Posted on 7月 21st, 2010 by IDAKA
武田薬品が発売した不眠症治療薬ロゼレム。11年ぶりの自社創製品とのことで、MRもはりきっていることでしょう。抗精神薬でないので、副作用も少なく医師や患者に推奨しやすいのではないでしょうか。しかし、実はこれメラトニン受容体作動薬で、効果が出るまでに4週間もかかるそうです。受容体作動薬どころか、米国ではメラトニンそのものが、健康食品で売っています。いわゆるサプリメントとしてみんな手軽に服用しています。私は米国に行くと体内時計が狂って眠れないことが多々あります。その時、ドラッグストアで薦められるのは決まってメラトニンです。しかも60錠入りで1000円もしなかったと思います。ロゼレムはメラトニンの受容体に作動するとのことですが、れっきとした医療用医薬品です。この違い。なんだかすんなり受け止めることができません。
で、写真は渋谷のHMV。8月22日に閉店します。景気の低迷と、新興電子メディアの波をもろにかぶってしまったようです。しかし、ネット配信もいいけど、わざわざSHOPに足を運んで、CDを探すわくわく感も捨てがたい。そういう意味で、もちっと頑張ってほしかった。
Posted on 7月 19th, 2010 by IDAKA
病院団体が新薬創出加算を理由に「メーカー、卸が値上げを迫った。けしからん!」と言って問題になりましたが、今度は日本保険薬局協会があえて新薬創出加算に「賛成」の意を表明しました。そもそも病院団体が何を以って「値上げ」と言っているのか未だ不鮮明。さらに、保険薬局協会がこの時期、メーカーをフォローするように「賛成」を言うのも変な感じです。この騒動は、なんだかしっくりしないことだらけです。目に見えない幻影を相手に色んな立場の人たちが動いたり、発言したりしているような感じです。日本製薬工業会が会員メーカーに「周知活動の自粛」を求めたことも、果たしてベストな対応だったのかどうか。今のところよくわかりません。
で、写真は本郷にある老舗旅館「鳳明館」で撮影。客用の「流し」なんですが、明治、大正の風情があります。ただ、中央に見える手指消毒薬アルボナース。景色としてはちょっと興ざめか・・。客への配慮としてはいいんですが・・・。近くを通りかかったら、すごく趣のある建物を発見。良く見たら旅館で、受付の人に頼んで、見学がてら写真を撮らせてもらいました。100年以上経っている登録有形文化財だそうです。
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Posted on 7月 14th, 2010 by IDAKA
DPP4阻害薬や、GLP1受容体作動薬の登場で、脚光を浴びる2型糖尿病薬市場。こうした新薬による早期治療で、疾患を食い止めることができるのではないかと期待感をもって取材しています。ところがインスリン製剤のトップ企業、ノボノルディスクファーマのシュスター・マーケティング本部長は先日の記者会見で「いまのところ魔法の薬はない」との見解を示しました。つまり、DPP4阻害薬や、GLP1受容体作動薬を使っても疾患は進行し、最終的にはインスリン製剤を使わざるを得なくなるということです。
やはりインスリン製剤は注射だし、1日、何度も打たなければならないし、低血糖など副作用もあるし、できれば使いたくない。しかし、一度、糖尿病になると、使用は回避できない。それが定説なら、いよいよ日ごろの不摂生、運動不足を反省しなければいけません。ところがこれが難しいんだ。己(オノレ)に打ち克つ!!
