慢性期病床にシフトする必要がある」と主張します。一見、正論のようですが、どうでしょうか?国民、患者にとって、そこが急性期病床だろうが、慢性期病床だろうが、知ったこっちゃないからです。疾患を、最後までしっかり治してくれる病院がいい病院なんです。もうこれ以上、〇〇病床群、▲▲病床群とか、厚労省が管理しやすくするためだけの、小難しい病床区分は新設しないで欲しい。むしろ、国民、患者が理解できない、こんなわかりづらい区分は一度、すべて撤廃して、まっさらにすべきなんです。入院医療を、患者に施した医療行為と、その回数、看護師の数、入院期間の長短で評価するのも馬鹿げている。だって患者が求めているのは結果なんです。看護師が多かろうが少なかろうが、沢山、医療行為をしようがしまいが、入院期間が長かろうが、短かろうが、そんなことはどうでもいい。最終的に、しっかり、治れしてくれるかくれないかが大事なんです。患者一人ひとりの改善度合い、満足度で、評価すればいい。要するに過程ではなく、結果で評価すべきなんです。なぜ、そうしないのか?おかしな話です。
で、写真は荻窪の喫茶店で撮影。超癒される快適空間でした。BGMも己の好きな環境音楽みたいのがかかってて最高!!名前は・・・。チェックし忘れました(^^;)。ではみなさん!今週も楽しんでいきましょう!!おーっ!
Posted on 7月 30th, 2012 by IDAKA
確か5月23日のことでした。医薬品の費用対効果を巡る議論で、中医協の森田朗会長(学習院大教授)が、「タイ(新薬)の群れで、タイに優劣を付けるのは難しい。しかし、タイの群れに紛れ込んだサバ(既存薬で代替可能な医薬品)を見つけるのは案外、簡単ではないか」と述べました。要するに、サバを見つけるために、費用対効果を評価すべきという意見です。これに対して白神誠氏(日大薬学部教授)が先週24日の国際医薬経済・アウトカム研究学会(ISPOR)日本支部のセミナーで、「森田氏の喩えは、正しくない」と指摘しました。白神氏は「製薬企業は何も、敢えてサバを作ってるわけではない」とし、正しく言えば「養殖のタイの群れ(既存薬で代替可能な医薬品)の中に、天然のタイ(新薬)を連れてきて、『これは養殖ではありませんよ』と言っているのだ」と発言しました。一瞬、何をおっしゃられているのかわかりませんでした。「新薬」と「既存薬で代替可能な医薬品」は、「タイ」と「サバ」ほど違いははっきりしておらず、見分けるのが、簡単ではない。その差は「養殖のタイ」と「天然のタイ」くらい外見上わかりにくいものだ、ということでしょうか?己(オノレ)は、ここで、あんまり、目くじら立てて、どっちの喩えが正しいと言う気はありません。しかし、白神氏が最後に言った一言は、疑問に思います。「サバだったら見ただけですぐにわかる。だとしたら、新たなコスト、労力をかけて費用対効果を評価する必要はない」。そういったのです。果たしてそうでしょうか?「タイ」と「サバ」か、「養殖のタイ」と「天然のタイ」か。どっちの喩えが適切かはともかく。確かに、いまだって、「新薬」と「既存薬で代替可能な医薬品」ははっきりわかります。例えば、7番目のARBとか、海外では効用が認めらない睡眠薬とかは、既存薬と比べて新しいか、新しくないかという意味で言えば新しくない。「既存薬で代替可能な医薬品」だ。要するに「サバ」です。にもかかわらず、他の新薬と同様のルールで、高い薬価が付くのが問題だと思うんです。既存薬の特許が切れる間際に、既存薬で代替可能な医薬品が、臨床試験の安全性だけを振りかざし、いかにも「新薬でござあーい!」という顔をして出てくる。こういう医薬品に、「新薬」としての薬価を付けていいのでしょうか?少なくとも、初めの薬価算定で、何らかの措置があってもいいのではないでしょうか?「サバなら見ただけでわかる」という白神氏の見解には同意します。しかし、明らかに「サバ」とわかっているのに、なす術もなく、新薬として高い薬価が付く。そこが問題だと思うのです。そこに費用対効果の評価を導入して「これはサバです」と、明確に断定し、それなりの扱いをすべきだと思うのです。
で、写真は近所で撮影。ひまわり。なんてったって、この人。夏大好き。太陽大好き。猛暑の中で、すくっと立ってニコニコでしています!!やっぱいいやね。素敵です。人が、炎天下に突っ立ってニコニコしていたら、ヤバイですけど(^ ^;)。では、まだまだ夏真っ盛り。みなさま、体調に気をつけて!よい一週間をお過ごしください!
