Posted on 7月 11th, 2011 by IDAKA
スルホニルウレア(SU)剤の処方件数が増えているそうです。価格も安く、患者の経済的な負担が軽いほか、昨年、発売ラッシュだったDPP4阻害薬との併用で、非常によい効果を発揮するので、以前よりさらに使われているようです。ただし、DPP4阻害薬との併用は少量で十分なので、全体の使用量は激減、従ってメーカーの売り上げは減少が避けられない模様です。業界が「薬価維持」を主張している長期間安定的に供給を継続している医療上不可欠な医薬品に入るのかどうかわかりませんが、SU剤は、対象にふさわしいように思います。
で、写真は赤羽駅構内で帰宅途中に撮影。満員電車に乗る前の一瞬、夕空がものすごく綺麗に見えました。みなさん!暑い日が続きますが、楽しく凌ぎましょうね!!
Posted on 7月 6th, 2011 by IDAKA
えっ?!いまどきドラッカー?んっ?ジョブズ?またまたあー、ご冗談を・・・(笑)。売らんかなの出版プロデューサーが仕掛けたトラップに嵌って、書店で山済みになった本を手にした時点で、もうすでに相当、遅れていると思ったほうがいいです。混迷深めるこの時代。だからこそ今、己(オノレ)は本田宗一郎。カックイイ!
Posted on 7月 4th, 2011 by IDAKA
武田薬品の糖尿病治療薬アクトスと、膀胱がん発症リスク。少なくとも使用制限を打ち出したフランス、ドイツ、米国、日本当局は、リスクを認めたと言えます。しかし、以前にも触れましたが、フランス、ドイツの新規患者への投与禁止というのはどうでしょうか?薬には、ベネフィットがあれば、リスクもあるなんてことは、誰だって知っていることです。まるでアクトスには、リスクしかないような措置で、ややヒステリックな印象を受けます。米国、日本は、新規、継続に関わらず、膀胱がん患者だけ禁止、既往歴のある患者には慎重投与という措置を打ち出しています。フランス、ドイツと比べて、非常に冷静で、妥当な気がします。ただ、こうなると、個別患者ごとに、投与のベネフィットとリスクを見極める医師の技能、患者に説明と同意を得る能力が大変、重要になります。日本の先生方、よろしくお願いしますよ!!ところで、この話はともかく、もともと糖尿病とがんは何らかの関係があるのではないかという意見が以前からあるのも事実です。インスリンやSU剤でも、「一部のがんの発症リスクを高める」という発表が過去にもチラホラありました。本当のところ薬が原因なのか、糖尿病そのものが原因なのかわからないのが実情なのです。アクトスも疫学的にリスクがあるとは言え、リスクを生み出す作用メカニズムが科学的に解明されたわけではありません。ひょっとすると、がんの発症リスクを高めているのは薬ではなく、糖尿病かも知れないし、両方かも知れない。まだはっきりわからないわけです。日本糖尿病学会と、日本がん学会が、今年から、両疾患の関係解明に向け、共同で基礎、臨床研究を開始することになりました。結論は数年先になりましょうが、しっかり見守って行きたいです。
で、写真は帝国ホテル、玄関脇の禅庭。あまり目に付くことも無く、ひっそり小さくあります。石が綺麗に掃き清められています。この模様は、「水を表している」とか、「雲を表している」とか、「そうではない何も考えないのが正しいのだ」とか、諸説があるようです。己(オノレ)は黙するのみ。静かにゆっくり息を吐く。
Posted on 6月 29th, 2011 by IDAKA
行雲流水(こううんりゅうすい)。行く雲のごとく何ものにも執われることなく無心に、また流れる水にも似て、きまった形にこだわらない本当の意味での自由を体得する。行く雲も、流れる水もそれら自身は、別に無心だとか無執着だと自覚しているわけではない。雲はただ雲のままに、水はただ水のままに去来し、流れ去る。無心無形に、そのときそのところに生き、そのときそのところを生かす。(松原泰道著 「禅のこころに学ぶ 行雲流水」より抜粋) こんな風に生きていけたらいいです。何もすべてお任せして、人の言うとおりに生きろということではないでしょう。自我に惑わされることなく、澄み切った心で、その時、その時の状況を的確に見極めて、人を活かし、己(オノレ)を活かす。そう解釈しています。まだまだ・・・。
Posted on 6月 27th, 2011 by IDAKA