で、写真は日本文学を英文に翻訳して世界に発信したサイデンステッカー氏の本。http://www.msz.co.jp/book/author/15556.htmlちょっと値段が張って長く購入をためらっていましたが、先日ブックフェアで2割引きでゲット。良質で味わい深い高級料理のようなエッセイ。休みの日に少しずつ読もうと思ってます。
Posted on 7月 12th, 2010 by IDAKA
参院選での民主大敗。政治と金、普天間問題、マニュフェストへの疑問など、要因は色々ありましょうが、一番、指摘されているのが消費税問題。菅代表が総理になった途端に、「引き上げ」を口にしたのが響いたようです。必要性は認識しているが、誰も口に出しては言わない。それを言えば「勇気のある。リーダーシップのある総理誕生」と持ち上げられると考えたのでしょうか?時期や立場を考えれば、かなりのドン引き発言です。
どうも菅さんて、ここぞという時にかならず、滑って見せる。かつては年金未納問題で、自民党議員を「未納三兄弟」と厳しく追及しましたが、結局、自分の年金記録にも不備があって叩かれました。この時は、代表を降りて、お遍路さんに行ってました。その前には、女性ジャーナリストとの不倫騒動もあり、本まで出されちゃって。。。なんでこうなるのかと考えると、己の行動を社会的な影響力と照らし合わせてチェックしてくれる側近がいない。あるいはいても聞く耳持たないのではないでしょうか。後者だとすると、かなり危ないリーダーです。
で、写真は11日まで開かれていた東京国際ブックフェアで撮影。文藝春秋社のブースで円柱に、雑誌ナンバーがズラッと張られていました。懐かしい表紙がいっぱい。
Posted on 7月 7th, 2010 by IDAKA
とうとうメーカー各社が新薬創出加算の説明から手を引くことになりました。本日付RISFAXに詳報⇒http://www.risfax.co.jp/ 加算が取得できるかどうかは飽くまで取り引きの「結果」であって、「目的」にしてはいけない・・。という理屈はわかりますが、それは取り引きが正常な状態にある ことが前提です。いまのように取り引きに問題が多々ある中で、 ホントにこれでいいのか?疑問が残りますが、医療機関に広がる歪んだ解釈の火を消し、加算そのものを守るためには致し方ないのかも知れません。ただ、加算をきっかけに、メーカー各社を流通改善活動に、引き込もうとしていた卸からすればがっかりでしょう。
で、写真は仕事帰りの夕空。夕焼け、朝焼けの赤が好きです。いつの間にか日も長くなりました。本格的な夏も近い!!
Posted on 7月 5th, 2010 by IDAKA
早いものでもう7月ですね。厚労省関係のニュースが例年、少なくなる、いわゆる「ネタ枯れ」の季節ですが、今年はそうでもなさそうです。 例えば、28日の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」(以下、流改懇)。07年秋に、厚労省が流通改善の緊急提言を出したにもかかわらず、09年秋の薬価調査結果では薬価差が拡大していました。未妥結・仮納入の是正で、妥結を急いだがために納入価にしわ寄せが行ったとか、メディパルとアルフレッサの大型合併計画(最終的に破談)の浮上で、卸間の価格競争が激烈化したとか、色々言われていますが、この辺りがどうジャッチメントされるか。注目されるところです。 また、4月に試行が始まった新薬創出加算。卸の説明に対して、医療機関側から「値上げに利用している。けしからん!」という不満の声が上がっています。これを受け、厚労省は「新薬創出加算と価格交渉は切り離すように」と業界に忠告しました。しかし、日本の医薬品流通と薬価制度は、そもそも「許容幅」という緩衝地帯を挟んで、常に隣り合わせにあります。「流通無くして薬価無し」、「薬価無くして流通無し」の状態です。前にも書きましたが、そんな中で、ホントに、新薬創出加算と価格交渉を切り離すことなんてできるでしょうか?私自身は疑問に思います。果たして流改懇では、どんな意見が飛び出すでしょうか?
で、写真は3日土曜、渋谷センター街のアジアン食堂で撮影。隣の席にいたドイツ人留学生ノルメン君と、セルビア人留学生のガールフレンド。食べる前にきちんと「いただきます」と言うし、箸を上手に使うし、店員にもとても礼儀正しい。感動して、思わずブロークン英語で話しかけると日本語もペラペラでビックリ。日本の国際化も知らぬ間にかなり進んでいるみたいです。なんだか少しずつ世界が広がっていくような感じで、楽しいですね!!