Posted on 7月 23rd, 2012 by IDAKA
中医協薬価専門部会で、いわゆる長期収載品(特許が切れた先発品)と、後発品の価格をどうするかをテーマに議論が進められています。「じゃあ、海外ではどうなってるんだ」ということで、先週18日、学識経験者から意見を聞きました。しかし、つくづく思うのは薬価関連論議では「価格」という言葉が、ホントに紛らわしい。日本の場合は「保険償還価格」と、「卸の医療機関納入価格」がありますが、米国は自由取引なんで「卸の医療機関納入価格」しかありません。それを同列に論じること事態、ちょっとおかしいんですよね。それぞれの立場、思惑で、「価格が安い」「高い」というもんだから、毎回、議論が混乱して出口が遠ざかる。きちんと、「保険償還価格」と、「卸の医療機関納入価格」に分けて、どうあるべきか。別々に議論すべきだと思います。
で、写真は赤羽の名店「まるます家」の風景。仕事を片付け週末、ちょっと一息。鯉のあらい、つぶ貝、ネギぬたで、大ジョッキ一杯。したら、隣の常連さんが「君ね、ここ来たら、これ頼まにゃいかんよ」と、さつまいもの唐揚げと、サッポロラガービール(レアだそうです)を一杯注いでくださった。まさに、吉田類の酒場放浪記そのもの(笑)http://w3.bs-tbs.co.jp/sakaba/ いい感じです。ではみなさん、今週も元気に楽しく参りましょう!
Posted on 7月 17th, 2012 by IDAKA
社会保障審議会・医療保険部会で議論している医療費適正化論議で、後発品使用促進の目標を都道府県ごとに設定すべきという意見が出ています。で、ある人から、「実現可能性が大きい」という情報を得て、先週、厚労省の保険局総務課や、医政局経済課を取材して回りました。しかし、どうも、そういう感触は得られませんでした。「後発品使用は、病院から出る一般名処方せんや、診療報酬による政策誘導に左右される。都道府県に目標数値を課しても、あまり意味が無い」というのです。確かにそうかも知れません。しかし、後発品使用については、都道府県格差が大きいのも事実です。地方は進んでいるが、大都市が進んでいない。人口が多い大都市で、使用が進めば、数量シェアは一機に高まると思うんですが。。都道府県格差をどうするか。目標設定は、ともかく、今後の課題になるでしょう。
で、写真は近くの広場で。小さな噴水で、おチビ達が遊んでいました。うだる猛暑の中、キャッ、キャッと走り回って、もう元気、元気!己(オノレ)も一緒に遊びたくなりました(コラ、コラ、危ないですから!)。代々木では原発反対集会で10万を超える人が集まったとか。昨年の今頃は、脱原発デモと聞けば、どこにでも顔を出していたのに、今年は日常に追われ、めっきり腰が重くなりました。でも、10万。いつも人任せで、発言しないと言われる、この国の人々ですが、まだまだ捨てたものではありませんね。それではみなさま、素敵な一週間をお過ごしください。
Posted on 7月 9th, 2012 by IDAKA
「処方せんに医薬品を一般名で記載すれば2点」。4月に付いたこの点数。相当、効いているみたいです。4月以降、医療機関から一般名の処方せんが、どんどん出てきている。処方せんを受け取る薬局は、一般名で書いてあるから先発を使っても、後発を使ってもいいわけですが、後発品を調剤した方が、調剤報酬が高くなるので、当然、後発品を調剤しますね。そこで、先発メーカーは、MRを使って薬局へのアプローチを強化しています。「一般名の処方せんが来ても、うちの先発品を使い続けてください」とお願いして回る。しかし、今度ばかりは、厳しいみたいです。薬局からは「色々、世話になって人間関係もあるんだけど、ごめんね。やっぱ後発品に代えさせてもらうよ」って、言われるケースが多々あるそうです。さてMRの訪問先も、今後、一層、2分化するでしょう。1つは医療機関に、自社製品の処方をお願いする部隊。この部隊は同時に「一般名処方を出さないで」と言って回る。もう1つは、薬局を回る舞台。「一般名処方が来ても、後発品に代えないで」って、訴えるわけです。両部隊は、自ずと求められる能力が違ってくる。MRに求められる仕事の幅は、今後、ますます多様化しそうです。
で、写真は先週取材で訪れた浅草。場所がわからなかったから、浅草名物、人力車の粋な兄ちゃんに聞いたら「ああ、それなら、アソコに見えるウ〇チビルの奥ですよ」と、いともサラリと丁寧(?)に教えてくれた。アサヒビールのビルなのに、やっぱ一般名は、ウ〇チビルなんだ(笑)。よく見ると、左側にはスカイツリーも聳え立ってます。ではみなさま。楽しい一週間をお過ごしください!!