「アリナミン製薬」という“戦略的名称” 主力品をプッシュし、武田の匂いを消す

 

 みなさん、お元気ですか?外はすっかり春めいてきました。中々、思うように動けませんが、許される範囲で静かに季節を楽しみたいなあと思っております。

 さて武田薬品のOTC(一般用医薬品)事業部門の子会社、武田コンシューマーヘルスケアが投資ファンド ブラックストーンに買収され、4月1日からアリナミン製薬に名称変更します。武田薬品の名前は完全に消え、主力品アリナミンを前面に押し出したわけです。

 投資ファンドは買収先の経営を伸ばすようしばらく力を注いで企業価値を上げ、数年後、頃合いを見て売却するのが基本です。武田のOCT子会社を買収したブラックストーンもそれを否定しておりません。で、最大の売り物は、やはりアリナミンなわけです。

 実は親会社の武田薬品はブラックストーンに売却する前にも、いくつかの企業OTC子会社の売却を持ち掛けていました。しかし、相手企業が「アリナミンは魅力的だが、国内トップ製薬企業タケダ出身の従業員を引き受けるのは荷が重い」と躊躇し、すべて破断になったと言われます。

 ブラックストーンが武田の名を下ろして、アリナミンを前面に押し出したのは、そんなこともあってのことでしょう。次の売却を見越して、社名に主力品アリナミンを冠して武田というブランドを下ろしたのです。

 写真は近くの立ち飲み屋で。屋内花見も乙なもんです。もちろん9時までですが(笑)。それでは皆様、素敵な一週間をお過ごしください。

 

 

緊急事態宣言解除 「他者に思いを馳せる力」が問われる

 

 みなさんお元気ですか?

 3月21日をもって新型コロナ感染拡大に伴う1都3県の緊急事態宣言が解除となりました。とりあえず「やるだけやった」という感じでしょうか?

 何せ相手は感染症。この先も「ゼロ」になることはない。よくアフター・コロナとか、ポスト・コロナとか言われますが、それはない、どこまで行ってもウィズ・コロナ。コロナとともに生きていくしかない。ここから先どうふるまうか?各人の意識次第です。私たち1人1人が社会的責任を意識してふるまうしかない。しかし、当然のことながら各人の「意識」には隔たりが生じるでしょう。

 「自分はこう思うから人もそうすればいいんだ」。押しつけはよくない。他者を慮る気持ち、尊重する気持ちが大事。いまほど自分以外の他者に「思いを馳せる力」が問われている時期はないでしょう。

 写真は近所の路肩で。とくに誰も手入れをしていないのに、元気に開花した「菜の花」。このさりげなさ、この力強さよ!!!!それでは皆様、素敵な1週間をお過ごしください!

 

 

 

アイン、日本調剤、クオールが「近未来薬局」に変貌!!!

 みなさん、お元気ですか?日差しの暖かい月曜日。いかがお過ごしですか?

新型コロナを契機にあらゆる領域で、デジタルトランスフォーメーション(DX)が一気に進展しております。

 医療でいうと最近、大手調剤チェーンの取り組みが際立っています。アイン、日本調剤、クオールはすでに全店でオンライン服薬指導体制を完備、オンライン資格確認、宅配ロッカー活用、無人飛行ロボット「ドローン」を使った非対面、非接触での医薬品受け渡しなど「近未来の薬局」に変貌を遂げようとしております。しかし、最終的な利益享受者は国民、患者です。それを忘れずに快適なサービスを構築してほしいものです。

 写真は都内老舗蕎麦屋で。最近、なぜかそばを食します(笑)

以下、医薬経済21年3月1日号の執筆記事です。是非ともお読みください!

◆大手調剤チェーンが「近未来の薬局」に“急変貌”

オンライン服薬指導を機に「新サービス」を次々に打ち出す

 

 

新型コロナ感染も原発事故同様、最も大事なのは「情報公開」!!!

 

 みなさんお元気ですか?冷たい雨が降る月曜日。いかがお過ごしですか?