新薬が出ると、職業柄、すぐ先行品を引き合いに出して「どっちが勝つか」って視点で見てしまうんですけど、そんな単純ではないですよね。とくに日本の先生方は、新薬が出ても、すぐに切り替えたりせず、先行品と併用しながら、ゆっくり臨床評価していくことが多いから、専門記者が期待するような、ガチンコの競合ってあんまりないです。しかし、今年新薬ラッシュを迎えたアルツハイマー型認知症治療薬市場は、ちょっと様子が違います。ご承知の通り、国内では「アリセプト」(エーザイ)しかなかった同市場に、「レミニール」(ヤンセン/武田)、「イクセロン、リバスタッチ」(ノバルティス、小野薬品)、「メマリー」(第一三共)が入ってきたんですが、「レミニール」、「イクセロン、リバスタッチ」は、「アリセプト」との併用が禁じられているから、まさに、この3製品でガチのぶつかり合いになるかも知れません。でも、「アリセプト」は適用範囲も広いし、先行品だけに医師の信頼も高いですからねえー。結局、新薬のなかでは、「アリセプト」との併用が認められている「メマリー」が一番、出足が早いのではないかと思います。それから、「イクセロン、リバスタッチ」は効果がいささか弱いようですが、パッチ剤という点で、患者のQOLを上げることができるから、ひょっとすると、「メマリー」との併用という路線で、ジワジワと「アリセプト」を追い込む可能性もあります。 で、写真は日比谷公園で撮影。いくら花の名前に疎い私でも、このお方は存じております。紫陽花さまです。6月ですから。梅雨もそろそろ明けますね!
Posted on 6月 20th, 2011 by IDAKA
フランス当局から始まり、ドイツに波及したアクトスの使用制限。武田薬品のビジネスにとって確かにマイナスでしょう。欧州医薬品庁(EMA)も対応を検討しているので、EU加盟国内では、今後も同様の措置が広がるかもしれません。しかし、この使用制限。なんだか、中途半端だと思いませんか?ご承知の通り、新規患者への投与を禁止するというものですが、代替品はあるのに、現在、使用中の患者への投与を禁じていません。注意喚起以上、危険信号以下、いわば「黄色」と「赤」の中間、「橙色」信号です。普通、信号は3色なのに、珍しい4色目が出てきちゃった。いま一番困っているのは臨床現場の先生方でしょう。早速、日本糖尿病学会が厚労省に、迅速な情報提供を求めました。そもそも使用制限の理由は、膀胱がんの発症リスクを高めるとのことですが、研究手法は、過去に遡って検証する後ろ向きのコホート。これだと、インスリンやSU剤でもリスクは高く出るかもしれませんよ。統計データの詳細が、わかりやすく公表されない限り、措置の妥当性がいまひとつ理解できません。それになぜ、いまフランスで出たのか?武田の営業マンに「何かポリティカルな力が働いているのではないでしょうか?」と聞いてみたら、「あなた、かんぐり過ぎ!」と一蹴されましたが(笑)いずれにせよ、米国FDAはいまのところ、ラベル改訂のみ。欧州とは一線を画しています。日本は不動です。日米欧当局のスタンスに違いが出ているのも興味深い。しばらく目が離せません。 で、写真は年齢、性別、職業を超えた己(オノレ)のソウルメイト、おきあゆ。この人すごいんです!なぜか?その理由を説明します。まず彼女の向かいに座って、生ビール(中)3杯とウーロンハイ1杯を飲みます。で、いい気分になったところで、下を向いて自分の目を掌底で押すようにグリグリこすります(少し痛めに、、)。そして、素早くパッと顔を起して、彼女を見ます。そうすると、な、な、なんと、堀北真希に変身しちゃうんです!!!(笑)つか、結構マジで。(・。・)
Posted on 6月 15th, 2011 by IDAKA
「脱」原発機運、ようやく国内でも芽が出てきました。ここはひとつ「反」原発ではなく、敢えて「脱」原発で行くべきでしょう。「反」だと、自らの責任を全く省みず、意見を異にする反対側の人たちを突き上げるだけの対立抗争に陥ってしまいます。しかし、「脱」は違います。自らも原発に浸って生活していた事実を認めながら、そこから抜け出す自己変革、そして、みんなで一緒に新時代を構築する、より主体的、生産的な行動になります。国民投票で9割以上の人たちが原発に「No」と言ったイタリアや、大規模なデモが頻発する欧州各国と比較すると、日本国民はまだまだノンビリムード。いまもなお、多くの人が大企業崇拝、官僚依存、経済至上主義に浸ったままです。しかし、それも急激な変化を嫌う体質ゆえ。きっと少しずつ変わるんだ、と信じたい。そうそう。俳優の山本太郎さんが、所属事務所を辞めて脱原発の立場を鮮明にしましたね。「売名だ」という人もいるようですが、己(オノレ)は、そう言われるリスクを負ってまで敢えて行動に移した彼を支持します。先頭を走る人は、時としてクレイジーに見えますが、その先にあるゴールは、我々が後々、行き着くところと一緒だったりするものです。 で、AppleのCM。Think different!だって!!Think same!とか、Think alike!とか言って従業員の個性を破壊する経営者もいるのに、やっぱりスティーブ・ジョブズは、すごい!こんなCM作るなんて、立派に、クレイジーです(笑)。