Posted on 6月 28th, 2010 by IDAKA
日本病院団体協議会から「新薬創出加算を理由に、医薬品の価格値上げを求める医薬品卸がいて、けしからん」という声が上がっています。確かに、新薬創出加算は値上げのための制度ではありません。しかし、これまで採算割れを起こしていたり、どう考えても価値に見合わない価格で納入していた製品は、加算を契機に引き締めたり、場合によっては値上げ要求してもおかしくないのではないでしょうか?価格交渉なんですから、おかしいと思うなら、要請を飲まなければいいだけで、それを以って新薬創出加算そのものを批判するのは筋違いだと考えます。日病協が言っている「値上げ」が何を意味するのか。しっかり見極めたいと思います。
で、写真はNYクイーンズで、撮影。ガラクタ機械を使って作ったロボット君たち。歩いていたら、ウインドウ越しに、話しかけてきました(笑)
Posted on 6月 23rd, 2010 by IDAKA
今日、中医協で嘉山孝正先生が「いわゆる“55年通知”を使えばドラッグ・ラグ問題はすぐに解決する!!」と発言しました。55年通知は旧厚生省が昭和55年に支払基金などに当てて出した通知。保険適用外の医薬品でも、すでに海外で認められていて有効性、安全性が確立されているなら、目くじら立てて拒否しないでいいよ。状況に応じて、使用を認めてあげていいよ。という趣旨の内容です。これを、いま問題になっている未承認・適応外薬に適用すれば、わざわざ承認審査、薬価収載をする必要はないというわけです。なるほどと思う反面、限りなく、医療現場の裁量が広がるので、大丈夫だろうかという心配もあります。それにしても嘉山先生のアイデアには、いつも感服。脱帽です!!
で、写真は渋谷宮益坂付近。取材を終え、スタバで原稿を書き終えて外に出たら、朝から降り続いていた大雨がすっかり止んでいました。
Posted on 6月 21st, 2010 by IDAKA
未承認・適応外薬の開発。厚労省から出た第一次要請品目に対するメーカーの回答が21日に締め切られます。しかし、気になるのは未だに要請先が決まっていない医薬品。17件あって開発企業を公募していますが、決まったのは5件。まだ12件残っています。開発に名乗りを上げた企業はグラクソスミスクライン、富士製薬などで、大手国内メーカーは1件もありません。自社の事業計画もあり、すぐに請け負うことができないにしろ、やはり大手国内メーカーには期待したいです。残り12件も、このまま、外資や中小メーカーで片付くと、日本の製薬業界の面目丸つぶれです。新薬創出加算の試行にも逆風が吹くかも知れません。いまこそ存在感を発揮すべきではないでしょうか?
で、写真はニューヨークの路上で見つけた子供の落書き。無邪気で可愛い!!(見にくいので拡大してみてください)ピカソが散々デッサンを学んで、最終的に定型を壊していくとき、「私が目指す絵画は子供の書いた絵画だ」と言ったそうです。大人になると、色々知恵が付いて書けなくなっちゃうんですよね。こういう落書きみなたいな絵・・・。願わくば、いつまでも体と心を柔軟に保ちたい。子供はある意味先生です。
Posted on 6月 16th, 2010 by IDAKA
医薬品産業の構成要素は何でしょうか?私は「政治」「経済」「科学技術」「医療」「社会保障」だと考えています。ひとつとして、不要なものはない。とことん人に会って話を聞いて咀嚼して、全てが混然一体となった業界の「現在(いま)」を立体映像のように書き表す。それが私の目標です。まだまだ修行中の身。
で、写真は「つくばエキスプレス」の秋葉原駅構内。初めて利用したのですが、地上から地下に降りた途端に、近未来のような空間に出くわしました。右側の絵がなんだかいい感じです。