 新型コロナ感染による緊急事態宣言の延長が決定。「仕方がない」と思いつつも夜の外食がままならない現状に欲求不満で一杯の私でございます(笑)。

 もうここまで来ると、緊急事態宣言を「解除」するタイミングを探るのも難しくなってきました。政府はこの先、緊急事態宣言を延長しても、解除しても、国民の批判を浴びるでしょう。

 しかし当然のことですが、新型コロナはウイルス性感染症ですからゼロにはならない。政府の対応をヒステリックに攻め立てるだけではらちが明かない。なぜなら新型コロナは「未知」の感染症で、政策もある意味、手探りで打つしかない。また、その成否を判定するには数年かかるからです。

 今、政府に期待するのは国民に対する徹底した情報公開です。正確な情報を基に1人1人がリテラシーを高め、個々人の行動に責任を持つ。それしかないです。

 さて今週3月11日。東日本大震災から10年経ちます。震災で生じた原発事故について国の責任を問う損害賠償訴訟が各地で起き、仙台、千葉地裁では国と東京電力の責任を認める判決が下されました。判決はいずれも「適切な情報公開が行われていたら被害はもっと少なくて済んだ」との見解がもとになっております。震災時の政権は、今、野党第一党、立憲民主党の源流、民主党です。民主党は原発事後後、「原発施設の放射能は完全にコントロールできている」と誤った情報を繰り返し発して、状況を悪化させました。

 大規模災害で最も大事なのは結局、「情報」なのです。

 果たして新型コロナ過でこの教訓が活かされているでしょうか?

 写真は2011年5月に石巻で撮影。震災のダメージ冷めやらぬ住宅地の風景です。「薬新カフェ」には珍しい凄惨な光景ですが、今回敢えてアップいたします。あの日を忘れないためにも。。。。。

 それでは皆様、素敵な1週間をお過ごしください!

 

 

 

 

 

大手後発企業、日医工は「旧武田テバの工場」買収を機に生まれ変わりを!!!

 

 みなさま、お元気ですか?

 さて後発医薬品大手、日医工が度重なる製品回収で、とうとう1か月程度の業務停止処分を受けることになったようです。健康被害が出る前の経営判断(自主回収)とはいえ、昨年4月から今年1月まで70品目以上も回収しているのですから当然といえば当然です。

 日医工は2月1日に武田テバの高山工場を買収したばかり。その高山工場はグローバル基準の品質管理体制を保有していると言われています。日医工は、今回の業務停止を機に、全製品を高山工場の基準に合わせ、品質管理体制を徹底的に改善すべきです。

 それでは皆さん、風まだ冷たいですが、春はもうすぐ。素敵な1週間をお過ごしください。

 以下、医薬経済21年3月1日号の執筆記事です。是非ともお読みください!

◆国内医療に押し寄せるDXの波

もう後戻りはない、オンライン診療の「全面解禁」

 

 

新型コロナの「脅威」もいつかは「インフル並み」になる!

 

 みなさんお元気ですか?先週末、急に暖かくなり、場所によって桜の花がポツポツ開花しました。

 さて新型コロナ感染症。ピーク時に比べると、新規感染者数はかなり減りました。専門家から意見を聞く政府の諮問委員会の尾身茂会長が先日、テレビで「一般のみなさんが新型コロナをインフルエンザ(毎年流行するが極度に恐れる必要がない感染症)のように感じるにはあと1、2年かかる」と話しておられました。

 インフルエンザのように感じる!!!!。

 そうなんです!時間はかかっていますが、いつかはきっとそうなるんです。そのカギは、イチにもニにもワクチン、治療薬。製薬企業各社の研究開発!そしてそれを後押しする国の政策が要なのです!

 明るい将来が早く訪れますように!

 それでは皆様。風はまだ冷たく、感染も油断はなりません。十分、注意しながら素敵な一週間をお過ごしください!

 

 

新型コロナも冬に広がり、暖かくなると若干収まる

 みなさんお元気ですか?

 今週はそぼ降る雨でスタート。まあ、あまりいい天気だと部屋にいるのが嫌になるのでこれはこれで良しと。。。。

 さて国内でのワクチン接種がいよいよ始まります。まずはファイザー社製から。その後もアストラゼネカ、モデルナ、塩野義、KMバイオロジクス社製と来年まで次々に承認、接種が進む予定です。少しでも社会の混乱が収まればいいなあと。そう思います。

 コロナ禍での緊急事態宣言や特措法改正、GOTOなど経済政策などを巡り、侃々諤々の議論は続いていますが、結局、相手は未知の感染症ウイルス。現時点ではっきりしているのは、新型コロナも寒くなって空気が乾く冬には広がり、暖かくなってくると若干、収まる傾向にあるーー。当初予測されていたことだけのように思います。人が考える政策の何がどれだけ実ったのか。将来、冷静に分析する必要がありましょう。

 

 以下、医薬経済21年2月15日号の執筆記事です。是非ともお読みください!