Posted on 6月 13th, 2011 by IDAKA
政府が目標に掲げる後発品使用促進。2007年に閣議決定して以来5年目に突入しましたが、ここに来て足踏み状態に陥っているようです。となると、当然12年度の医療費改定にも影響が出る。医療ビジネスのステイクホルダーにとって最悪のシナリオは、まず前回同様、「後発品の使用が計画通り進んでいない。業界も約束したはずでしょ?」という理由で、長期収載医薬品をバッサリ追加引き下げ。で、「こんなにお金付けてんのに、あんたら、全然、やる気ないじゃん」という理由で、調剤薬局に対する後発品調剤体制加算を廃止。そして、極めつけは「そもそも、あんたらの価格が高いんじゃないの?」ということで、後発品そのものの薬価を軒並み特例引き下げ。まあーさか、ネッ!とばかりも言ってられませんよ。ただでさえ、東日本大震災の復興で、財源が枯渇しているご時勢。次期総理候補に、前回改定時、「医療費はマイナスでいい」と主張していた野田佳彦財務大臣の名前が挙がっているくらいですから。いずれにせよ、複数のシミュレーションを立てて、準備しておく方がいいようです。
で、写真は代々木公園で。ちょっと前に撮影。名前わかりません(笑)
Posted on 6月 6th, 2011 by IDAKA
政府の社会保障に関する集中検討会議。とうとう消費税引き上げを明言しました。もともと自民党時代から言われていたことで、問題は、いつ誰が言うかでした。震災の復興対応や、一連の外交問題でのガタガタぶりで、己(オノレ)は菅総理をまったく評価しません。が、昨年の選挙前から、しきりに言っていた「消費税引き上げ」を、公的な文書に明記したわけですから、本人はさぞご満悦でしょう。しっかし、5%から10%といったら、倍ですよ。己のようなスタイルで、働くものにとっては痛いです。そもそも消費税引き上げは「いまのままの社会保障を維持するなら」が前提。しかし、それについて、過去にどれだけ議論があったでしょうか?ほとんど無かった気がします。己はこう考えます。「病気にならんように注意するから、負担は少なくしてくれ。当然、病気になったら、給付も低くていい。自腹を切る。だから消費税上げないで」と。。あるいは、いくつかのメニューを作って選択性にして欲しい。社会保障だからと言って、国民の給付と負担を強制的に一律にする時代ではない。もはや国民も、それほど国に期待していないし、寄りかかる気はないでしょう。つか、期待したいし、寄りかかりたいけど、無理だとわかっている。だから、自由の幅を広げてくれ。そんな風に思っています。
で、写真は近所の空き地で撮影。調べたら、立葵(タチアオイ)という花のようです。土砂降りの雨の中、真っ直ぐ立って、艶やかな花を咲かせていました。凛とした、それでいて柔らかで、優しい雰囲気がイケてます。
Posted on 6月 1st, 2011 by IDAKA
NYのイーストヴィレッジにあるヨガスタジオ、Yoga to the Peoplehttp://yogatothepeople.com/。数ヶ月滞在した時、時間が有れば、通っていました。料金はドネーション形式という開放的な運営。いろんな人が来てて面白かった。それ以来、日本でもヨガを続けてます。連絡、交渉、取材、対話、構想、執筆。記者の仕事の大半は、ロゴス(言語)の世界。放っておくと、心身のバランスが崩れて、歪(いびつ)になります。知る人ぞ知る、己(オノレ)の大先輩、医薬経済社の異伝子さんの調整ツールはマラソン。己の調整ツールはヨガです。続けてる割には身体、ぜんぜん硬いんですが、昨日、ヨガの先生が「何も芸術的なポーズが取れるようにならなくたっていいんです。日常的な生活の中で、続けていけばそれでいいんです」と言ってて、うれしくなりました。このままでいいのだと意を強くしました。