2020年、新年のご挨拶

みなさんお元気ですか?2020年になりました。今年も地道に取材、執筆活動を続け、公私ともに己の質を高めていく所存です。しっかし、日産自動車元会長カルロス・ゴーン氏のレバノン入国には驚きましたわ。日本の法規制を全く無視!!!ある種、物騒な出来事なんですが、なんか力のない笑いが出てきてしまう。膝が折れるみたいな。ことの是非はともかく、従来にない発想、行動を前にすると、日本政府って為すすべもないんだなと、そんなことを実感しています。とはいえ、製薬企業は新薬の研究開発、事業活動で、既成概念を打ち壊し、発想、行動をどんどん飛ばしていって欲しいです。しっかりウォッチさせていただきます!!!本年もよろしくお願いいたします。

 

19年から20年へ、躍動感溢れる新ステージに突入!!!

   みなさんお元気ですか?

 19年の最終更新です。

 この1年、色んな出来事がありました!!!

 第一三共の期待の抗がん剤、抗体医薬複合体DS-8201が米国で承認され、20年はいよいよ米国事業復興です。中外製薬のトップ交代、50代社長の誕生でどんな変化が生まれるか楽しみです。エーザイが、米国で一度、開発を断念したアルツハイマー型認知症治療薬アデュカムマブ再び開発するという発表には驚きとともに日本企業の「開発魂」を感じさせてくれました。ノバルティスと支払い契約で揉める田辺三菱の上場廃止発表は寂しく思いました。三菱ケミカル傘下で日本医療に新旋風を巻き起こしてほしいです。大日本住友は新たな合併を手掛け、ラツーダ依存経営から何とか脱却できそう。デジタル技術を使った医薬品開発に注目しています。アステラスは泌尿器が良好、新事業開発が楽しみです。塩野義も安定成長を続けていますが、ロイヤリティ戦略の次にどんな動きを見せるか注目したいです。武田はシャイアー買収後、どんどんわかりにくい会社になっているので、来年は是非、わかりやすく発信して欲しいです。大塚HDには、医療用医薬品にとどまらない総合医療ビジネスの旗手となることを期待します。中堅企業は、総じて厳しいですが、新薬が好調で高い株価を維持している日本新薬のような会社もあり、ファイティングポーズをとり続けてほしいです。

 後発品企業は薬価制度での追い込みも強まり、再編統合というより、事業縮小、廃止が出てきそうです。何らかの打開策が必要です。

 一般用医薬品(OTC)は国内でも広告宣伝可能、企業ブランドを高め、セルフメディケーションに寄与する大事な事業だと考えます。かつては「選択と集中」で切り捨てブームでしたが、これからまた新たなブームが来るように思うので、気品のある広告を発信しまくって欲しいです。

  薬価制度改革。20年度分は業界の主張も活かされ「穏便」に決着。しかし21年度には中間年改定が待っています。19年秋には大手医薬品卸4社の談合疑惑が浮上。これが“クロ”と出れば、現行薬価制度の根幹を問い直す議論になるかもしれません。

 写真は物騒な程、ギラギラ燃え盛る朝陽!!!中医協傍聴で早起きした朝、ベランダで撮影。それでは皆様、素敵な年末を!!!素晴らしい新年をお迎えください。

※中外の次期社長の年齢に誤りがあったので、修正しました。

 

【お知らせ】

みなさんお元気ですかあ?

で、23日月曜は都合により更新できず。

次回更新は12月25日にさせていただきます。

「心」を「亡」くすと書いて「忙しい」。確かにやること満載!!!!なんですが、「心」は「亡」くすことなく、やっていきたいもんです!!!!

ではでは!!!

 

 

やっぱ、歯科診療って怖いぜ。

 

 みなさんお元気ですか?20年度の診療報酬改定、薬価制度改革論議も今週末で最終決着します。

先週の中央社会保険医療協議会で、「え?」と耳を疑う厚労省の発言がありました。歯科診療についてなんですが、院内感染対策を徹底するため歯医者さんが職員に器具の洗浄、滅菌、消毒に関する研修を施した場合、診療報酬で評価したらどうかというのです。職員に洗浄、滅菌、消毒を教えるなんて、歯科診療所として当たり前だと思うんですが、それをあえて診療報酬で評価するというのだから、いま現在は研修しているかどうか怪しいんだわ、きっと、と考えてしまします。で、怖いのが厚労省担当官の説明。「研修を徹底しないと、職員が“(感染症対策の作業の一部を)省略しちゃおうかな”ってことになりかねない」というんです。

もともと歯科診療所の器具の使い回しは、かなりの確率であるようで、患者としてはホントいやだ。使い回しで感染症にかかっても感染源の特定は難しく、問題が表面化することはほとんどない。で、厚労省は感染症対策を強化したいのです。それはいいんだけど。。。。患者として歯医者さんにかかって椅子に座ればほぼまな板の鯉です。医師が器具を握るたびに「それ滅菌してますよね?大丈夫ですよね?」って確認するわけにもいかず、困ったもんです。やっぱ歯科診療って怖い。

写真は中医協の診療側委員の面々。それでは、皆様、忙しくも楽しく。素敵な一週間をお過ごしください。

 

大手卸4社への談合調査に込められた深いメッセージ

 みなさん、お元気ですか?