◆日医工の戦略的な「製品回収」

すべては高山工場の買収交渉から始まった

 

 

定期的に発生する感染症に備え 国を挙げてワクチン、治療薬の基盤技術を整備すべき!

 

 みなさん、お元気ですか?

 新型コロナウイルスのワクチンがいよいよ国内で接種できるようになります!治療薬開発も世界各国で進んでいます。感染者数も少しずつですが、減ってきています。

 しかし、ワクチンは特殊技術が必要で、もともと新型コロナではない他のウイルスワクチンの研究開発、供給で足腰を鍛えたメーカーしか作れません。治療薬も現在、開発中のものは、ほとんど新型コロナとは別の疾患を対象に開発、使用していた薬を、新型コロナに転用するというスタイルです。つまり純粋に新型コロナウイルスだけを念頭に研究開発していたものではないのです。結局、そのメーカーが保有する基盤技術のすそ野が広ければ広いほど、新たに発生したウイルスや細菌性疾患の予防、治療に迅速に対応できるのです。

 ただ、製薬企業も株式会社ですから、すぐに収益が出ない領域には中々、手を出したがりません。しかしながら新型感染症の発生頻度は、今後も高まってくると予想されています。しかも発生する時は突然です!!!

 日本もワクチン、治療薬の基盤技術のすそ野を広げておく必要があります。これはある種、国家防衛、公衆衛生で製薬企業頼みでは酷だし、いかにも頼りない。国、地方など公的資金も投入し、体制整備を急ぐ必要があるでしょう。

 写真は頭上を飛ぶ航空機。どこまで行くのでしょう。まだ本数は少ないようですが、悠然と飛び去って行きました(笑)それではみなさん!素敵な一週間をお過ごしください!!!

 

高品質な医薬品供給を継続するため、新薬も後発品企業も総点検を!!!

 

 みなさんお元気ですか?

 水虫などに使う抗真菌薬に睡眠剤が混入し、それを使った患者が重い健康被害を負った小林化工事件を機に、後発医薬品(新薬の特許が切れた後に安価で市場に出てくる医薬品)の企業団体、日本ジェネリック製薬協会が会員企業に改めて自社の製造管理体制を再点検するよう求めています。

 政府はもう20年近く前から後発品をどんどん使用して医療費を抑制する政策(後発品使用促進策)を進めてきましたが、目標の80%をほぼ達成し、ちょうど一段落したところ。これからどうするか。再検討する時期が来ています。

 高品質な医薬品を供給し続けるため、これを機に後発品のみならず新薬企業も自社の医薬品製造、管理体制をこれを機に総点検し、改めるべきは改め、良質な日本の医療を支えてほしい。心からそう願っております。

 

 写真は懐かしのカエル。コーワのキャラクターです。散歩中に遭遇、ほっこりしました(笑)それでは皆様、素敵な1週間をお過ごしください!

 

 以下、医薬経済21年2月1日号の執筆記事です。是非ともお読みください!

◆小林化工は「復活」できるか

親会社オリックスの選択肢は限られている

 

 

中間年改定、4大卸談合、小林化工事件を機に「新時代」に向けた議論を

 みなさん、お元気ですか?

 新型コロナ感染拡大が進む中、医薬品業界は薬価の中間年改定実施、大手卸4社の談合事件、小林化工の睡眠薬入り水虫薬への対応など、大きな課題に直面しております。いずれもこれまでの「慣例」を振り返り、新時代の医薬品業界を確立するため真摯な議論が必要になるでしょう。

 変えるべきは変える。続けるべきは続けるーー。口で言うのは簡単ですが、判断はそんなに簡単ではありません。リモート化で直接の対面は制御されていますが、人と人の意見のやり取りが、ますます重要になってきいると考えております

 この難関をいかに乗り越え、どんな新時代を築くか。医薬品業界の皆様、次第。ジャーナリストの立場で今後も真摯に向き合ってまいります。

 それではみなさん!素敵な一週間をお過ごしください。

 
 
 
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