 さて大手医薬品卸4社を巡る談合疑惑。公正取引委員会の強制調査(11月27日)から2週間が経過しようとしております。。「卸4社けしからん!!!」「公取委やっぱこわい!!」などなど。いろんな記事が出ています。まあ、それはそうなんですが、対象が日本を代表する大手卸4社、そして20年度の薬価制度改革論議の真っ最中、しかも改革の基礎資料となる薬価調査結果が出る直前という絶妙のタイミングです。何か深いメッセージが込められているのではないか?私はそう考えています。

もともと医療用医薬品の取引は、公正取引委員会が所管する独占禁止法違反スレスレになりがちな側面があります。

安定供給を重視しながら、お互いに利益を得なければならないので大病院などでは主要取引卸が決まっているケースが多い。実際、新規の小さな卸は取引してもらえないです。しかし、公的な医療機関の入札で、卸同士がちょっとでも相談したら「入札談合」でアウト!!!!また、製薬企業が卸に後から支払うリベート、アローワンスによって「うちの製品これからも高く売ってね。よろしくね」って意思を匂わせたら「再販売価格維持」で製薬企業がアウト!!!そして極めつけは。医療機関との交渉で最終価格が決まらないのに、製品だけ先に納める仮納入・仮払い。卸は「医薬品は生命関連製品。苦しんでいる患者さんがいるから、交渉が長引き最終価格が決まっていない医薬品でも納入せざるを得ない」と言って、もうずっーと続いていました。でもこれって医療機関がなんか患者を人質にすごんでるみたいじゃないですか?行き過ぎれば独禁法の「優越的地位の濫用」になるはずです。

 ことほど左様に医療用医薬品取引は独禁法違反スレスレ。しかもそれが常態化している。いまに始まったことではない。もともと薄氷を踏むような取引なんです。医療用医薬品は生命関連製品だから。医療保険の対象で公的な色彩の強いビジネスだから。薬価改定は医薬品卸の協力なしにできないから。そんな特殊性もあって、なんか変だけど続いて来ちゃった。で、今回の公取委の強制調査が何を意味するか?????

薬価制度そのものへの警告ではないか?薬価制度は健全な医薬品取引があって初めて健全に機能する。取引が健全でないと、医療保険で使われる薬の値段が「偽りの価格」になってしまう。薬価制度そのものに「破壊的なイノベーション」が求められています。

 写真はカスミソウ。枯れても美しい!!!それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください!!

 

【お知らせ】

本日9日予定のブログ更新は都合により本日夕刻あるいは明日10日になります。

何卒、ご容赦ください。

 

20年度の薬価改革は本当に「厳しい」のか?また、それはなぜか?

 みなさんお元気ですか?東京はそぼ降る雨。12月に突入しました。

 20年度薬価制度改革が大詰めを迎えております。製薬業界の要望はなかなか通りません。あちこちの業界紙が書き立てている通り、単純に言ってしまえば「業界に厳しい」。まあ、過去の歴史からして「業界にやさしい」なんてそうそうないですから。「厳しい」って言っとけばほぼ外れない。書く方は大して考えないで「厳しい」って書く。楽ですからね。そのが。

 でも、この「厳しい」。今回の議論の推移を丹念に振り返ると、中身が若干、変化してきているように思います。例えば、新薬について業界は、できるだけ原価計算方式を使わないで、似たような薬、似たような医療効果に着目して薬価を付けるよう要望しています。また、承認後に、新たな効能追加を取得したら、希少疾患、小児関連以外でも高く評価するよう求めています。ところが中々、説得力のある具体案が示せない。複雑な薬価制度を知らない国民のみならず、中央社会保険医療協議会の委員さえ、理解、説得できない。委員から「できるだけ価格を高くしたいって気持ちはわからなくもないが・・・。も少しわかりやすく説明して」って声も出るくらいです。しかし、これ以上、説明、主張すると、逆に業界が反対している費用対効果(個々の薬を使った場合の成果を金銭価値で算出する)を「もっと積極的に活用すれば、はっきりするんじゃないの?」って意見が出てきかねない。

私見ですが、製薬業界の要望はどこかおっかなびっくり。自ら提示した要望に対して説得力ある強い根拠を示せていない。世の中的に、論理的に、どん詰まりを迎えている。だから今回に関していえば、結果的に「厳しい」内容になる理由は、官邸とか、財務省とか、外的要因だけじゃないです。内的要因、つまり業界の理論武装が脆弱であることも、かなり強いように思います。

 そんな中、私が疑問に思うのは薬価がすり減った基礎的医薬品の価格維持。国際的なサプライチェーン問題で、欠品が続く抗生物質が多々あるから、何か新たなてこ入れがあるかと思いましたが、なんにもない。ゼロ回答で終わる方向です。これはよくわからない。社会的にいいんですかね。このままで。

 

 写真はホッキョクグマ。ワンちゃんじゃないですよ(笑)。カメラを向けたらこっちに来た!!!コワッカワ!!!それでは皆様。素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

卑劣な「あおり運転」、卑劣な「あおり報道」

みなさん、お元気ですか?11月も最終週に突入しました。

さて、最近「あおり運転」が問題になっていますね。身勝手な思い込みや、歪んだ欲求で人を危険に追い込み、傷つける行為です。昔からあったのですが、このところ死亡者が多発し、何とかしなければと議論になっています。自動車は快適な移動ツールですが、誤って使えば凶器になります。「あおり運転」で被害者が死亡したら「危険運転過失致死傷」で罰せられ、懲役が科せられます。

で、この問題が話題になる時、私は自らの職業に立ち返って毎回、「あおり報道」のことを考えます。報道は、大きな力を持つ政治、行政、企業活動をチェックするため、取材、執筆する権利を一般人から付託された職業だと考えています。だから報道に携わる者は、その人の出来の良し悪しに関係なく、一般人にはないある種の特権的な力を持ちます。しかし、その力を「あおり運転」同様、身勝手な思い込みや、歪んだ欲求を満たすために使えば、それは「あおり報道」です。特権的に認められた力は、即、凶器となり、暴力になり、人や組織を傷つけます。SNSとやらの普及で、ネット上には誹謗中傷やまことしやかなインチキニュースが溢れかえっています。どういうわけか本家本元の報道もSNSの風潮に押されて、急速に劣化してきているように思います。

報道の自由、取材の自由はもちろん大事です。しかし、それを盾に、緻密な取材も、緻密な資料読みも、緻密な思考も重ねず、何の脈絡もなく人や組織を急襲し、混乱に陥れて悦に入る「愉快犯型ニュース」は「あおり報道」の典型です。取材者の良心を信じたいですが、どうやらもうそんな甘いことばかり言っている段階じゃないかも知れません。時代は猛スピードで変化しています。

写真は毎回傍聴者で満員の中医協薬価専門部会。20年度の薬価制度改革論議も佳境を迎えております。それではみなさん、素敵な一週間をお過ごしください。

 

高齢者対象の臨床試験を組んで結果を出した医薬品は当然、評価すべき!!!

みなさん、お元気ですか?あっという間に11月!!ひぇーって感じです。

中央社会保険医療協議会での薬価制度改革論議も大詰めを迎えております。新薬のイノベーション評価、基礎的医薬品の供給下支えなど、重要なテーマがてんこ盛りですが、今回、個人的に注目しているのが、高齢者を対象とした医薬品臨床試験の評価です。75歳以上の高齢者を対象に試験をして、高い有用性を示したら、その薬を高く評価(=加算の対象にする)しようというものです。

高齢者って、いくつもの薬を併用していることが多いから、純粋にひとつの新薬の効果、安全性を見定めようと試験をしても、しっかりあぶりだすのが難しい。効果や、副作用の原因が、その薬なのか、はたまた併用している他の薬なのか、わかんないことがあるからです。だから、大抵の臨床試験は、65歳以上を除外して、若い人ばかりを集めて進めると聞きます。しかし、実際に承認され、臨床現場に出たら、75歳以上にガンガン使われているわけです。そういうことがあるから、難しいのを承知で、高齢者対象の臨床試験をして、これまで以上の有用性を証明したら、評価するという提案が出てきたのです。是非、具現化して欲しいです。

写真は久々に訪れた老舗のラーメン屋さんで。鶏ガラ、ショウガ出汁がいいんですわあ~(*^。^*)それではみなさん、素敵な1週間をお過ごしください。

 

「医薬品審査への患者参加」「製薬企業のポリファーマシー対策」に注目!!!!

 みなさんお元気ですか?連休を挟み2週間ぶりの投稿となります。すっかり秋になりました!!!食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋。みなさんの秋はどうしますか?

さて先週7日、毎年恒例の日本医薬品卸売業連合会のセミナーと、日本製薬工業協会の政策セミナーが立て続けにに開かれました。製薬協セミナーでは4月に新理事長に就任した医薬品医療機器総合機構(PMDA)の藤原康弘氏が講演、PMDA改革に向けた意気込み、気迫が伝わってきました。印象的だったのは、今後、医薬品、医療機器の審査に患者の声を反映させるという趣旨の発言です。欧米ではすでに実施されていて日本でも検討する考えを表明しました。果たしてどんな形で実現するか注目したいです。

一方、卸連のセミナーでは日本製薬工業協会の中山 讓治会長が講演、調剤薬局で受け取ったものの飲まずに期限切れを迎え患者宅に貯め込まれている、いわゆるポリファーマシー問題について製薬協自ら解消に向けた取り組みを進める考えを示しました。自分たちが製造した薬を、患者が適切に服用しているか。売ったら終わりではなく、製薬企業が最後まで見届ける意気込みを見せたものです。どんな活動をするか。こちらも注目です。

 写真は本日、活けた花々。井高流。それではみなさん素敵な1週間をお過ごしください。

 

 

 
 
 
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